北朝鮮の金正日総書記の長男である金正男氏の身の安全問題をめぐり、中国側が北朝鮮に「手を出すな」と警告したことが12日の韓国メディアの関連報道で明らかになった。

 韓国メディアによると、金正恩氏の側近らが海外で北朝鮮の体制に批判的な発言をした金正男氏に対して何らかの措置を取る動きを見せたという。それに対し、中国側が「金正男に手を出すな」、「われわれの領内では絶対に許さない」というメッセージを北朝鮮に伝えたと言われている。

 同メディアは、金正男氏が中国特権層の子弟らで構成された『太子党』と親密な関係を持っていると伝えた。こうした状況は北朝鮮が崩壊した場合、中国が金正男氏を指導者に据え、北朝鮮を吸収しようとしているとのうわさにつながると指摘した。

 一方、「世界と東北アジア平和フォーラム」の張誠民(チョン・ソンミン)代表は、金正男氏が9日に北京でのテレビ朝日とのインタビューで、「3代世襲には反対だ」と発言したことについて「北朝鮮の先軍体制に真正面から挑戦する危険で挑発的な発言だ」と指摘。そして、金正男氏が3代世襲を反対するという立場を変えない場合、金正恩勢力から危険が及ぶ可能性もあるとの見方を示した。

 金正男氏に対する中国側の「保護」について、韓国のネットユーザーらは「三国志や朝鮮時代を連想させる」「後継者をめぐる大血戦が始まるのか」「後継者の冊封(さくほう)後に残りものは処分するということか」などといったコメントが寄せられている。(編集担当:永井武)



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