大谷翔平のインスタグラム(shoheiohtani)より

写真拡大

 「ワールドシリーズ、ヤンキース6−7ドジャース」(30日、ニューヨーク)

 幸せいっぱい、とろけるような笑顔だった。ある夏の日の球場で真美子夫人(27)と愛犬のデコピンに見送られてクラブハウスに向かう大谷を見かけたことがある。後にも先にもこの一度だけ。偶然の出来事だったが、心が癒やされたことは今でもはっきりと覚えている。

 だから、優勝を決めた日に聞くと決めていた。真美子夫人とデコピンへの思いを。「もう本当に感謝しかないですね」。そう切り出した大谷は「1年間、長いシーズンですし、僕は慣れてますけど、彼女はそうではないので。これだけ長いシーズンを支えてもらったというのは感謝していますし、来年以降も頑張っていきたいなと思います」と続けた。

 2月末に結婚を発表。3月中旬に元通訳によるスキャンダルに巻き込まれた時には「隣に誰かいるかどうかはだいぶ違う。いてくれて良かった」と感謝した。真美子夫人はワールドシリーズの試合も現地で観戦。夫の「世界一」を見届けた。

 家庭と球場。独身時代と時間の使い方に変化が生まれ、「野球のこと以外を考える時間が多くなり、グラウンドで野球により集中できるようになった」。昨季より球場入りの時間は遅くなり、試合終了から20分もたたずにクラブハウスを出た日は何度もあった。

 球場入場者にデコピンを抱いたボブルヘッド人形が配布された8月28日、デコピンによる“始球式”は全米の話題となった。大谷はこの日も愛犬のイラスト入りのスパイクを履いて頂点へ上り詰めた。

 「感謝しかない」。記者の目を真っすぐに見据えて、大谷が心からの気持ちを言葉にした。

(デイリースポーツMLB担当・小林信行)