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 22日から30日の期間で行われるアジア最大級の映画祭「第24回東京国際映画祭」。開催がいよいよ今週と迫って、映画業界は熱気に満ちている。しかし、この映画祭、実際のところどんなイベントなのだろうか。「私、あんまり映画のことに詳しくないので知りたい」「俺は映画祭をネタに合コンでイイ格好したい」そんな方のために基本ガイドをつくってみた。
第24回東京国際映画祭特集 - MOVIE ENTER

Q1:なぜ東京国際映画祭は注目されている?

 まず、映画祭とは、何かというところから説明しよう。特定の場所で限定した期間に、コンセプトにあわせた複数の映画の上映会が行われるイベントを映画祭と呼び、多くは、年に一度定期的な開催サイクルを持っている。そして、通常の上映とは異なる特別な催しがある。

エントリー作品を審査して賞を授与する
未公開の作品や過去の貴重な映像など通常では観ることができない映画に触れることができる
レセプションや講演会など、映画に関連するイベントが同時に催される
監督や出演者などの舞台挨拶や質疑応答トークイベントなどが数多く開催される

 「カンヌ国際映画祭」「ベルリン国際映画祭」「ヴェネツィア国際映画祭」、この3つについては、映画に詳しくない方も名前ぐらいは聞いたことがあるのではないだろうか。それもそのはず、この3つは、世界三大映画祭と呼ばれている権威ある映画祭だからだ。

 それでは、東京国際映画祭はどうだろう。上映作品の規模はアジア最大級。そして、世界の映画・テレビ製作産業を統括する国際組織である国際映画製作者連盟(FIAPF)から正式に公認された映画祭。FIAPFから公認されている日本の映画祭は、東京国際映画祭ただ一つである。世界三大映画祭には及ばないものの世界ランクの映画祭。だから、毎年注目されるのだ。

Q2:たくさん映画が上映されるようだけど、どの作品を観れば良い?


 「アジアの風」「日本映画・ある視点」など様々な部門があり100作品以上の映画上映される。どれを観れば良いのか選ぶことができないという方もいるだろう。もし、あなたが映画祭初心者ならば「コンペティション」「特別招待作品」この二つに注目すると良いだろう。
コンペティション部門 - 作品一覧
特別招待作品部門 - 作品一覧

 コンペティション部門は、この映画祭の一番の目玉。世界中から厳選されたハイクオリティーなプレミア作品15作が集まり、この部門の作品の中かから、最高賞の「東京 サクラ グランプリ」や一般観客の投票から選出される「観客賞」などメインの賞が選ばれる。まさに映画祭の最も中心の部分を体験できる。

 もう一つの特別招待作品部門は、公開前の話題作を上映する。オーランド・ブルームが初の悪役を演じる『三銃士/王妃の首飾りとダ・ヴィンチの飛行船』やブラッド・ピットの『マネーボール』、ジャッキー・チェンの『1911』など、映画にそれほど詳しくない人でも一度は耳にしたことがある俳優が出演する作品が多い。邦画でも三谷幸喜監督の『ステキな金縛り』や大ヒットドラマ「新参者」の劇場版『麒麟の翼 〜劇場版・新参者〜』など、馴染みやすい作品がある。まずはここから入ってみるのも良いのでは。

Q3:映画祭ならではの特別なイベントは何かない?

 まずはオープニングイベントの「グリーンカーペット」を見に行こう。六本木けやき坂通りから六本木ヒルズアリーナまで緑のカーペットが敷かれ、そこをたくさんのゲストたちが練り歩く華やかなイベントだ。昨年は、藤原紀香、大政絢、堀北真希らが鮮やかなドレスを身にまとい歩いた。(昨年の様子はこちら)出席者のインタビューが行われる六本木ヒルズアリーナに一般鑑賞エリアが設けられて先着順で整理券が配布されるので、こちらを狙うの良いかも知れない。整列開始は朝の9時からなので早起きして並ぼう。今年はどんなゲストが登場するのだろうか。

