ゴジラが焼酎と共にやって来た。

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子供の頃に好きだったものは、大人になってもずっと好き。そんな男性は、多いのではないだろうか? プラモ、フィギュア、特撮……、成長したからと言ってそう簡単には醒めない。これぞ、男の子の習性というか。
事実、昨今では“大人の趣味”としても認識されているこれらの娯楽。わかってくれる人も多いと思うのだ。

そんな成長した男の子たちに、私からはコレをオススメしたい。兵庫県の「小西酒造」が10月から発売しているのは、その名も『破懐王 SAKEゴジラ』である。
どうですか。思わず手に入れたくなる、魅力的なゴジラフィギュアじゃないですか!? ……ちょっと待て。確かにド迫力、かつ精巧なゴジラではある。でも、それだけじゃない。このゴジラには、焼酎が入っているのだ。このフィギュアは、いわばボトルと思っていただきたい。

このような“焼酎入りゴジラ”を発売したきっかけについて、同社に伺ってみた。
「2年前(2009 年)、東宝さんより“ゴジラ生誕55年”を記念する企画についてご相談を受けたのが始まりでした」(同社・担当者)
しかし、どうして今年の10月までズレ込んでしまったのか? それは、単純に納得のフォルムに到達するまで時間がかかったから。造っては、顔が大きかったり、尻尾が短かったり……。いよいよ「諦めようか?」の心境にもなりかけたものの、そんな時に「2012年に“ハリウッド版ゴジラ”が公開予定」というミラクルな情報が! 回りまわって、再び絶好のグッドタイミングが巡ってきたわけだ。

そして、苦心の末の完成と相成った記念ボトルの詳細について。これは、1989 年に公開された『ゴジラVSビオランテ』に登場したゴジラを基本モデルとしているという。
まずは造型師・伊藤成昭氏の手で原型が成形され、『ゴジラ VS ビオランテ』から6作続いた“平成ゴジラ”シリーズの特技監督・川北紘一氏が監修を務めている。

続いて、気になるディテールについて。サイズは頭頂高約240ミリ。彩色は2パターンが検討され、通常の着ぐるみを意識した彩色を採用している。オリジナルに近いカラーだ。この彩色はすべて手作業なのだが、そのおかげで文句なしのクオリティに!
「『かなり、精巧にできているな』といった反響が届いております」(担当者)

では、この“焼酎入りゴジラ”を購入しているのは、主にどんな人たちなんだろう?
「やっぱり、年齢が高めの大人の方が多いですね。ゴジラマニアの方がまとめ買いすることが多いようです」(担当者)
この“マニア”が、思わぬ所にいたりする。例えば、焼酎の製作過程でのエピソード。不意に、パッケージを作る業者さんから「実は、欲しいんです!」といった声が上がり、先行して彼らがお買い上げ! 他にも、15個購入する企業が現れたり、やはり大人を夢中にさせているようだな……。

そんな『破懐王 SAKEゴジラ』は、同社が運営する「長寿蔵オンラインショップ」等で販売されている。価格は10,500円(税込み)。
ちなみに、このゴジラは限定3千本の記念焼酎(シリアルナンバー入り)。12月現在で、すでに約600本を売り上げているとのこと。何しろ商品名は「破壊王」ではなく、懐かしさを込めて「破懐王」である。現在は主に大人を惹きつけている状況となっているが、同社もそのつもりだったようだ。

そして忘れちゃいけない! 肝心の、焼酎自体にも触れてさせていただきたい。このゴジラの中に入っているのは、六甲山長尾山系伏流水「白雪丹水」で割った大麦100パーセントの本格焼酎。まろやかな味わいを楽しむことができるという。
そして飲み終わったら、普通に陶器型フィギュアになる。しかも、美濃焼の。

どうでしょう? 勇ましく飲んで、勇ましく飾ってみたい。そんな、勇ましい“焼酎入りゴジラ”ではないですか?
そろそろ、世の中的にジワジワとゴジラがきそうな気がしますよね。
(寺西ジャジューカ)