日本不買運動にも負けず、売上4兆ウォンに迫った韓国ダイソー…急成長の裏に協力会社の“血の涙”か

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「来年には店舗が1000店、売上1兆ウォン(約1105億円)が可能だと考えている。無理なフランチャイズの拡大は避け、直営店を中心に店舗を増やすつもりだ」

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2013年、韓国ダイソー創業者であるパク・チョンブ会長が900号店の開店を記念して行った記者懇談会での発言だ。1年遅れではあったが、韓国ダイソーは2015年に念願だった売上「1兆ウォンクラブ」に加入した。「1000ウォンショップ」というビジネスモデルが口コミで広まり、消費者に大きな反響を呼んだ。

韓国ダイソーの「爆発的な成長」はここで終わらなかった。2019年に売上2兆ウォンを突破し、3年後の2022年には売上3兆ウォンの壁さえも超えた。年間の平均成長率は20%に迫る勢いだった。

韓国ダイソーの年間平均成長率20%に迫る

2023年、韓国ダイソーの連結基準の売上高と営業利益は、それぞれ3兆6313億ウォン(約4012億円)と2617億ウォン(約289億円)を記録した。前年対比で売上高と営業利益はそれぞれ17.5%、7.6%増加した。

(写真=アソンダイソー)ダイソー金浦場基店

この9年間で韓国ダイソーの店舗数は、900店から1519店へと68.8%も増加。特にグループの持株会社にあたる(株)アソンと中間持株会社にあたるアソンHMPの純利益増加率は、それぞれ22.3%と74.4%に達した。このような成長ペースから、今年か来年には売上4兆ウォン台への突入も期待されている。

グループ企業の持株を大量に保有しているパク会長と、2人の娘であるパク・スヨン、パク・ヨンジュ氏の持株価値の上昇は当然の結果だった。特に(株)アソンは、2021年からの3年間で80億ウォン(約8億8400万円)を現金で配当している。100%子会社であるアソンHMPから毎年50億ウォン(約5億5200万円)を配当(配当率1000%)されたことが影響を与えたとされている。

パク会長一家が(株)アソンを通じて、アソンHMPとアソンダイソーを支配している点を考慮すると、配当収益もかなりの額であると推測される。

問題は、韓国ダイソーの一部の協力会社が「トリクルダウン効果」を享受できていない点だ。

韓国ダイソーの事業特性上、グループが急成長を遂げたのは協力会社の役割が大きかったと専門家たちは指摘している。韓国ダイソーの売り場で販売される低価格製品を国内外から発掘し、供給するという重要な役割を果たしてきたにもかかわらず、これらの協力会社は「実績の恩恵」から外されている。

匿名を求めた韓国ダイソーのある協力会社の代表は、「会長が本社の営業利益問題を指摘すると、翌日にはすべての協力会社に10ウォンずつ供給価格引き下げ圧力がかかるのは公然の秘密です」と述べ、協力会社は「泣きながら受け入れるしかない」と嘆いている。

苦労して発掘した製品をオーナー一家の会社に奪われるケースも珍しくないという主張もある。協力会社が供給した製品の中で販売率が高いものを、アソンHMPを通じて再供給させるというのだ。

アソンHMPは、パク会長と2人の娘が実質的に支配している。この会社が2014年の設立以降、急成長と高配当を続けてこられたのは、このような協力会社の犠牲があったからだというのが、記者が会った関係者たちの主張だ。

(写真提供=時事ジャーナル)ソウル龍山区アイパークモール内のダイソー

協力会社にクレーム処理費用を転嫁している点も問題視されている。不良品を処理するための罰金のようなもので、これまで800社以上の供給会社から数十億ウォン(数億円)に上るクレーム処理費用を受け取っているとされている。

記者が会った、また別の協力会社の関係者は「クレーム費用を請求する基準が曖昧で、入金したお金の確認書や領収書の発行もなかった」とし、「表向きでは協力会社との共生を謳っているが、実際には協力会社を食い物にしているのではないか」と批判した。

実際に韓国ダイソーは2020年、協力会社への「パワハラ問題」で公正取引委員会から厳しい処分を受けた。2015年1月から2017年7月までに、113社の協力会社から納品された212万点余りの商品を不当返品し、その費用を協力会社に転嫁したことが問題となった。

公正取引委員会は韓国ダイソーに対し、大規模流通業法違反行為に対する是正命令とともに、5億ウォン(約5500万円)の課徴金と150万ウォン(約17万円)の過怠料を課した。

韓国ダイソーは再発防止を約束した。韓国ダイソーの関係者は、メディアを通じて「公正取引委員会が定めた返品ガイドラインに従い、関連基準を補完している」とし、「今後、同様の問題が再発しないよう改善していく」と述べた。

しかし公正取引委員会の取り締まりから4年以上が経過した現在でも、協力会社を相手にした「パワハラ」の主張が出ており、今後の論争が予想される。

これと関連して韓国ダイソー側は「協力会社へのパワハラ主張はまったく事実無根」と反論している。会社の関係者は「2015年からの9年間で、韓国ダイソーは年平均16%成長してきた。協力会社との取引額も、韓国ダイソーとほぼ同じく15%成長した」と明かし、「韓国ダイソーと関係会社、協力会社はともに成長する構造にあり、関係会社に特定の商品を押し付けたというのは一部の協力会社の一方的な主張にすぎない」と説明した。

不公平なクレーム費用請求に対しても、この関係者は「韓国ダイソーはこれまで、価格対比で品質に優れた商品を顧客に提供するために、厳格な検査を行ってきた。クレーム費用は不良商品に対する補償制度だ」とし、「協力会社はシステムを通じてクレーム費用全体を確認することができるため、問題はない」と強調した。

危機のたびに発揮された「リーダーシップ」に注目

だからこそ創業者であるパク・チョンブ会長のリーダーシップが、これまで以上に重要であるとの指摘がなされている。

実際、韓国ダイソーは過去30年余りの急成長の過程で、少なからぬ困難に直面してきた。

売上1兆ウォンを突破した直後の2017年には、街の商店街の侵害問題が浮上した。韓国ダイソーが学用品の販売を開始したことで、文具業者たちが強く反発した。パク会長はこのような状況で、学用品をセット単位でのみ販売し、新学期の割引セールも実施しないよう事業を調整するなど、適切に対応したと評価されている。

売上2兆ウォンを突破した2020年前後には、日本企業との騒動が起きたりもした。

日本製品不買運動「No Japan」キャンペーンが広まる中、韓国ダイソーが日本系企業の不買リストに載ったのだ。主力子会社であるアソンダイソーの第2位株主(34.21%)が、日本で100円ショップを運営する大創産業(ダイソー産業)だったためだ。

韓国ダイソー側は「大創産業にブランドロイヤリティを支払ったことはなく、経営介入や人的交流もない」と弁明したが、消費者の冷ややかな視線を和らげることはできなかった。パク会長は2023年末、大創産業の全株式を5000億ウォン(約552億円)で買収し、この論争に終止符を打った。

しかし、最近浮上している協力会社への「パワハラ」問題に対しては、消極的な対応をしているのではないかという批判が出ている。

現在、韓国ダイソーの売上の70%は協力会社を通じて生まれているとされている。韓国ダイソーが今後も成長を続けるためには、協力会社との共生がこれまで以上に重要であるというのが業界の指摘だ。

パク会長がこの問題解決のためにどのような勝負に出るか、財界の注目が集まっている。

(記事提供=時事ジャーナル)