商社マン しんちゃん。 走る! (20)/三宅 信一郎
〜高度成長からバブルを駆け抜け、さらなる未来へ〜
1980年〜90年台にかけての日本経済のバブルが膨れ上がって破裂前後の頃の、筆者のドロドロの商社マン生活の実体験をベースに、小説化しました。 今も昔も変わらない営業マンの経験する予想を超えた苦楽物語
を、特に若手営業マンに対して捧げる応援メッセージとして書きました。
【前号までのあらすじ】
海外の名だたる企業とビッグビジネスをすることを夢見て、憧れの
総合商社に入社したしんちゃんであったが、配属後すぐに地道な国
内商売の担当になってしまう。 同期が華やかな輸出入ビジネスな
どの海外取引、海外出張などグローバルなビジネスに関与しだし始
めているなか、自分は一体いつまで地味な国内商売に関与し続けな
ければならないのか? 一体いつになったら海外とのビジネスに
携わることができるのか? と、自分の抱いていた夢やあこがれと
現実のギャップに毎日悶々と自問自答する日々が続いていた。
3年目を迎えたある日、海外への飛躍の機会が突然転がりこんで来
た。 ただ、出張を命じられた国は、戦争真っただ中のイスラム
の大国、イランであった。 そこでは、日本ではとても経験できそ
うにない体験が待っていた。
イランに大量の日本酒を持ち込んだことが発端でテヘラン店長を
巻き込んでの大騒動のきっかけを作ってしまった。
「ま、まずい!」とっさにそう思った宮田は、両国に目配せして、
その電気屋の両脇を両国と一緒に一気に抱え込んで、家の外に一気
に連れ出した。
柔道仕込みの両国によって一気に外に放り出された電気屋は頭を抱
えて何かをつぶやきながら、こちらを振り向くことなく「ワー!」
と叫びながら一目散に走って支店長宅の表門から闇の中に消え去っ
ていった。
それを見ていた永井支店長は、先ほどの絶好調の陶酔状態から一転
して意気消沈し、リビングの床にどさっと倒れこむようにあぐらを
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1980年〜90年台にかけての日本経済のバブルが膨れ上がって破裂前後の頃の、筆者のドロドロの商社マン生活の実体験をベースに、小説化しました。 今も昔も変わらない営業マンの経験する予想を超えた苦楽物語
を、特に若手営業マンに対して捧げる応援メッセージとして書きました。
【前号までのあらすじ】
海外の名だたる企業とビッグビジネスをすることを夢見て、憧れの
総合商社に入社したしんちゃんであったが、配属後すぐに地道な国
内商売の担当になってしまう。 同期が華やかな輸出入ビジネスな
どの海外取引、海外出張などグローバルなビジネスに関与しだし始
めているなか、自分は一体いつまで地味な国内商売に関与し続けな
ければならないのか? 一体いつになったら海外とのビジネスに
携わることができるのか? と、自分の抱いていた夢やあこがれと
現実のギャップに毎日悶々と自問自答する日々が続いていた。
3年目を迎えたある日、海外への飛躍の機会が突然転がりこんで来
た。 ただ、出張を命じられた国は、戦争真っただ中のイスラム
の大国、イランであった。 そこでは、日本ではとても経験できそ
うにない体験が待っていた。
イランに大量の日本酒を持ち込んだことが発端でテヘラン店長を
巻き込んでの大騒動のきっかけを作ってしまった。
「ま、まずい!」とっさにそう思った宮田は、両国に目配せして、
その電気屋の両脇を両国と一緒に一気に抱え込んで、家の外に一気
に連れ出した。
柔道仕込みの両国によって一気に外に放り出された電気屋は頭を抱
えて何かをつぶやきながら、こちらを振り向くことなく「ワー!」
と叫びながら一目散に走って支店長宅の表門から闇の中に消え去っ
ていった。
それを見ていた永井支店長は、先ほどの絶好調の陶酔状態から一転
して意気消沈し、リビングの床にどさっと倒れこむようにあぐらを
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