 そして、各映画の舞台挨拶イベントも盛りだくさん。こちらも見逃せない。初心者でもわかりやすいゲストのいる作品を並べてみた。

■10月22日(土)
・『1911』ジャッキー・チェン(総監督/俳優)
・『三銃士/王妃の首飾りとダ・ヴィンチの飛行船』ポール・W・S・アンダーソン(監督)、ミラ・ジョヴォヴィッチ(女優)、ローガン・ラーマン(俳優)、ガブリエラ・ワイルド(女優)
・『JUZO AGAIN(オールナイト)』宮本信子(女優)、本多俊之(音楽家)、糸井重里(コピーライター)

■10月23日(日)
・『指輪をはめたい』岩田ユキ(監督)、山田孝之(俳優)
・『キツツキと雨』沖田修一(監督)、役所広司(俳優)、小栗 旬(俳優)
・『TATSUMI』エリック・クー(監督/プロデューサー)、別所哲也(声の出演)  

■10月24日(月)
・『レッド・ティアーズ〜紅涙〜』倉田保昭(企画/製作)、辻本貴則(監督/脚本/撮影)、加藤夏希(女優)
・『永遠の僕たち』加瀬 亮(俳優)
・『アントキノイノチ』瀬々敬久(監督)、岡田将生(俳優)、榮倉奈々(女優)

■10月25日(火)
・『サラリーマンNEO 劇場版(笑)』吉田照幸(監督)、小池徹平(俳優)、生瀬勝久(俳優)、沢村一樹(俳優)、篠田麻里子(女優)

■10月26日(水)
・『ハードロマンチッカー』グ・スーヨン(監督)、松田翔太(俳優)、永山絢斗(俳優)、遠藤 要(俳優)、渡部篤郎(俳優)、黒夢(ミュージシャン)

■10月27日(木)
・『ハラがコレなんで』石井裕也(監督)、仲里依紗(女優)、中村 蒼(俳優)、石橋 凌(俳優)

■10月28日(金)
・『明日に架ける愛』市井紗耶香(女優)、アレックス・ルー(俳優)、倉木麻衣(歌手)、香月秀之(監督)
・『ハルのふえ』やなせたかし(原作者)、野沢雅子(声の出演)
・『麒麟の翼 〜劇場版・新参者〜』阿部 寛(俳優)、新垣結衣(女優)、溝端淳平(俳優)、田中麗奈(女優)、松坂桃李(俳優)、三浦貴大(俳優)、菅田将暉(俳優)、土井裕泰(監督)

※10月18日時点で発表されている登壇予定ゲスト情報(最新情報はこちら

 この他にもたくさんのゲストが登場する。上記のような馴染みが深い俳優や女優が来る時を狙って観に行くのも良いし、公式サイトでチェックして、普段会うことができない海外の監督と質疑応答ができる時に行くのも良いだろう。

Q4:開催期間は?チケットはどこで買うことができるの?

【開催期間】10月22日(土)から30日(日)
【場所】六本木ほか
【チケット購入方法】チケットぴあやローソンチケット。当日券は劇場窓口で。
【料金】1,000円から2,000円。(学生当日割引500円)


 概要は、上記のとおり。場所はTOHOシネマズ六本木ヒルズを中心に、シネマート六本木や日比谷のTOHOシネマズシャンテで開催される。料金は作品毎によって異なる。オープニング・クロージング作品以外は、学生割引で当日券が500円になる。映画祭を存分に楽しみたい方は、複数の作品を観ることができるスペシャルパスなどの特別パスポートもあるのでそちらを購入してみるのも良い手だ。

 ここまで基本的なことを書いてきたが、何となく「東京国際映画祭」とは何かということが理解できただろうか。もっと裏ワザ的なことを知りたい方は、「東京国際映画祭の作品選定ディレクターが教える“裏技”的な楽しみ方」こちらの記事を確認しよう、また映画祭の最新情報や今年のグリーンカーペットの様子は、ムービーエンターでも特集をしていくので、小まめに特集ページをチェックして欲しい。

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