【福島】レトロがいっぱい! 会津若松さんぽ
会津工芸品のかわいいがたくさん!/会津ブランド館
会津エリアを中心に、福島の工芸品や雑貨がズラリと揃うセレクトショップ。倉庫のような広々とした店内には、漆器や陶器、会津木綿などの伝統的な工芸品から、全国のクリエイターとコラボしたオリジナル商品、会津名物の食品までバラエティー豊かな商品が並んでいます。
なかでも注目なのが、ここでしか買えないオリジナル商品です。赤べこや起き上がり小法師など、会津らしいアイテムをモチーフにしたユニークなグッズも多く、見ているだけで思わず笑顔になってしまう雑貨がたくさん!
かわいい赤べこのイラストをあしらった「きんちゃく」と「ランチトート」は、注目のオリジナル商品。カラーバリエーションも豊富に揃っています。
こちらの「小法師ブローチ」もオリジナル商品で、会津の起き上がり小法師をモチーフに、青森県津軽地方のこぎん刺しをあしらったもの。ひとつひとつ表情が異なっているので、お気に入りを探すのも楽しみです。
福島の素材を使ったお茶シリーズも人気です。パッケージもかわいくて、バラまきみやげにもぴったり。それぞれにティーバッグが4つ入っています。ほかにもお菓子やラーメンなど、食品類も多彩なラインナップです。
新作の商品も続々登場するので、どんな商品に出会えるか楽しみですね。
■会津ブランド館(あいづぶらんどかん)
住所:福島県会津若松市七日町6-15
TEL:0242-25-4141
営業時間:11〜16時
定休日:不定休
アクセス:JR七日町駅から徒歩3分
駐車場:5台
蔵を改装したカフェで新感覚スイーツを/太郎焼総本舗
「太郎焼総本舗」は、大正時代の蔵を改装した、趣のあるカフェ。週末や夏休みなどに開放する2階席にはモダンな椅子やテーブルが並んでいますが、天井の梁や壁に蔵の面影が感じられます。名物は店名にもなっている「太郎焼」。今川焼や大判焼など、地域によって呼び名が変わる、親しみのある庶民派の和菓子です。独自配合の粉で作るもちもちの皮に包む具は、クリームやチョコなど数種類を用意していますが、北海道産の小豆を使った自家製の小倉あんがイチ押し。会津の水をじっくり時間をかけて凍らせた氷を使用するかき氷も通年味わえます。
「太郎焼」はテイクアウトもOKですが、店内で味わうなら、自家製シロップとソフトクリームをトッピングしたアツアツの太郎焼にコーヒーが付く「スイーツセット」がおすすめ。ほどよい甘さのシロップが染み込んだ皮と小倉あん、冷たいソフトクリームが一体となって、太郎焼のおいしさが倍増! 豆を挽いて淹れるコーヒーも香り豊かで、太郎焼によく合います。
「太郎焼」に衣を付けて揚げた「あげ太郎」もユニーク。カリッとした食感がプラスされて、「太郎焼」とはまた違ったおいしさを楽しめます。カレーやクリームチーズなど、味のバリエーションも豊富。
2階にはオーナーが趣味で集めた、1950〜70年代のミニカーを展示するコーナーもあります。約500台の中には、なかなお目にかかれない貴重かつ高価なミニカーもあるそうなので、興味のある人は見学を。
撮影にもぴったりな豪商の家屋を見学/福西本店
江戸時代中期に初代伊兵衛が奈良から会津若松に移ったと伝わる豪商・福西家の、明治末期から昭和にかけて建てられた蔵と商家を見学できる「福西本店」。明治後期から大正初期の九代目の時代には、銀行や電力会社などさまざまな企業の株主や役員に名を連ねたという豪商、その一家が暮らした豪奢な建築や調度品は、見ごたえたっぷりです。
見学は母屋の1階からスタート。順路にならって母屋蔵、離れ、座敷蔵、仏間蔵などを回ります。福西家の一族が暮らした母屋は、1階、2階ともに広々とした空間。多い時には7世帯、働き手も含めると50人近くが生活したというのも納得です。
写真右側の重厚な扉があるところは、生活用品や食料の備蓄などに使われていた母屋蔵。現在はギャラリーとして絵画などの個展を開催しています。建物全体をギャラリーとして使用することもあり、季節に応じて会津ゆかりの掛け軸や書が掛けられ、しつらえの香炉や水指などとあわせて、和の味わいを楽しむことができます。
