バイエルン戦を前にスタジアムを訪れたオークランドの選手たち。(C)Getty Images

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 アマチュア集団が世界屈指の強豪に立ち向かう――。映画のようなストーリーだが、これは現実だ。ニュージーランドとオセアニアを代表してクラブ・ワールドカップに参戦する、オークランド・シティの話である。

 フォークリフト運転手、ソーダ販売員、不動産エージェント...彼らはサッカー選手の他に別の肩書を持っている。コカ・コーラの営業代表として生計を立てるキャプテンのマリオ・イリッチは、『CNN』のインタビューで、自分たちが置かれた立場を次のように語った。

「僕らは2つ、場合によっては3つの仕事を抱えながら、サッカーの最高峰での戦いを目ざしている。僕の通常の1日は、5時にアラームが鳴るところから始まる。起きてジムで1時間汗を流した後、朝食を摂って8時にオフィスに向かう。17時までに仕事を終えて、18時開始の練習に間に合うように街の反対側へ移動する。芝生でのトレーニングは約2時間。21時頃に帰宅して就寝し、翌日の同じスケジュールに備えるんだ」  

 守護神のコンナー・トレーシーは、獣医用医薬品会社の倉庫で働く日々を過ごしている。かなりのタフさが求められる仕事だ。

「僕の仕事は極めて肉体労働で、身体に負担をかける。適切な回復時間が不足しているから、通常のゴールキーパーよりも怪我をしやすいんだ。正直に言うと、特に冬の暗い朝と夜を乗り越えようとする時、精神的に本当に辛いことがあるよ。サッカーを辞めようと思った時も何度かあった。家族とキャリアの両立が難しすぎて、長年に渡って多くの選手がそうしてきた。だけど、クラブ・ワールドカップは、努力する価値のある目標だった」
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 初戦の相手はバイエルン・ミュンヘン。スーパースターがズラリと揃うなか、イリッチはヨズア・キミッヒとの対戦を楽しみにしているようだ。

「僕自身もミッドフィールダーだから、キミッヒのプレーをいつも注目してきた。彼と対戦できるなんて、本当にクールだ。ジャマル・ムシアラも、素晴らしいドリブルと創造力を持つ選手だ。正直言って、彼らのフィールドでのパフォーマンスは、まさに驚異的だ」

 もっとも、負けるつもりは全くない。今月23日に30歳の誕生日を迎えるイリッチは、こう決意を示した。

「彼らは数百万ドルもの報酬を得ているが、僕たちはサッカーを愛するただのアマチュアだ。だけど、我々には『ピッチ内外で仲間であり、互いのために全力で戦う』という結束がある。  コーチのプランを実行し、全力で挑めば、何が起こるか分からない。結局のところ、11対11の戦いだからね。僕たちはいつも通り、大きな夢を抱いて挑むだけだ」

 大志を抱き、ひたすらにサッカーを愛するアマチュア集団は、大舞台で強烈なインパクトを残せるか。夢の国アメリカで物語が動き出す。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部