阪神・佐藤輝明 逆転V2ラン!柳から62打席目の初アーチ「狙いを絞った」新庄に並ぶ虎通算145号
◇セ・リーグ 阪神3―1中日(2026年7月16日 バンテリンドーム)
阪神・佐藤輝明内野手(27)が16日の中日戦(バンテリンドーム)で、0―1の7回無死一塁から逆転の21号決勝2ランを放った。先発・柳の前にチームは6回まで無安打。自身も過去61打席ノーアーチだった天敵右腕からバックスクリーン右へ叩き込み、試合をひっくり返した。キング森下に2本差に詰め寄る一発は、新庄剛志に並ぶ通算145号。令和のミスタータイガースが、虎のプリンスに肩を並べた。
ドーム内にこだまする大歓声に酔いながら、佐藤輝は悠然とダイヤモンドを一周した。打った瞬間、誰もがスタンドインを確信した弾道。沈滞した空気を切り裂いた白球は、そのままバックスクリーン右へ吸い込まれた。
「(打てて)良かったです。良いスイングができているので、また明日から頑張る」
6回まで、猛虎は先発・柳の前に無安打に抑えられた。初回先頭の近本が敵失で無死二塁の先制機をつくるも、後続が凡退。4回1死で森下が選んだ四球も、佐藤輝、大山が生かせなかった。中盤を終え、走者はこの2人だけ。森下から始まる7回に反撃ができなければ、ノーヒットノーランの悪夢すらよぎっていただろう。ムードを一変させた、4番の快音。森下が死球で出た直後の初球、120キロチェンジアップを粉砕。高めに浮いた柳の失投を逃さなかった。
「特に(チームが)無安打とか気にしていなかったので、狙いを絞っていった。(柳には)やられているのはわかっていたので、そういう意味でも(打てて)良かった」
相性の悪さは、自身も重々承知だった。過去61打席で本塁打はゼロ。佐藤輝が40打席以上対戦した投手で1本もホームランを打てていないのは、柳と巨人・山崎の2人だけだった。天敵攻略と逆転星に至った鮮やかな放物線。藤川監督も「(柳の)ピッチングにうまさにやられている感じだったが、佐藤がしっかりと叩いてくれた」と賛辞を惜しまない。
試合前練習では、育成出身ながら1軍で奮闘を続ける2年目・嶋村に打撃のアドバイスをする一幕もあった。打ちに行く際、左肩を前に出さないよう留意せよ――といった端的な助言。代打での一打席に懸ける後輩へ、虎のアニキが見せたコーチング。嶋村本人も「聞けるときは聞きたい」とどん欲だった。さらに試合では、木下の初勝利をアシストするアニキぶり。12日のヤクルト戦での工藤に続き、またも若虎に白星をプレゼントした。
5戦5発の量産態勢で、23発のキング森下に2本差まで迫った。節目の150号までも、残り5本。巨人との一騎打ちの様相を呈してきた優勝争いを勝ち抜くべく、背番号8がリーグ連覇へとつながる虹を架け続ける。(八木 勇磨)
○…佐藤輝の通算145本塁打は、阪神選手では新庄剛志に並ぶ歴代11位タイ(生え抜き8位タイ)の数字になる。現役阪神選手の最多は大山の162本で歴代9位(生え抜き6位)。
○…佐藤輝(神)が7回に逆転の21号2ラン。柳(中)からは初本塁打で、通算62打席目は本塁打を打った98投手の中では最も遅い。なお、これで本塁打を打っていない投手の最多対戦打席は山崎(巨)の41打席になった。

