『わたしの知らない子どもたち』二階堂ふみ「脚本を読んでいて胸が苦しかった」役所広司、岡田准一らが戦後を描く覚悟語る
【動画】二階堂、役所、岡田の特別映像
本作は、『すばらしき世界』『永い言い訳』などの西川美和監督が原案、脚本、監督を務めたオリジナル作品。終戦直後の過酷な社会を生き抜いた子どもたちと、その命を未来へつなごうとした大人たちを描く。「第51回トロント国際映画祭」のコンペティション「プラットフォーム部門」への正式出品も決まっている。
一方、琴子の担任だった曽根文美子(二階堂)も、敗戦によって婚約者と教師としての立場、生きる意味を失っていた。琴子の父の友人から「琴子を探している」と知らされた曽根は、彼女を探すことを決める。
特別映像で二階堂は、それまでの当たり前や常識がすべてひっくりかえってしまった戦後の世の中で「大人だと頭で分かることや理屈を並べて消化していくことを、全身で受け止めなければならない子どもたちの姿が描かれているので、脚本を読んでいて胸が苦しかった」と振り返る。
曽根は琴子がつらく寂しい想いをしているとわかっていながらも、自分自身も守らなければならないものがある中で、親を待つ琴子を駅に置き去りにしてしまう。二階堂は、戦争の被害者であると同時に、それに加担していた側でもある曽根について、「感情をどうバランスとるのか、撮影中ずっと難しいなと感じていました」と明かした。
役所と田中裕子が演じるのは、警察から逃げてきた琴子たちを一時的にかくまう海苔漁師の山井甚平とけいの夫婦。2人も戦争で子どもを亡くした悲しみを抱えている。
役所は「子どもたちを見ていて子どもらしい表情じゃなくなっていくつらさと、でもこの子たちにおなかいっぱい食べさせてあげたい気持ちがあった」と役柄の心情を説明。西川監督からは「あえて優しくせず、笑顔は極力最後までとっておいてほしい」と演出されたという。「味方役と誇張させることなく、こういう大人もいたという感じを表現されたかったのだと思う」と、話している。
岡田が演じるのは、闇市で暮らす子どもたちを受け入れる新興ヤクザの組長・菊沢徹。撮影では、子どもたちに慣れてもらうため、リハーサルを重ねた。
菊沢について岡田は、子どもたちにとって「兄であり、父であり、食べさせてくれる人」である一方、信頼してよいのか分からない存在でもあると説明。「たくさんのことを経験して飲み込みながら生きている世代なので、自分のできることを気にしているけど、やらなきゃいけないことや不条理と向き合いながら生きている人」と、裏社会に生きる葛藤を語る。
竹野内は脚本について、「読み進めるほど胸が締め付けられ、言い表せない悲しみが押し寄せてきた」とコメント。戦争孤児が大勢いた事実を「教科書では得られない史実として、一人でも多くの人に見てほしい」と呼びかけた。
孤児院の館長・鷹間を演じる吉田は、「子どもたちへの愛おしい気持ちが重なり、最後は泣きながら脚本を読んだ」と告白。
子どもたちの理解者になろうとする新聞記者・諸積役の坂東も、「こういう映画を作って発信していくのは意味のあることだなと、脚本を読んで感じました」と語っている。
同時に公開されたキャラクターポスターは、フォトグラファーのレスリー・チャンが撮影し、吉良進太郎がデザインを担当。琴子や曽根をはじめとする登場人物の肖像に、それぞれの決意や思いを表すせりふが添えられている。
二階堂、役所、岡田、竹野内、吉田、坂東の特別映像は、K2Pictures公式YouTubeで公開中。
