【アジア大会】須崎優衣が復活金 パリ五輪の涙の同から2年2カ月「本当に幸せ」
◇愛知・名古屋アジア大会第14日 レスリング(2026年10月2日 名古屋市稲永スポーツセンター)
レスリング女子50キロ級で、21年東京五輪王者の須崎優衣(27=キッツ)が金メダルを獲得した。24年パリ五輪はまさかの銅メダルにとどまったが、28年ロサンゼルス五輪での2度目の頂点へ、再び勢いを増してきた。
初戦で敗れて泣き、銅メダルを獲得しても泣いたパリ五輪から2年2カ月。須崎は満面の笑みを浮かべ、忘れかけていたウイニングランの心地よさに酔いしれた。全4試合無失点、全てフォールかテクニカルスペリオリティー勝ちの完全優勝。「初のアジア大会で金メダル。自国開催で応援もたくさんしてくれて、幸せに思う」と満面の笑みを浮かべた。
本人も「ちょっと因縁に感じた」というパリ五輪と同様のインド選手との初戦を難なく突破すると、準々決勝、準決勝は文字通りの秒殺勝利。決勝の北朝鮮選手は通算4度目の対戦で「ライバル」と認める相手だが、タックル、場外ポイントと攻めに徹して得点を重ね完勝。「最初から最後まで攻めて勝つのが私のスタイル。やり切れた」とうなずいた。
生涯負けなしの対外国人94連勝が止まったパリ五輪を機に、自分自身と向き合った。東京五輪でも無失点で金メダルを獲得するなど、圧倒的な強さの陰に隠れていた劣勢時の打開策を課題とし、投げ技やその後の展開を磨いた。精神面でも毎日自分と向き合う時間をつくり、気付きや思いをノートにアウトプット。「悔しいで終わらせず、絶対にこの経験を無駄にしないという思いでやってきた」と、成長への糧に変えた。
東京五輪は無観客開催。国内では初体験の有観客国際大会で、「金メダルを獲って皆さんと一緒に喜びを分かち合えた。本当に幸せな瞬間だった」としみじみ語った。ロス五輪でも金メダルの喜びを、みんなで分かち合う。(阿部 令)
《女子76キロ級・鏡も金》パリ五輪王者の鏡は、準決勝、決勝といずれも逆転勝利での金メダル=写真。ガチガチのテーピングで固めた右膝は、実は1カ月前に前十字じん帯を完全断裂していたことを明かし、「意地っ張りな私が、何が何でも出ると言った。今日は自分を褒めまくりたい」と感無量の様子だった。決勝では残り2分で同点に追い付き、続けざまにポイントを挙げて勝ち越し。今後の試合日程はいったん白紙だが、「おいしいお酒が飲める」と笑顔だった。
《男子フリースタイル65キロ級・清岡は銅》パリ五輪王者の清岡幸大郎(カクシンライフ)は3位。3週間前に右膝を痛め、回復傾向だったが大会直前に再び負傷。武器のタックルができない状況で、準決勝でインド選手に敗戦。意地でメダルは確保し、「最後に気持ちで乗り越えたことは自信になる」と涙した。ただ、ほぼ組み手だけの勝負を強いられながらも、強豪と渡り合ったことは収穫。「あれだけできた。まだまだ伸びしろがある」と前向きに話した。

