ヤッターマン2号“愛ちゃん”をもっと出して! 映画『ヤッターマン』

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タツノコプロ原作アニメ初の実写映画化、嵐の櫻井翔と福田沙紀主演で話題の大ヒット映画『ヤッターマン』。アニメのリアル世代であるアラフォー記者も楽しみにしていたこの作品。なんと春休の大本命のお子様映画「ドラえもん」を蹴落とし、公開第3週目に入って興行収入ランキング連続1位に輝くお化け映画になっている。沸騰する観客動員数もさることながら、海外からオファーも相次いでいるという映画『ヤッターマン』はどれだけ面白いのだろう。

3月7日に公開された『ヤッターマン』は、興行収入は13億円8000万円を記録し、観客動員数は120万人を突破する大ヒット作品になった。このあとアニメと三池監督がよく知られているヨーロッパや、日本のトップアイドル・嵐が人気のアジア諸国など海外約30カ国から配給オファーがあるそうだ。

なんかスゴイ事になっているが、映画『ヤッターマン』の出来は、同じ三池崇史監督の、子供向け映画『妖怪大戦争(ようかいだいせんそう)』(2005年 主演:神木隆之介 豊川悦司)に比べるとやや物足りない。ゾクゾクするストーリーと、妖怪たちの大乱舞、漫画家水木しげる氏の平和メッセージなど、『妖怪大戦争』は子どもたちに見せたい要素が多かった。

ヤッターマン』は最大のお客様である子供たちよりも、アニメ・リアル世代の親たちや、オタクの若者に媚びたつくりになっている。少々、お子様が置いてきぼりだ。
公開前から話題のエロ・カワイイ深田恭子のドロンジョ様や、その他アニメそっくりの登場人物、おびただしいメカの再現、懐かしいギャグやカメオ出演の声優さん。どれも楽しいのだが、ラストのヤッターマン2号の「2号さん。(第二婦人)」といったギャグや、サソリの毒を吸い取るために、少女の“フトモモ”にキスする櫻井翔(欲求不満の主婦萌え狙い?)、発情するヤッターワンなど、下ネタも多い。

大手事務所の看板スターであるフカキョンが、「スッタモンダ〜」の歌を踊り歌うサービス精神には感服だが、子どもたちは『ヤッターマン』の主役の女の子が、ドロンジョ様でなくヤッターマン2号の“愛ちゃん”である事を知っている。今回愛ちゃんを演じた福田沙紀はとても魅力的なのに、露出の多さでドロンジョに負けている。さわやかで可愛いのでもっともっと出して欲しかった。


ヤッターマン1号のガンちゃんを演じた櫻井翔も、“笑顔”がいまひとつ。カワイイキャラになったドロンジョ様のセリフがフニャフニャなのはまだいいとして、せめて主役の二人は「思いっきり元気!」が基本である。

前半は、ヤッターマンより、ドロンボー一味の方が派手。後半はハマチVSトビウオの小型魚メカ対決、巨大ロボ対決と可笑しくも激しい戦いで一気に見せる。考古学者を演じる阿部サダヲが面白く映画を盛り上げてくれるが、タフな娘の翔子を演じる岡本杏理は大人っぽく、子供が感情移入できる少年などがいないのが残念だ。

一作目の今作は主役のヤッターマンを前面に出して、スピンオフで悪役のドロンジョを主役にした作品を作った方が順番だと思うし、すんなり見れたかもしれない。映画2本分の深田ドロンジョ登場がもったいないと思った。
そんな記者の心配をよそに、ラスト嵐の歌う主題歌『Believe』が流れ終わると、アニメの次週予告よろしく、お楽しみが・・・・・。

どこまでもフカキョンでヒットさせようという、まったく商魂たくましい映画である。

(編集部:クリスタルたまき)

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