ベビーゲートを勝手に出てしまう! ※画像はイメージです(杉下左京/photoAC)

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2人以上の子どもがいる家庭では、子どもの世話をしながら買い物や用事を済ませるのは簡単ではありません。

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そんななか、下の子が昼寝をしている間に、上の子たちを自宅に残して近所のスーパーへ自転車で買い物に行くという家庭も多いでしょう。これには「玄関とリビングにベビーゲートがあるから外には出られない」「往復10分程度の短時間だから問題ない」という考え方がある一方で、「火災や急な体調不良など、万が一のことが起きたときに対応できないのではないか」と不安も根強く存在します。

では、子どもだけを残して外出することについて、実際にはどのようなリスクがあるのでしょうか。事件や災害現場に赴いての現場分析や、犯罪者行動調査、被害調査を基にして、安全教育、地域安全等について研究している清永奈穂さんに聞きました。

「ちょっとだけ」がリスクを高める。子どもだけのお留守番の危険性

-未就学児だけを自宅に残して外出することには、どのようなリスクが考えられますか。

考えていただきたいのが、火災や地震などの災害時に、子どもだけでは避難の判断も行動も非常に難しい点です。また夏は熱中症、冬は寒さへの対策も必要になります。加えて、誤飲や転倒によるケガ、急な発熱やけいれんといった体調の急変にも、大人がいなければ対応が遅れてしまいます。

未就学児は状況を正しく認識したり、助けを呼んだりする力が十分ではありません。「大丈夫だろう」という保護者の感覚と、実際に起こりうるリスクとの間には大きな差があるのです。「ちょっとだけ、今のうちに」という気持ちはとても良くわかりますが、子どもの命に関わることですので慎重な行動が必要です。

-ベビーゲートなどの対策があれば、子どもだけの留守番はリスクが下がるといえますか。

ベビーゲートは、転落や外への飛び出しを防ぐという意味では有効な対策です。ただし、それはあくまで「行動範囲を制限する」ためのものであり、火災や体調急変といった突発的なリスクを防ぐものではありません。

ゲートで囲まれた空間の中であっても、誤飲やケガ、体調の変化は起こり得ますし、閉じ込められた状態でトラブルが起きれば、かえって助けを求めにくくなる可能性もあります。

「ゲートがあるから安心」と考えるのではなく、対策できる範囲とできない範囲を分けて考えることが大切です。

-短時間の外出であっても、事前に備えておくべきことはありますか。

未就学児だけを自宅に残しての外出は、たとえ短時間でも避けていただきたいというのが基本の考え方です。子どもの危機は、数秒目を離しただけでも命に関わることがあります。

とはいえ、どうしても目を離さざるを得ない状況もあると思います。そんなときは、隣人や家族などすぐ頼れる大人にひと声かけておく、あるいは一緒に連れて行くことを優先してください。普段から事故が起きないような環境を作っておくことも意識しましょう。

また、「いま急いで買い物に行くほどでもないな」と少し手を抜いて、のんびり子どもと過ごすという選択もありです。真面目な方ほど「今やらないと」と焦ってしまい、「短時間なら備えれば大丈夫」と考えがちかもしれません。それよりも、子どもの命を優先し、「短時間でも、まだ今は一人にしない。もう少し大きくなってから」ということを基本にしていただきたいと思います。

◆清永奈穂(きよなが・なほ) 株式会社ステップ総合研究所長
特定非営利活動法人体験型安全教育支援機構代表理事、日本女子大学学術研究員、博士(教育学)。日本女子大学市民安全研究センター研究員、文部科学省資質の高い教員養成(GP)研究員、科学技術振興機構(JST)研究員等務める。事件や災害現場に赴いての現場分析や、犯罪者行動調査、被害調査を基にして、安全教育、地域安全等について研究。内閣府「子ども若者育成支援推進のための有識者会議」委員、こども家庭庁こども家庭審議会基本政策部会臨時委員など歴任。2026年9月に『かってにしゃしんを とらない! のせない!わたさない!子どもの身をまもるための本』が発刊予定(岩崎書店)。

(まいどなニュース特約・長澤 芳子)