“エラーの自虐ネタ”がSNSで大人気に。炎上を恐れるG.G.佐藤を変えた「野村監督の言葉」
――SNSでの発信を含むさまざまな活動をされていますが、今後の目標は?
G.G.佐藤:今は講演活動に一番力を入れています。小学校や中学校、大学、企業、各種団体などからご依頼をいただいていますが、一番刺激的なのは学生や20代〜30代の社会人に対して話すことです。意識が一番変わりやすい世代だと思いますしね。
それと、企業研修の講師養成プログラムを勉強しているので、企業にもどんどん入っていって新入社員の研修などを依頼される立場にもなりたいなと。今一番やりたいことは、メッセージによって人に影響を与えられるような仕事ですね。
◆北京オリンピックでのエラーは「失敗ではない」
――講演会後、参加者からはどんな声が届きますか?
G.G.佐藤:講演の中で「DMしてくれればいつでも返事しますよ」と言うのですが、高校生なんかは「前向きになりました」「感動して涙が出ました」などとDMをくれたりするんです。「家庭環境がうまくいってないのですが、どうしたら…」といった悩み事も相談されますが、可能な限り答えるようにしています。
ただ、講演活動で回るにも限界がありますよね。SNSで発信すれば世界中の人々から見られる可能性があるわけで。お会いしたこともない世界のどこかにいる誰かから、「ありがとう」と言ってもらえたら嬉しいじゃないですか。
――活動の原点ともいえる北京オリンピックでのエラーですが、G.G.佐藤さんにとってそれ以上の失敗はありましたか?
G.G.佐藤:う〜ん、何ですかね…。ただ、立ち止まった時が失敗ですから。あきらめずにやり続けることさえできれば、必ずゴールにたどり着くので。たどり着いて振り返った時に「あの失敗は良い経験だった」と思えるわけじゃないですか。
そう考えると、僕は今までの人生でむしろ失敗はしてないですね。あのエラーですら失敗とは今は思っていなくて、エラーしてよかったとさえ思えています。
僕には失敗という言葉はないんです。失敗ではなく「自分のやり方や考え方が違うんだよ」と教えてくれた“一時的なつまづき”です。その後再び歩き出せば、きっとゴールまでたどり着けるはずなので。
取材・文/浜田哲男
【浜田哲男】
千葉県出身。専修大学を卒業後、広告業界を経て起業。「ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)」の取材をはじめ、複数のスポーツ・エンタメ・ニュース系メディアで連載企画・編集・取材・執筆に携わる。X(旧Twitter):@buhinton