美しい庭園をはじめ、欄間の精緻な彫刻や床の間の掛け軸、パリ万博の出展品とされる寄木細工の飾り棚など、どれも興味深いものばかり。隅々までじっくりと見ていると、あっという間に時間が過ぎていくようです。
近代以降、福西家の商売の拠点となった黒漆喰の「店蔵」は、当時の趣を生かしたまま現在は伝統工芸品や地元作家による作品、こだわりの食材などを扱うセレクトショップになっています。
中国から伝わった漆を何重にも塗り重ねる漆工技法のひとつ、堆朱(ついしゅ)を取り入れたアクセサリーは、女性に人気のアイテム。カラフルな色合いで、シンプルなファッションに合いそうです。ほかにも会津若松産「高田梅のはちみつ煮」1080円、「馬刺しのタレせんべい」324円など、食料品も数多く扱っています。
■福西本店(ふくにしほんてん)
住所:福島県会津若松市中町4-16
TEL:090-9422-2924(母屋)、0242-85-7740(店蔵)
営業時間:10〜17時、冬期は〜16時(店蔵は〜18時)
定休日:水曜、冬期は火・水曜(店蔵は不定休)
料金:入館500円(店蔵は無料)
アクセス:JR七日町駅からまちなか周遊バスで約5分、バス停野口英世青春館前からすぐ
駐車場:なし
江戸時代創業の味噌屋さんで田楽コースのランチ/満田屋
「満田屋」は天保5年(1834)創業と、江戸時代から続く味噌屋さん。店舗の奥には味噌蔵を改装した食事処があり、自社製の味噌を使った田楽を味わうことができます。
7代目の満田さんが炭火で焼き上げる田楽は、とうふ生揚、身欠きニシン、ご飯を半分つぶしたしんごろう、季節の野菜など、いろいろな食材が味わえます。田楽に使う味噌は、会津味噌に砂糖を加えて練り上げた定番の甘みそ、これに柚子を練り込んだ柚子みそ、擦り刻んだ会津産山椒の若芽を加えた山椒みそ、香ばしく煎じたえごま入りのじゅうねんみその4種類。それぞれの食材に合う味噌を塗って、囲炉裏でじっくり焼いていると、かぐわしい味噌の香りが広がって食欲をそそります。焼き上がりが楽しみ!
単品の場合は1種330円〜注文できますが、いろいろな種類を味わいたいなら、炭火焼き6種にこんにゃくがセットになった「みそ田楽コース」がおすすめ。甘みそが絡んだおもち、ピリリと山椒の風味が効いた身欠きニシンやとうふ生揚など、食感や香りなども多彩で、いくらでも食べられそう。5種類ある「地酒」1杯550円もグイグイ進むこと間違いなしです。
「みそ田楽コース」に付くこんにゃくは、1本が甘みそ、もう1本が柚子みそなので、風味の違いを感じながらいただけます。メニューは田楽のほかにも、ごま、きなこ、あんこの「三色もち」660円、「会津名物にしんの山椒煮」550円などもあるので、散策の合間のおやつや小腹が空いた時に立ち寄るのもよさそうです。
店舗では味噌をはじめ、会津産えごまを使ったえごま油、味噌漬けなどの自社製品がズラリ。食事処でいただいた田楽みそ4種類も販売しているので、自宅で味噌田楽やふろふき大根などを楽しむのもいいですね。
レトロモダンな漆器店でおみやげ探し/白木屋漆器店
300年以上の歴史を誇る漆器専門店で、大正3年(1914)に建てられた店舗は、ルネッサンス様式を取り入れた3階建て。当時のモダニズム建築の最先端をいく、会津若松初の洋風商店といわれています。
2フロアにわたる店内には、伝統的な会津塗りのお椀やお盆、重箱といった漆器をはじめ、伝統を守りながらも若い人にも親しみやすいアイテムなども並んでいます。
木地に漆を施した「御朱印帳」は、持ち歩いても角が折れる心配がないと、御朱印集めが趣味の方に人気。会津塗りの特徴のひとつ、しっとりと柔らかな印象の仕上がりも魅力です。
細かな金粉を使い、華やかな金色と光沢を出す会津独自の蒔絵技法、消金地(けしきんじ)を施した小さな盃。桜の絵柄も愛らしくて、お祝いの贈り物にも喜ばれそうです。
ニュアンスのあるブルーの色漆がアクセントの「バングル」。漆ならではの上品な光沢があり、長く愛用できる一品です。金のラインや柄入りなどデザインも豊富なので、お気に入りを探してみては?
