山本太郎氏(写真・時事通信)

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 10月27日に投開票された衆院選で、選挙前の3議席から9議席に増やした「れいわ新選組」。現在、代表の山本太郎氏が衆院選の期間中に「カタコト」の日本語で選挙応援を呼びかけた動画に批判が集まっている。

「動画は、山本太郎氏とともに『れいわ新撰組』の共同代表をつとめる衆院議員の大石あきこ氏が、衆院選期間中の10月25日に、SNSにアップしたものです。

 動画のなかで山本氏は、外国人が日本語を話すようなカタコト口調で『淀川区、東淀川区、西淀川区、此花区のお前らに教えてやる。よく聞け』と切り出し、『日本は衆議院選挙の真っ最中。大石、こいつに入れろ。大阪5区は大石あきこ、比例はれいわ』『これ大石あきこ、れいわ、セットにしなきゃ大石落ちる』などと発言しました。この動画が『外国人差別だ』などと批判を受けたのです」(政治担当記者)

 指摘を受け、大石氏は11月1日にXを更新。動画削除にいたった理由をつづった。

「大石氏は、動画について『9月の山本代表の来阪時、動画出演を依頼し、代表が演じたものを大石事務所が編集したコンテンツ』だったことを明かしました。山本氏の口調は、カタコトの日本語でタイを毒舌気味に紹介する、タイ在住のTikTokインフルエンサー、ナインさんの口調を真似たオマージュ動画だったと説明しています。ナインさんは『今日はお前らにタイの遊園地を紹介する。よく聞け』といった口調で、22万人を超えるフォロワーを持つ人気インフルエンサーです」(同前)

 さらに大石氏は、

「動画を作成・公開したのは、流行っているから、おもしろいから。その流行自体に『カタコトへの差別的意味合い』はなかったからです」

 として、

「社会で虐げられている人を見下す文脈で、その人たちに言及したり揶揄したり、マネをしたりすることは、たとえ巷で流行ったとしても許されないですが、そういう流行ではないと判断しました」

 と釈明。

「一方、巷で流行している文脈はそうであっても、公人がカタコトのマネをするのはまた違う文脈が生まれるのだ、という指摘は重く受けとめおわびいたします。今後、気をつけます」

 とつづった。

しかし、この大石氏の釈明に対しても、

《その判断が常識外》

《動画を見てフェイクかと思った。それ程の衝撃。期日前投票をしたこと、友人知人にお願いした事を悔いた》

《この理解では必ずまたやる、繰り返す》

 など、批判的な声が集まっていた。

 そんななか、ミュージシャンで音楽プロデューサーの近田春夫氏は、11月4日に自身のXを更新。この件を報じたFNNプライムオンラインのリンクを貼って、

《やっと事情が分かった。これをヘッチャラで投稿出来るという山本太郎の感覚には失望しました。この件に関しては、納得のいく釈明が欲しい.じゃないとこの間の選挙で令和を支持したことが間違いだったのか、という気持ちにもなるよ》

 と指摘。近田氏の発言についても、議論が寄せられる展開となった。

 X上には、《差別とは思わない》などの声もあるものの、

《近田さんのこの感覚が普通の人の感覚だと思います 学生気分や、身内ウケだけで政治家たるものがすることではないですね》

《タイ人の女性インフルエンサーが自身のカタコト日本語でやるのと、日本人の山本太郎氏が外国人のマネをしてやるのを、同じと思った感覚が信じられないですね…残念です》

 といった声があがっている。

「山本氏に真似される形となったナインさんは、『ライブニュースイット』(フジテレビ系)の取材に応じ、『今日は山本さんにアドバイス。よく聞け』と切り出し、『政治家は叩かれやすい。悩んだらタイにおいで』とメッセージを送っていました。

 れいわ新選組はこれまで、他党と比べ“弱者に寄り添う”という姿勢で支持を得てきました。その点で、日本語が不得手な外国人を揶揄したともとられかねない動画に、矛盾を感じた人たちが多かったようです」(同前)

 軽はずみな物まねで、傷つく人もいるということだ。