『マイ・フィクション』黒幕の最有力候補は主人公・玉森裕太か? タイトル自体が “最大のネタバレ” だったら絶妙すぎる

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 いい意味でリアリティ度外視のトンデモSFに振り切ったことで、バズッている、Kis-My-Ft2・玉森裕太主演のサスペンス・ラブストーリー『マイ・フィクション』(テレビ朝日系)。

 8月2日(日)に第5話が放送されたが、第4話まででTVerの関連コンテンツ再生数が計1000万回を突破しており、配信でヒットしているドラマだ。

■トンデモ展開の連続でカオス状態!

 伊川正樹(玉森)は妻・伊川真弓(宮澤エマ)と幸せな生活を送っていたが、ある日、転落事故で1週間も意識不明に。自宅に戻ると職場の同僚・多田義孝(レインボー・ジャンボたかお)が、なぜか「伊川正樹」になりすましており、真弓もそんな彼とラブラブ。そればかりか周囲の人々もみな主人公・井川のことを覚えていなかった。これが第1話のあらすじである。

 その後、毎回毎回驚きの展開の連続で二転三転。

 というのも、本作には記憶移植技術を用いた「ペルソナ・シフト・プログラム」という、人の記憶を消去して別の記憶を植えつけられるトンデモSF設定があるため、“なんでもアリ” の様相を呈してきているからだ。

 第5話時点では、まず主人公は「伊川正樹」ではなかったことが確定している。主人公をなにかと助けてくれていたシングルマザー・二宮由梨(森川葵)の夫は、2年前に亡くなっていたとされていたが、主人公はその夫「二宮祐介」が記憶を失くしている状態だった。

 また、彼の妻として生活していた伊川真弓も、まったく別人の「石野奈々美」だったことが判明。奈々美は別の男性と結婚して娘を授かっていたが、夫殺しの冤罪で懲役10年の実刑判決を受け、刑務所に収監されているはずの人間だったのである。

 そして、奈々美以外にも、刑務所暮らしをしていたはずの何人もの犯罪者たちが、別の記憶を移植されてシャバで普通に生活していることも明らかに。その裏では医薬品メーカーと一部の警察が結託しており、かなり大がかりな計画だったこともわかっている。

 主人公や奈々美のように元の記憶が消去され別の記憶で上書きされているキャラクターだけでなく、善良な一般人のフリをしてその謎の計画に加担しているキャラクターもおり、さらに主人公以外にも死んだはずの人間が生きているなどカオス状態なのだ。

■『DEATH NOTE』展開になる可能性

 さて、そんなトンデモ展開続きの『マイ・フィクション』。

 視聴者たちによる考察合戦が過熱しているのだが、やはりもっとも注目を集めているのが「黒幕は誰か?」という点だろう。

 ジャンボたかお演じる主人公の同僚が謎の計画を進める組織の一員であることや、国仲涼子演じる刑事も計画に加担していることが明らかになっているが、この2人に指示を出している “上” の存在がほのめかされているので、彼らが黒幕ではなさそう。

 一方、森川葵演じる主人公の本来の妻は、主人公を健気に想い続けるヒロインムーブを続けているが、いまのところ怪しいシーンがほとんどないところが逆にちょっと怪しい。実は裏の顔があって黒幕だったという可能性もあるだろう。

 ただ、“怪しいところがないのが怪しい” で言うなら、いちばん怪しいのは主人公自身ではないか。

 主人公はさんざん記憶をいじりまわされたり、組織メンバーたちの演技に騙されたりして、追い詰められて右往左往するシーンばかり描かれている。

 しかし、この状況すべてが記憶消去前の主人公自身が仕組んでいた壮大な計画だったとしたら…?

 ここで思い出されるのが人気漫画『DEATH NOTE』。

『DEATH NOTE』は、主人公が悪人に死の制裁を下す黒幕「キラ」だったわけだが、物語中盤でわざと自身がキラだった記憶を消し去るという計画を実行。キラ時代の記憶を失くし、一時的に善良な青年に戻るものの、のちに記憶を取り戻せる状況を仕組んであり、自身に向けられたキラ疑惑を見事に晴らすというストーリーだった。

『マイ・フィクション』の主人公は、危機に直面した際、必死になったり焦ったり驚いたりしていたが、その言動にウソはないのかもしれない。けれど、それは移植された善良な人格がそう振る舞っているだけで、もともとの人格がすべての計画を操る黒幕だという可能性も……。

■『マイ・フィクション』の直訳は…

 そう考えると、第4話で主人公の過去についての違和感があった。

 本来の妻が主人公は警察官だったと明かすと、主人公の大学時代の友人である元刑事が「え?」と驚いた様子。警察官の友人同士が知らないのは明らかにおかしく、主人公自身にまだ秘密がありそうなことが示唆されていたわけだ。

 よくよく考えてみれば、『マイ・フィクション』を直訳すると “私の小説”、“私の作り話” といった意味になる。

 物語終盤で、すべてのシナリオを書いていたのは主人公自身だったと真相が明かされ、タイトル伏線回収となるのではないか。最初っからタイトルでネタバレしていたのなら絶妙すぎる。

 今夜の放送は第6話。いよいよ後半戦に突入するが、まだいくつもの驚きの事実が隠されていそうで楽しみだ。

堺屋大地

恋愛をロジカルに分析する恋愛コラムニスト・恋愛カウンセラー。『文春オンライン』(文藝春秋)、『現代ビジネス』(講談社)、『集英社オンライン』(集英社)、『週刊女性PRIME』(主婦と生活社)、『コクハク』(日刊現代)、『日刊SPA!』『女子SPA!』(扶桑社)などにコラム寄稿