金とビットコインは同じではない、投資ポートフォリオにおける役割の違い-シンガポールメディア
シンガポール紙・聯合早報は、金とビットコインは共に希少資産とされるが、投資ポートフォリオにおける役割は全く異なると報じた。
記事は、金とビットコインはいずれも伝統的な通貨体系の枠外にある希少資産とみなされることが多く、しばしば「ビットコインはデジタルゴールドか」という問いが取り沙汰されることを紹介した。
そして、東方匯理ウェルスマネジメントのアジアチーフストラテジストである陳達徳(チェン・ダーダー)氏が2010年から26年7月までのデータを基に、株式60%・債券40%の典型的なポートフォリオに金やビットコインを組み入れた場合を検証したところ、ビットコインを追加すると収益の可能性は高まるものの、価格変動や下落幅も著しく増加することが分かったと紹介。また、両資産を小さい比率で同時に組み入れることで、リスク調整後の結果が最も良好になったと伝えた。
記事によると、検証を踏まえて同氏は、金が安定装置のような役割を果たすのに対し、ビットコインは変動の大きい収益ドライバーであると説明。この違いこそが「デジタルゴールド」という呼称が成り立ちにくい理由であり、両者を同一視することは問題を過度に単純化してしまうと論じている。
さらに、避難資産とされる金は過去のデータにおいてリスク資産が圧迫された際に保護的な役割を安定的に果たしてきたのに対し、ビットコインは全体的な市場のリスクセンチメントに大きく左右されやすく、株式市場が不振の際に防御的資産としての性質を一貫して示してこなかったと指摘した。
その上で、その資産が希少であるからといって自動的に信頼できるヘッジ手段になるわけではないと強調。ビットコインは投機的な上昇機会に近い存在であり、価格変動や規制の不確実性といった別のリスクを伴うと評している。
記事は、同氏が「金とビットコインのどちらが良いか」と問われた際の建設的な答えとして、購買力の保全や分散投資が目的であれば歴史的に金の方が説得力があり、高い上昇余地を求めるならビットコインに一定の役割があるとの見解を示すとともに、重要なのはどの資産を持つかではなく、なぜそれを持つのかを理解しているかどうかだと結論づけたことを伝えた。(編集・翻訳/川尻)

