【エロゲ斬り！】1997年 elf /この世の果てで恋を唄う少女YU-NO

皆様こんにちは。えっちなゲームの話題をお届けすることで卑猥表現の限界に挑戦している、エロゲ特派員の姫♪です。１３回目となる今回は、1997年に発売された elf の「この世の果てで恋を唄う少女 YU-NO」をご紹介いたします。
その前に、毎度お決まりとなる注意事項です。本記事は扱うネタが「エロゲ」ということもあり、アダルト要素が含まれます。１８歳未満の方にはご覧いただけませんのでご了承ください。なお、１８歳以上の方で且つ、それでも「エロゲ」の記事を読みた〜い！　という方は、以下にある「続きを読む」のボタンを押して本文へとお進みください。では、ここからが本文です。

本作は、『A.D.M.S（アダムス）』という画期的なシステムを基に構成された秀逸な作品です。
ゲームシステムとしては、ＡＶＧ形式となっています。

『A.D.M.S』は、分岐した並列世界をマップにして視覚的にわかりやすくし、探索を助けるためのシステムです。
オート分岐マッピング・システムと訳される、この『A.D.M.S（Auto Diverge Mapping System）』は、ゲーム中に現れる選択肢を選ぶことで、この並列世界のルートを自動的にマッピングしてくれます。
このマッピングは、時間の流れに従い左から右へと流れていきます。
主人公は、この『A.D.M.S』を使うための「Ｒデバイス」を持っています。

『A.D.M.S』で特筆すべきことは、「宝玉セーブ」機能です。
宝玉アイテムを使用することで、『A.D.M.S』のマップ上に宝玉を置きます。
ゲーム中は、このA.D.M.Sマップ上に置いた宝玉を指示することでいつでも宝玉を置いた時間に還ってこれるのです。

この宝玉セーブをうまく使うことで、ゲームクリアまでのルートを効率よく進めることが可能になります。
例えば、あるルートで必要なアイテムを持ってない場合、分岐の直前で宝玉セーブを行なっておきます。
このアイテムを入手できる並列世界を辿り、アイテムを入手した後にこの宝玉を指示することで、この分岐の直前まで瞬時に戻ってこれる（この瞬間まで進むことができる）のです。
但し、この宝玉は８つしかありません。初期状態では３つしか持ってないのです。
つまり、宝玉セーブできる回数は制限されているのです。

何らかのエンディングを迎えると、この世界の主人公は「カオスの矯正」と呼ばれる力によりスタート地点に戻されます。
宝玉は、『A.D.M.S』のマップ上のいずこかに隠されています。宝玉のある並列世界に辿り着くことで入手できます。
入手した宝玉は、Ｒデバイスに格納されます。
この宝玉をＲデバイスに８つ揃えると、新しいルートへの扉が開きます。
新しく開いたルートを辿ることで、この作品の真実が判明するのです。