店内の一角には、無料で見学できる資料館も併設しています。会津塗りの歴史や作業工程、漆や蒔絵の技法などが分かりやすく展示されているので、興味のある人は立ち寄ってみましょう。
老舗酒造で蔵見学&ショッピング/末廣酒造 嘉永蔵・鶴乃江酒造
良い米、良い水に恵まれた会津若松は、酒どころとしても有名。七日町通り周辺にも歴史ある酒蔵が点在しています。
まずは江戸時代の嘉永3年(1850)創業の「末廣酒造 嘉永蔵」へ。こちらでは10〜16時の間、毎正時に酒蔵見学を無料で実施しています。
30分ほどの酒蔵見学では、酒造りの工程や種類の違いといった解説を聞いたり、かつて酒造りに使用されていた道具や施設のレプリカなどを見ることができます。「末廣酒造」は、大正時代に生み出された製造方法のひとつ、山廃仕込みの完成に貢献した酒蔵。今では一般的な山廃仕込みの誕生の歴史や特徴について学べるのは、こちらの酒蔵ならでは。また、野口英世の恩師・小林栄の姉が「末廣酒造」3代目の奥様とご縁があり、野口英世に関連した展示などもあります。
酒蔵見学の後は、ショップの一角でお楽しみの試飲タイム。定番の1本から酒蔵売店限定の日本酒、大吟醸など5〜6種類を試飲できます。
数ある中からおすすめの3本をご紹介! 「山廃純米吟醸 末廣」は、調和のとれたみずみずしい香りとお米の旨みが特徴で、冷やしてもお燗にしてもおいしく味わえます。「純米吟醸 末廣 夢の香」は、イタリア・ミラノで開催されている日本酒品評会で、2024年のテイスティング部門最高賞を受賞。華やかな香りとふくよかな甘みが広がる、フルーティーな日本酒です。そして、数々の鑑評会で賞を獲得している大吟醸酒の最高峰「玄宰(げんさい)」。重厚なふくらみのある味わいと高貴な香りが評価されています。
酒蔵の一角にはカフェも併設されていて、コーヒーや甘酒、大吟醸を使ったケーキなどを楽しめます。
店先のマスコット・中将くんが出迎えてくれる七日町通り沿いの「鶴乃江酒造」は、2024年に創業230年を迎えた老舗の酒蔵。地元会津の風土を知り尽くした杜氏が、福島の米を生かした伝統の酒づくりを受け継いでいます。
店内には30種類ほどの日本酒が並び、なかには蔵元限定の日本酒や生酒なども。酒蔵見学は行っていませんが、おすすめの日本酒は無料で試飲できるので、お試ししてから購入できます。
永きにわたって日本酒鑑評会で数々の賞を得ている「鶴乃江酒造」の代表的な3本はこちら。福島の酒造好適米・夢の香をうつくしま夢酵母で醸した「会津中将 純米吟醸 夢の香」は、香り豊かで飲みやすい中辛口です。「会津中将 純米大吟醸 特醸酒 」は、杜氏がこだわり抜いて生み出した1本。ふくらみのある上品な味わいが特徴です。女性杜氏が醸した「純米大吟醸 ゆり」は、会津産の酒米・五百万石とうつくしま夢酵母を使用。やさしく風味が広がる、すっきりとした辛口で、洋食にも合わせやすい味わいです。
Text:山田美恵
Photo:川島啓司(Harty)
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