ドジャース・大谷 英語スピーチに見た米国文化への順応 事前の準備なしでも堂々
◇ドジャース優勝パレード&報告会(2024年11月1日 ロサンゼルス市内)
【ヤナギタイムズ】日本ハム時代の13年12月から大谷を本格取材し、TBS系情報番組「ひるおび」、「ゴゴスマ」などに随時出演する本紙MLB担当・柳原直之記者の連載コラム「ヤナギタイムズ」。今回は大谷のが即興で行った英語のスピーチについてレポートした。
大谷が過去に公の場で英語でスピーチしたのは19年1月26日、24年1月27日の2回だけ。いずれも全米野球記者協会ニューヨーク支部主催の夕食会で“カンニングペーパー”があった。細かく言えば17年12月9日のエンゼルス入団会見、同年12月25日の札幌ドームでの惜別会見でも英語を話したが、いずれもひと言だけ。今回は大谷の反応を見ても事前に準備していなかったことは明らかだった。
MLB担当7年目の私も、もちろん英語で取材対象者に質問するが、ざっくばらんに会話が進む囲み取材と違い、会見場でマイクを握って大勢の米記者の前で英語で質問するのはかなり勇気がいる。ポストシーズンの取材は試合後以外は全て会見形式。事前に正しい文法か入念に確認し、石橋を叩いて渡るように慎重に質問し、額や手に汗がにじむ。今回の大谷は涼しい表情のままで、すぐに「由伸!」と次のスピーチに指名された山本をイジる余裕すらあった。
約4万2000人のファンに堂々と英語を語った大谷。いかに普段から英語を使い、米国文化に順応しているかが見て取れた。