この唐辛子は、溶けます。

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お蕎麦には、必ず唐辛子をかける。そして、ズズズ〜っとすすり、最後は汁まで完飲。もったいないから、残さない。
この時、いつも一つだけ問題が起こるのだ。飲み干す際の、あの異常な辛さと言ったら! 底に溜まった唐辛子のせいである。蕎麦や具は平らげたってのに、下の方でそのままの姿でサバイブしてるのが常。どうせなら、溶けろよ!

……イヤ、溶けるんです。この唐辛子は、言われなくても溶けるから。うれし野ラボ株式会社は、3月より『辻さん家のとける唐辛子』(税込み800円)を発売しているそうだ。

これは、ありがたいなぁ〜! そこで、同社にこの唐辛子開発のきっかけを伺ってみた。
「当社の親会社で製造元の『辻製油』は、日本屈指の抽出技術とナノ化技術を持っております。また、原料素材として唐辛子も持ち合わせていました。『これらを活かして、お客様が喜ぶものが出来ないか?』と考え、生まれたのがこの唐辛子です」(同社・担当者)
一味唐辛子をうどん等に使った場合、つゆに溶けないので沈澱してしまう。また、それらは舌触りが良くない。そこで唐辛子のエキスをナノ化し、今までにない新唐辛子を誕生させたのだ。これぞ、みんなが待望していた“つゆに溶ける唐辛子”!

そして、溶けることによって生まれたメリットは他にもある。まず「辛味がダイレクトに舌へ伝わり、辛さを強く感じるようになる」という点。
さらに、もう一つ。「ラー油、タバスコ、一味唐辛子では使えなかった料理にも使える」という、聞き捨てならない新要素も兼ね備えているらしい。
「スープやうどんはもちろん、焼酎やアイスクリームにもオススメです」(担当者)

本当か? ちょっと、信じられないなぁ……。というわけで、実際に『辻さん家のとける唐辛子』を取り寄せて、試してみました!
用意したのは、定番のうどん(インスタント)とソフトクリーム。本当に美味しいのか、無残なミスマッチに終わってしまうのか?

まずは、うどんにかけていきます。……ん、一粒一粒が普通の唐辛子より大きい気がするけど、これで本当に溶けるのか? 結構、ドバっとかけちゃったんだけど……。
そんな不安を抱きつつ食べると、その辛さはうどん全体に万遍なく行き渡っていた。「よく混ざらずに、辛い場所と辛くない場所がある」という状態にはならず、うどん全体がそのまま辛口になった印象。
つゆをズズズッと飲んでも、砂利を噛んでいるような個体の食感は全く感じられない。純粋に、辛口のうどんのスープだ。最後にググッと飲み干したものの、やっぱり唐辛子は残っていない模様。溶けた!

続いては、チャレンジです。“唐辛子・ミーツ・ソフトクリーム”に挑戦! 果たして、どんなテイストに……?
これをペロッといただくと、確かに溶けていく。ソフトクリームを舐めると溶けるのは当然で、それと同時に唐辛子も溶けていく。噛むのではなく、舐めようとした方がいい。そうすれば、あの“ジャリッ”とした食感は皆無だから。
味は、悪くない。甘さを感じて安心していると、遅れて辛さが喉の奥からやってくる。そんなスイーツと唐辛子のコラボレーションは成功でした! ……でも、やっぱりチョット辛いよ(笑)。

ところで、どうしてこの唐辛子は溶けるのか? その原理についても伺ってみたい。
「抽出技術を活用して、唐辛子から辛味と香りの濃縮エキスを取り出します。次に植物由来のレシチンという乳化剤を加えてナノ化することで、スープやお酒などに溶けるようになります」(担当者)
今までの通常の唐辛子は、唐辛子の皮を構成する成分が水などには溶けなかったそうだ。それを上記の方法で克服し、この唐辛子は出来上がった。

そんな『辻さん家のとける唐辛子』には、反響も続々と寄せられている。
・ペペロンチーノにかけたらおいしかった。バツゲームに使えるかも
・いつもカレーは甘口、辛口をつくるけど、これからは甘口だけで済みそうです
・辛さにムラがなく子どもも大喜びでした
・鍋の季節、辛い物好きの主人は取り皿に入れて自分用「辛口鍋」にしています
特に“辛い物好き”の方や、ダイエット効果を期待する20〜30代の女性からの人気を博しているそう。

どうでしょう。「溶けない」という問題を一つクリアしたら、こんなにも生まれた魅力的なメリットたち。新たなおかず調味料として、ちょっと注目してみてください。
(寺西ジャジューカ)