「米国との戦争終結MOU2カ月間、イランは水面下でより大きな戦争の準備」
イランが今年6月、米国と戦争終結に向けた了解覚書(MOU)を締結したにもかかわらず、水面下では戦争拡大に備えていたとの報道があった。
ウォールストリートジャーナル(WSJ)は16日(現地時間)、イランおよび中東地域の当局者の話として「イランの強硬派指導者らはMOU締結後、それを信頼するのではなく、この2カ月間をより大規模な戦闘に備えるために費やした」と報じた。MOUをきっかけに米国とイランの間に一時的な緊張緩和の局面が生じると、イランは約20万人規模の武装組織イスラム革命防衛隊(IRGC)を前面に立て、米国とその同盟国を標的とした攻勢の準備に入ったという。
これはイランがMOUについて「米国とイスラエルが世界経済に加える圧力を緩和し、今後さらに大規模な攻撃を行うための時間を稼ぐ試み」と認識していたためだと、WSJは指摘した。
これを受け、イランはIRGCの正規軍に対する統制権限を拡大する一方、今月10日には強硬派の7人をIRGCの主要ポストに任命した。まず、1980年代のイラクとの戦争時にIRGC総司令官を務めたモフセン・レザイ氏を、イランの最高意思決定機関である最高国家安全保障会議(SNSC)の書記兼最高指導者代理に就任させた。
また、IRGC出身で情報・軍事分野で長年活動してきた強硬派のアフマド・ヴァヒディ氏をIRGC総司令官に任命した。米テネシー大チャタヌーガ校の政治学准教授サイード・ゴルカル氏は「ヴァヒディ氏の昇格は、強硬派指導部が長期的な対立に備えて安全保障機構を整えていることを示している」と説明した。
IRGCは具体的な戦争拡大のシナリオも検討した。WSJによると、IRGCは敵の攻撃が迫っていると判断した場合に先制攻撃に踏み切る案や、ペルシャ湾のインターネット海底ケーブルを破壊する案などを検討した。さらに、クウェートやバーレーンで政治的不安を引き起こしたり、クウェートで地上作戦を実施したりする案も選択肢に含まれていた。WSJは「クウェートはこうしたリスクを深刻に受け止めている」と伝えた。
その間、ミサイルやドローンの生産を増やすとともに、イエメン、イラク、レバノンの親イラン武装組織との連携も強化した。アラブ諸国の情報当局による通信傍受によると、イランはこれら地域に顧問団を派遣し、今後の戦争拡大計画について協議した。特に、イエメンのフーシ派には、サウジアラビアの港湾やエネルギー施設などに関する標的情報を提供して攻撃を支援したという。
実際、フーシ派は17日、紅海のモカ港付近で、サウジ軍の揚陸艦1隻とフリゲート艦4隻など、計5隻の軍艦を弾道ミサイルで攻撃したと主張した。ミサイルはイエメン南部のイッブ州とタイズ州から発射されたと伝えられ、サウジ側はまだ公式な見解を示していない。
また、湾岸諸国に「米国がイランのエネルギー施設を攻撃した場合、湾岸諸国のエネルギー施設を破壊する」とし、具体的な標的リストまで伝えたという。これは「米国による対イラン攻撃に自国の領土や軍事施設を提供するな」という警告のメッセージということだ。
イラン側の首席交渉担当者モハンマド・バゲル・ガリバフ国会議長の戦略顧問メフディ・モハマディ氏は、米国とイランの膠着状態について「嵐の前の静けさ」と表現し「イランは大規模な対決に備えている」と強調した。WSJは「こうしたイランの対応態勢は、戦争に対する米国との認識の違いを鮮明に見せている」とし「両国が戦争を終結させる持続可能な合意に早期に到達するのを困難にしている、極めて深刻な不信感を反映している」と分析した。
イランは米国との協議が行き詰まっている責任を米国側に転嫁したりもした。16日のアルジャジーラの報道によると、イラン外務省のバガイ報道官は同日、記者団との会見で「本質的に、イランと米国の間の最大の問題は仲介の問題ではない」とし「問題は米国政府の認識と誤算、そして数多くの失敗によって証明されたやり方やアプローチに固執していることにある」と主張した。
バガイ報道官はMOUに定められた60日間の交渉期限についても、米国側の違反によって意味を失ったと主張した。バガイ報道官は「MOUが締結されてからわずか数週間で米国がこれを重大かつ広範囲に違反したため、交渉そのものが始まらなかった」とし「その結果、60日間の期限は完全に意味を失った」と強調した。
![イラン最高指導者モジタバ・ハメネイ師 [AFP=聯合ニュース]](https://image.news.livedoor.com/newsimage/stf/6/0/60f97_204_0b31270d_ed90fa0e.jpg)
