ローソンがコンビニで初めて“できたてうどん”の販売を開始した。その背景にあるものは一体何だろうか?

もちろん戦略だけにローソンはその意図を発表することはない。ここでは敢えてその深謀遠慮を推測し、モノが売れない時代に業績を向上させるマーケティング戦略を考えていくことにしよう。(MBA Solution ビジネス総合研究所 シニアアナリスト 安部徹也) 

■ 時代はマーケットシェアからウォレットシェアに!

マーケティングにおいて往々にして同業者だけを自社のライバルとして事業を展開している企業は多いと思うが、実はライバルは同業者ばかりではない。

顧客は消費を行う際に、決して業界という括りで行うわけではないからだ。

自分のケースを振り返れば明確になるが、消費を行う場合「自分のニーズを満たしてくれるものは何か?」という観点から行っているのではないだろうか。

たとえば、お腹が空いて「何か食べたい」というニーズが起これば、誰しも食べ物を提供してくれるお店を探すことだろう。それは、ファミリーレストランかもしれないし、ハンバーガショップかもしれないし、弁当屋かもしれないし、コンビニかもしれない。つまり消費者にとってはファミリーレストラン業界であろうが、ハンバーガー業界であろうが、コンビニ業界であろうが、そのような業界の括りは全く意味を成さないということだ。

ただ、多くの企業は同じ業界のライバル企業に打ち勝ってマーケットシェアを拡大しようと血眼になっている。実際のところマーケットシェアという概念はあまり意味のないものになってきているにも関わらず、である。

それでは、企業はマーケットシェアではなく、何を指標にビジネスを展開すべきなのだろうか?

そのヒントはスターバックスが教えてくれる。


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