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 歌舞伎俳優の中村橋之助(28)の初主演映画「シンペイ 歌こそすべて」(監督神山征二郎)の本ポスターと場面写真が11月6日、解禁された。

 作品は、「ゴンドラの唄」「カチューシャの唄」「東京音頭」「シャボン玉」「てるてる坊主」など、今も歌い継がれる童謡や歌謡曲、民謡ほか約2000曲を残した作曲家・中山晋平(1887―1952年)の生涯を、その音楽とともにつづっていく。

 映画初出演にして主演を務めた晋平役の橋之助は18歳から亡くなる65歳までを存在感たっぷりに演じきった。妻・敏子を志田未来(31)、「東京行進曲」「東京音頭」の作詞家・西條八十を渡辺大(40)、芸術座の俳優・沢田正二郎を染谷俊之(36)、「シャボン玉」を作詞した野口雨情を三浦貴大(38)が演じている。さらに演出家の島村抱月に緒形直人(57)、女優・松井須磨子に吉本美憂(27)、歌手・佐藤千夜子に真由子(50)がキャスティングされ、脇を固めている。ナレーションは岸本加世子(63)が務めた。

 敏子役の志田は「脚本を読んだ時、誰もが一度は聴いたことのある、長い時代愛され続けてきた数々の名曲の裏には、たくさんの人の思いが詰まって完成されているんだと知り、温かい気持ちになりました。養子に迎える女の子が歌を歌うシーンは実際に現場でも親心のような気持ちになっていました。音楽を題材にしている映画ですので、ぜひ、劇場のほうに足を運んでいただき五感でこの映画を楽しんでいただけたら嬉しいです」とコメントを寄せた。

 西條八十を演じた渡辺は「曲作りにあたり感覚を研ぎ澄ませ、また当時の検閲にも負けず、中山晋平氏と鎬(しのぎ)を削った場面は僕の大好きなシーンの1つです。そこで芽生える友情も見ていただけたら嬉しいです」と話し、沢田正二郎役の染谷は「今の演劇の形があるのは沢田正二郎さんのおかげと思うと感謝の思いでいっぱいです。都内にお墓があるという事で、撮影が始まる前にお墓参りをし、演じさせて頂く思いを伝えて、撮影が終わってからもう一度行き、感謝の気持ちをお伝えしました」と秘話を打ち明けた。

 そして野口雨情を演じた三浦は「実在する人物を演じるのは、大変な緊張感がありました。それも、誰もが知る歌を作り出した、野口雨情という人物を演じるにはずいぶん頭を悩ませました。軽やかで、温かい人物でありながら、歌への情熱は強く持っている。ひとつひとつ、口調、しぐさにいたるまで丁寧に演じていきました」と撮影を振り返った。

 11月22日に晋平の生まれ故郷である長野県で先行公開され、2025年1月10日から東京・TOHOシネマズ日比谷ほか全国で上映される。