編集部:wizpy のターゲット層を教えて頂けますか?
中尾氏:まずは、コンシューマーです。プロシューマーといわれている、ガジェット好きな方、リナックス好きの方をターゲットに販売していきたいと考えております。もうひとつのターゲットとしては、中古パソコンや遊休資産の活用市場です。某社さんの新OSは、明らかに高性能なハードウェアを必要とします。「wizpy」であれば、512MB以上のメモリーを搭載したパソコンであれば、快適にお使い頂くことが可能です。

さらにライセンスの問題もクリアになります。現在の中古パソコンでは、OSのライセンスはユーザー側に渡すのですか、パソコン側に渡すのかが、グレーな状況です。「wizpy」であれば、中古パソコンと一緒に販売することで、ライセンスのグレーな状況がなくなります。

編集部:wizpy と他社OSとを比較した際、wizpyの優位な点はどこにありますか?
中尾氏:先ほど申し上げた導入のしやすさがひとつ。もうひとつは、コストパフォーマンスです。他社の新OSでは、OSの価格が約3万2,000円で、オフィスソフトを追加しますと、プラス5万円の出費を覚悟する必要があります。wizpyは、2万9,800円から購入できますし、オフィスソフトも標準で入っております。あとは、単体でのマルチメディア機能を備えている点です。

wizpyの優位性について語る、中尾氏wizpyのオフィスソフト


編集部:マルチメディア機能を具体的に教えて頂けますか?
中尾氏:音楽はMP3/WMA/OGG形式、動画はXviD形式のファイルを再生できます。静止画は、JPEG形式のファイルを表示できます。テキスト表示もあります。たとえば、打ち合わせに行くときに、メールのフッタをテキストファイルで「wizpy」に入れておけば、パソコンを開かなくても、「wizpy」で相手の連絡先を確認できます。そのほかにも、内蔵マイクを利用してMP3形式のファイルで録音できるボイスレコーダー機能や、FMラジオ機能などが用意されています。

ボイスレコーダー機能音楽プレーヤーとしても使用できる


編集部:今回、SDスロットを搭載しなかった理由は?
中尾氏:本体の厚みが増してしまうことと、メモリへのアクセスに時間が掛かってしまうことから、SDスロットの搭載は見合わせました。ユーザーからの要望が多ければ、次期モデルで検討したいと考えております。

編集部:「wizpy」の拡張性について、教えて頂けますか?
中尾氏:「wizpy」を購入すると、インターネットサービス「wizpy Club」の1年間の利用が付いてきます。「wizpy」は、2Gバイト、4Gバイトのメモリーを搭載していますが、それでは足りないお客様のために、「wizpy Club」では、500MBのネットストレージを用意しております。有料となりますが、さらに容量が欲しいお客様には、1Gバイト、2Gバイトのネットストレージを提供することも可能です。我々は、万全をきしておりますが、ソフトウェアでございますので、セキュリティアップデートもご用意させて頂く予定です。

また「wizpy Club」では、無償/有償の追加プラグインソフトウェア、SNSサービスなどを利用できます。「wizpy Club」では、ユーザー様のご要望に添うかたちで、プラグインのアプリケーションをご用意させて頂きたいと思っております。将来的には、いろいろな企業とアライアンスさせて頂くかたちで、音楽や動画を配信させて頂くことも考えております。

無限の可能性を秘めたwizpy「wizpy Club」のイメージ


編集部:最後に、今後の展開をお聞かせ頂けますか?
中尾氏:インターネットサービス「wizpy Club」を拡張させて頂いて、ユーザー様に継続利用して頂きたいと思っております。搭載できなかったアプリケーションは、「wizpy Club」を通してご提供させていくつもりです。通信機能を持たせるなど、ハードウェア的に変更しなければならないものは、社内で協議をさせて頂きながら、次期製品での導入を検討させて頂きたいと考えております。コンシューマーだけではなく、法人向けにもパートナー様ごとにOEMのかたちで提供していけたらよいと考えております。

編集部:本日は、ありがとうございました。

「wizpy」は、リナックス・ディストリビューションのメーカーがOSをハードウェアごと提供するという、今までに前例のない新しい試みであるだけに、今後の展開が楽しみな製品である。

wizpy 公式サイト
ターボリナックス株式会社

編集部:関口 哲司
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