新しく開いたルートをクリアすると、「全てのアイテムを所持した状態でスタート」などの新しいモードが開放されます。


では、キャラクター紹介します。

本作品は登場人物が非常に多いため、代表的なキャラクターのみ紹介致します。
例によって、Wikipediaより引用しています。

有馬 たくや（ありま たくや）
性別：男
本編の主人公。境町学園の3年生。幼い頃、実母を亡くす。

有馬 広大（ありま こうだい）
性別：男
たくやの父。歴史学の博士号を持つ。

有馬 亜由美（ありま あゆみ）
性別：女
たくやの義母。半年前、大学生時代の恩師である広大と結婚。ジオ・テクニクス社が境町の海岸にて進める工事の責任者。

波多乃 神奈（はたの かんな）
性別：女
境町学園の3年生。

島津 澪（しまづ みお）
性別：女
境町学園の3年生。名家に生まれるが、令嬢と呼ばれることを嫌う。

武田 絵里子（たけだ えりこ）
性別：女
境町学園の校医。ボディコンとミニスカートの上に白衣を羽織り、生徒の前で堂々と煙草をふかす。

朝倉 香織（あさくら かおり）
性別：女
報道番組「ニュース・プレゼンス」のキャスター。

龍蔵寺 幸三（りゅうぞうじ こうぞう）
性別：男
境町学園の学長。歴史学を専門とする。

一条 美月（いちじょう みつき）
性別：女
大学生時代の恩師である幸三の秘書を勤める。境町学園で歴史の授業を担当したこともある。


では、本編について解説していきましょう。

とは言っても、この作品の核となる『A.D.M.S』システムについては既に解説してますので、ここではＲデバイスに関して解説しましょう。

Ｒデバイスは、『A.D.M.S』によって視覚化された並列世界を辿るための装置です。
並列世界の分岐点が近くなると、このＲデバイスが光ることで主人公およびプレイヤーに知らせてくれます。

特に、重要な分岐点に差し掛かると、「宝玉セーブした方がいいんじゃないか？」と親切なメッセージが表示されます。
これにより、シナリオクリアまでに要する時間短縮を図ることができます。

この作品の目的は、宝玉を８つ集めてルートを開放し、そのエンディングに辿り着くことですが、並列世界の踏破率を１００％にするのも目的の１つとなります。
実は、並列世界を１００％踏破しなくてもルートは開放できるのです。

筆者は、実はこの１００％踏破で苦労した部分があります。
それは、「『選択肢を決まった順番で連続して選択する』ことで辿れるルートがある」ことに気付かなかったためでした。
途中でセーブして戻ってくるのではダメなのです。ここに気付かず、随分と苦労しました。

シナリオ展開に関しては、『A.D.M.S』ありきでの実によくできたシナリオ構成となっています。
アイテムが無ければ打破できない部分は、選択肢すら出てきません。


では、恒例の「斬り！タイム」にいきましょう。

この作品の良い点・・・・・・と言いましても、実はこの作品に関しての良い点というのは、『A.D.M.S』そのものだったりします。
実に画期的なシステムであり、日本のＡＶＧ作品における歴史的な作品といえるでしょう。

敢えて悪い点を挙げるならば、宝玉を８つ集めることで開かれるルートが、全く分岐がない１本道という点でしょう。
Wikipediaを見ると、どうやら容量不足だったようです。
この時期は、どの作品も容量との闘いをしています。

この作品のプレイ中、筆者は実は変な遊び方をしています。
宝玉を８つ集めると開かれるルートに入ってから、すぐに宝玉セーブするのです。
すると、いざ扉を開く際に「資格なし」ということで開けない状態になるのです。
実によくできた作品と感心した場面でした。

この作品は、筆者はPC-98版でプレイしていますが、「エルフ大人の缶詰（2000年12月22日発売）」に同梱の「elf classic」に収録される形でWindows版もございます。
「elf classic」は後に単品販売されていますので、興味を持たれた方は是非ともプレイしてみて下さい。

今回、「この世の果てで恋を唄う少女 YU-NO」を紹介させていただきました。
次回もお楽しみに♪

【今回紹介した作品】 「この世の果てで恋を唄う少女 YU-NO」 発売日：1997/12/4(PC-98版) 企画・脚本：剣乃ゆきひろ ゲームデザイン：剣乃ゆきひろ 原画：長岡康史 キャラクターデザイン：長岡康史 メインプログラム：森岡忠明 音楽：島田竜 サウンドエフェクト：島田竜

■ライター紹介
【姫♪】
学生時代、留年を機に目覚めたエロゲと共にオタク開花し、現在に至るまでエロゲをプレイし続けている。
あまりに積み過ぎたエロゲの消化のために、日記という形で自己のゲーム消化軌跡を記録し続け、最終的に積み上げたエロゲ１１０本を２年かけて消化し切った経歴を持つ。
この記録開始時は、４２本近い作品がリストアップされていたというから驚きだ。
また、彼がたまたま読者として読んでいた某メールマガジンに、「投稿」の形で記事掲載していた経歴も持つ。
現在その記事は、彼の個人サイトから読むことが可能となっている。
さらに、同人誌即売会のパンフレット文章推敲事務も行なっていた経歴も持つ。
「感想文より論文の方が書きやすい」と豪語する彼の、今後の展開が楽しみである。