マットを敷く習慣を見直し、家の中をシンプルで清潔に保つコツを教えてくれたのは、ライフオーガナイザーの尾花美奈子さん。「ホコリやゴミがたまるのがイヤ」「衣類と別に洗う手間を減らしたい」という理由から、マット類を置かなくなりましたが、そのおかげで掃除と洗濯の手間が劇的に減り、家事が格段にラクになったそうです。今回は尾花さんが実践した具体的な方法について詳しくご紹介します。

結婚を機にやめた「キッチン」と「トイレ」のマット

キッチンとトイレのマットは、結婚前のひとり暮らし時代は敷いていましたが、結婚を機にやめました。なぜなら、結婚前の夫のひとり住まいで、マットの汚れやすさを見ていたからです。

結婚後、夫がトイレで座るようになって床は汚れなくなりましたが、キッチンは今でも夫が洗い物をすると床まで水が飛びます。いくら言っても直らないので、マットを敷かない方が正解でした。

マットが濡れないとしても、マットの中に小さなホコリやゴミがたまってしまいます。それなら敷かずにふいた方が清潔だと感じました。

マットを敷いていない場所を雑巾やお掃除シートでふくときに、ふく範囲が少し広がるだけなので手間は変わりません。むしろ洗濯の手間がなくなる分、トータルでは手間が減って効率的。

足が冷える場合は、洗濯機で洗える厚手のフットカバーを履いて暖かくしています。

砂がたまるだけで踏めなかった玄関マット

玄関マットは、子どもが歩きだして少しの間、敷いていました。というのも、わが家の玄関は土間と廊下の段差がわずかで、子どもが靴を履いたまま家に上がってしまうことがあったからです。当時まだ1歳だったため、「靴を脱ぎ履きする場所」ということがわからなかったようで、目印として玄関マットを敷きました。

その後、子どもがたくさん外遊びをするようになったので、マットを撤去しました。靴や靴下から落ちる砂がたまり、マットなのに踏めない・踏みたくない存在になってしまったのです。

その頃には子どもが成長して靴を脱ぐ習慣が身についていたので、タイミングよく玄関マットもお役目を終えました。

バスマットは洗濯物と一緒に洗えるタオルで代用

バスマットは、お風呂あがりに足に少し残る水分で床が濡れないように必要でした。ただ、一般的なバスマットではなく「フェイスタオル」を代用でしています。

きっかけは、子どもが自由に歩けるようになったことです。当時、子どもと一緒にお風呂から出ると、子どもが裸で歩き回ってしまい、風邪をひきそうで困っていました。脱衣所にとどまってくれないかと、人気キャラクターのタオルを敷いてみると、狙いは的中! タオルの上で楽しそうに待っていてくれるようになりました。

現在は「速乾性のフェイスタオル」を使用。家族で共有して使うため、次に使う家族が少しでも快適に使えるように、乾きやすいフェイスタオルを選んでいます。洗濯は、洗った足を少しの間のせただけなので、別洗いせずに衣類と一緒に洗濯機で洗っています。

座らなくなったラグは撤去してホコリが激減

現在、わが家の子どもは大学生中学生です。小さい頃はリビングでオモチャを広げて遊んだり、テレビを見たりと多くの時間を過ごしましたが、今では少しの時間となってしまいました。

ケガや冷え防止、騒音防止のために敷いていたラグにも座らなくなり、休日に夫が少し寝転ぶぐらい。「そのわずかな時間のために毎日掃除機をかける意味があるのか?」と疑問に感じて、撤去しました。

ラグがなくなると掃除機がスイスイに進み、そのスムーズさに感動したほどです。さらに、テレビ台につくホコリも減るという予想外のうれしい効果もありました。

リビングで寒い時季にくつろぎたいときは、テレビのすぐ近くに収納したキャンプ用のマットを取り出して、好きな場所に敷きます。この自由さが気に入っており、ふける素材なのでお手入れも簡単です。

マット類の洗濯と掃除の手間を減らすには、敷かないことがいちばん効果的です。やめてしまうのが難しい場合は、「衣類と一緒に洗える素材」や「ふける素材」に変えるだけでも減りますよ。