甲子園のある「野球大国日本」がU18世代で勝てない理由 現地取材記者が「3年連続決勝で敗戦」総括
日本は13日、決勝で韓国に0-2で敗れ、16年大会以来10年ぶりの優勝を逃し、準優勝に終わった。2回に守備のミスから先制を許し、打線は「韓国の大谷翔平」の異名を持つ1メートル95の大型左腕・河弦丞(ハ・ヒョンスン)投手(18)に1安打完封勝利を許した。
目前のアジア王者があまりに遠かった。韓国の先発左腕・河弦丞が1メートル95の長身から繰り出す140キロ後半の直球、見分けが困難なスライダーに翻弄(ほんろう)され、屈辱の1安打零敗。二塁を踏めず、岡田龍生監督は「思っていた以上に投手が良かった。パワーアップが必要です」と力負けを認めた。
世界でも稀な規模と人気を誇る甲子園大会が行われている日本の高校野球だが、記者が取材した直近3年間のU18国際大会は全て準優勝に終わっている。24年アジア選手権決勝は台湾に敗れ、25年W杯決勝は米国、そして今年のアジア選手権は韓国に惜敗した。
なぜ、U18日本代表は優勝できないのか。理由はシンプルに得点力不足にある。直近の3大会決勝は計1得点で、2度の零封負けを喫している。
そもそも、U18世代が木製バットを使いこなして一級品の投手を打つことは難しい。それは対戦国も一緒。昨年決勝で対戦した米国、そして今年の韓国も日本の投手相手にわずか2得点しかマークできていない。相手もパカパカ打っているわけではないのだ。得点が入りにくい傾向があるからこそだからこそ、より「打てる選手」を選考しなければならなかった。
試合前の打撃練習から勝負は始まっているといっていい。打撃練習で飛距離が出ていなければ相手チームは思い切って「ゾーン内」の勝負をしてくる。そうすれば、四球の可能性は減り、安打による出塁を待つしかなくなる。だからこそ、「ゾーンで勝負したくない」と思わせるスイングができる選手も必要だ。そうすれば、慎重に勝負され、四球の確率も上がってくる。日本が得意とする「スモールベースボール」はまず、塁に出なければどうしようもない。
今年の3年生世代には1メートル95、102キロの二刀流スラッガーとして知られる山梨学院・菰田陽生がいた。日本代表が国内で合宿をしていた頃、甲府市内の山梨学院練習場では木製バットで逆方向の右中間へ20発超をたたき込む驚異的な姿があった。「このスイングを試合前に見せれば簡単には勝負できなくなる」と感じた。
スイングの強さならば、今夏の甲子園で本塁打を放った仙台育英(宮城)の田山纏外野手(3年)も負けていないが、招集されなかった。内野のポジションはできないし、トップクラスの足があるわけではないが、飛距離はプロ級。甲子園で視察した巨人の榑松伸介スカウトディレクターは「思い切りがいいし、スイングスピードが速い。小笠原道大さんをほうふつさせるフルスイング」と評したほど。田山のような打者はたとえ仮に下位に置かれても、一振りの長打でチャンスをつくり出すことができる。
もちろん全ては記者の結果論で、希望的観測に過ぎない。ただ、3大会連続決勝で同じ負け方をしていると改善の必要性を感じる。18人という限られたメンバーで、投手も務められる二刀流選手を入れなければならない編成上の都合もある。だが、「4度目の正直」のために敗戦から学ばなければならない。(アマチュア野球担当キャップ・柳内 遼平)

