耳掃除には綿棒と耳かき、どちらを使うのが正解?

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 耳掃除をするときに綿棒を使っている人もいれば、耳かきを好んで使っている人もいると思います。実際のところ、どちらを使うのが正解なのでしょうか。また、耳掃除をするときにはどのような点に注意すべきなのでしょうか。耳掃除の注意点や適切な頻度などについて、耳鼻科医の瀬尾達さんに教えていただきました。

耳あかの性質で判断

Q.耳掃除をするときは、綿棒と耳かきのどちらを使用すると良いのでしょうか。

瀬尾さん「綿棒が良いのか耳かきが良いのかは、耳あかの性質やご本人の使いやすさなどによって異なるため、一概に決め切れないところがあります。

例えば、耳あかにはカサカサとした乾いているタイプの『乾性耳垢』とベトベトとしているタイプの『湿性耳垢』の2種類があるんですね。アジア人は遺伝的な要素なども含めて乾性耳垢の方が多いといわれていますが、そういった人は耳かきの方が使いやすい場合もありますし、湿性耳垢には綿棒の方が良いということもありますね」

Q.耳掃除をするときの注意点や、病気が疑われるサインはありますか。

瀬尾さん「耳の奥まで掃除をした方が良いと思っている人もいるかもしれませんが、家庭で耳掃除をする場合は入り口から1センチ程度までで十分です。あまり奥の方まで掃除をしようとすると、耳の穴が傷ついて炎症を起こすリスクもありますし、入り口側にあった耳あかを奥に押し込めてしまう可能性もあるのです。

また、『毎日、耳掃除をしないとかゆい!』と感じる場合は、外耳炎などの何らかの炎症が耳の中で起こっている可能性が高いため、一度耳鼻科を受診していただくと安心かと思います」

Q.自宅で耳掃除をするコツや耳掃除の頻度の目安などについて、教えてください。

瀬尾さん「お子さんの耳掃除をする場合は、耳を少しだけ後ろに引き、そこから上に上げると耳の穴が見えやすくなります。ただし、先ほども触れましたが、奥まできれいにしようとするのはリスクが大きいため、耳掃除は入り口の周辺程度だけにとどめておくようにしましょう。

そして、頻繁に耳掃除をすることも耳の内側が傷つくリスクが高くなるため、耳掃除は2~3週間に一度、もしくは月に一度程度を目安にしていただくと良いと思います」

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 耳掃除をする際は、きれいにしようと奥の方まで掃除しようとしてしまいがちですが、それは逆にリスクが大きいことだということがよく分かりました。自宅で耳掃除を行うときは、耳の入り口付近だけにとどめておきましょう。また、耳鼻科では、耳あかの掃除も保険が適用されるということです。もしも耳に違和感を感じることがあれば、迷わず耳鼻科を受診しましょう。