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 2012年に公開を控える新作映画の中で、MOVIE ENTER編集部オススメの作品を紹介する「2012年先取り映画」。“映画は芸術ハラ”が紹介する作品は、3月17日(土)丸の内TOEI、新宿武蔵野館ほかで全国ロードショーとなる『青い塩』です。

『青い塩』

 かつて伝説と呼ばれたヤクザのボスだったドゥホンは、組織から足を洗い、母の故郷プサンで食堂を構え、穏やかに暮らそうとしていた。ある日、通い始めた料理教室でセビンと出会う。一見、普通の少女に見えるセビンは、かつてライフル射撃の名手だったが、ある事件をきっかけに闇組織の便利屋となり、ドゥホンの動向を探るために近付いていた。少しずつ距離が近づいていく二人だったが、ついにセビンはドゥホンを殺すように命じられる。正体を知りながらも、いままさに殺し屋に身を落とそうとしているセビンの未来を守るため、ドゥホンは再び組織と対峙する――。

年齢や境遇の異なる二人の男女が惹かれ合う、新たな愛の物語

 元ヤクザのドゥホンを演じるのは、『シュリ』や『グエムル―漢江の怪物―』など代表作に大ヒット作が並ぶ、韓国を代表する演技派俳優ソン・ガンホ。ドゥホンを狙う少女セビン役には、いま韓国で最も期待される若手人気女優の一人、シン・セギョン。年齢や境遇の異なる二人の男女が“料理”をきっかけに惹かれ合う新たな愛の物語を、珠玉の映像美で綴ります。ドゥホンを慕うエック(チョン・ジョンミョン)や、セビンを見張る殺し屋K(キム・ミンジュン)といった注目の俳優が裏社会の男たちを魅力満載に演じています。

こんな料理を作る子に、俺が殺せるか?

 元ヤクザと彼を狙う少女の距離を縮めたのは“料理”です。初心者のドゥホンは、料理教室で隣同士になった、無愛想ながら腕前は抜群のセビンのことが気になり、組織の命令を受けて近づいたセビンもまた、ドゥホンに心を開き始めます。セビンの正体を知りながらも「こんな料理を作る子に、俺が殺せるか?」と語るドゥホンの言葉には、誰かのために作る“料理”を学んだ彼の、セビンへの想いが込められています。塩は、人間が生命を維持するために欠かせないものである一方で、取り過ぎは高血圧など病気の原因にもなってしまいますが、『青い塩』と題された本作では、塩が象徴的な場面で度々使われています。

プサンの美しい塩田風景

 海辺に建つ一軒家を舞台に、みずみずしく透明感あふれる繊細な映像と美しい音楽で一大現象を起こした『イルマーレ』から実に11年振りとなる、イ・ヒョンスン監督による待望の新作『青い塩』。暖かい日差しに包まれた料理教室、親友と二人暮らしのコンテナ、一人バイクで疾走する夜の闇、波の打ち寄せる海辺に佇むレストラン、都会にそびえる高層マンションを照らす花火など、スタイリッシュなソウルの夜景からプサンの美しい塩田風景まで、台詞の行間を埋めるべく映し出される映像美が観る者に多くのメッセージを伝える作品となっています。

青い塩 - 公式サイト



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編集部的映画批評

映画は芸術ハラの総評

【見どころ】シン・セギョンがカラオケボックスで2NE1を熱唱
【こんな人に観て欲しい】料理を作るのが好きな人
【おすすめ度】★★★★★

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