■FUNKU MONKY BABYSを結成した時、この三人でどんな音楽をやっていこうと考えていましたか?

加藤:最初にグループを結成した時は俺とモン吉だったので、プライベートでもムチャクチャ仲良かったし、好きな音楽だったり、なんとなく「こういう音楽やりたい」というベクトルは同じ方向を向いていたんですよ。だから別にこれといって無かったんですけど。やり始めたら、「なんで今まで組んでなかったんだろう?」というくらい、スムーズに曲作りやライブが上手く行きました。

モン吉:「HIP HOPの中じゃ絶対に目立ってやろう!」という感覚でしたね。今はもっと「日本の音楽で目立とう」という感覚です。当時はクラブとかでよく歌っていたので、「目立ちゃいい!」という。それは今も変わらないですけど。カッコつけてやっているのを、目立って平気で飛び越しちゃう感覚ですよね。

■正直あまり、HIP HOPな人達という印象は持っていなかったです。

加藤:でもデビュー前は、戦っていたフィールドは狭くて汚いクラブで、ひたすら週末の地下街でしたよ。

モン吉:とけ込んじゃうので、「イエーイ!」とか言ってる場合じゃないんですよね(笑)。

加藤:それなりに歌を歌って、自分達で無いお金をはたいてCD-Rに焼いて配っていたというのもあるんですけど、インパクトというか、名前を覚えてもらうためだけに一生懸命やっていたので。

モン吉:だから、その部分を見て、ケミちゃんは本当に天才だと思ったんですよね。

ケミカル:あらぁ〜、ありがたいですね。

モン吉:赤塚不二夫だと、漫画家が出てきちゃったと思ったので。そういう感覚で見ていたら、スゴいなって。

■無能の後に天才って、スゴいですね。

ケミカル:どっちなんだか。

加藤:でも、無能と天才は紙一重なんだから。それは活かし方次第。

■ケミカルさんが後から入る時も自然の流れで、特に細かいことを決めるでもなく。

加藤:そうです。最初はサポートDJだったんですけど、何て言ったってコレですから。いつの間にかケミカル人気というか、FUNKY MONKEY BABYSに無くてはならない存在になったので。本当に自然にスッと入りましたね。ケミカルが入ってから、「インパクトはコイツに任せておけばいいや」って。だから気持ちが楽になったというか、曲に集中出来るようになった。

■作詞・作曲はFUNKY MONKEY BABYS名義となっていますが、実際に曲を作られる時はどのようにされるんですか?

加藤:三人揃いますね。三人とも未だに五線譜が読めないし、そんなに音楽知識がある方ではないですけど、三人寄れば文殊の知恵という作戦で。モン吉の皮膚感覚と、俺の理論尽くめの詞と、ケミカルの…(苦笑)。えーと、何かで曲を作るという。

■歌詞は、加藤さんがメインで書かれるんですか?

加藤:ラップ部分はモン吉とやりつつ、サビの大まかな所は俺が書くことが多いです。

■メロディーと歌詞では、どっちが先に出来ますか?

加藤:時と場合によりますね。今回の「ちっぽけな勇気」は詞とメロディーラインが同時に降ってきて、ファーストインパクトの衝撃は、後で変えられない。実は詞を少し変えようとしたんですけど、一発目に降りてきたのが一番強いですね。

■今回で5枚目のシングルになりますけど、曲作りに関して変わってきたことはありますか?

加藤:作り方はそんなに変わってないですね。ただ、切り口はどの曲もバラバラなんですよ。知識が無い分、単純に「このコード進行がいいからこれで作ろうよ」という所から入ってくる時もあれば、「このメロディーラインから肉付けしようよ」とか、「この詞のワンフレーズを使いたいからこれで曲作ろう」とか。

モン吉:詞なり、メロなり、三人の中でのライン超えたモノが何かあった時に、それを軸に付けていく感じですね。

加藤:良いか悪いか、それが唯一の判断基準ですね。でも、痛快ですよ。そういう感覚だけで、音楽業界の中で戦えているのは、非常に楽しいですよ。