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 広島からドラフト1位指名された青学大・佐々木泰内野手(21)が25日、相模原市の同大キャンパスで取材に応じ、三塁のポジションを争う先輩・小園に「負けないように」と真っ向勝負を宣言した。ホットコーナーの守備にこだわりを持つ期待のスラッガー。11月に開催される明治神宮大会で青学大初の4冠達成し、プロの舞台へ進む覚悟だ。

 運命のドラフト会議から一夜明け、青学大の相模原キャンパス野球場で取材に応じた佐々木は「ドラフト前日は眠れなかったけど、昨日はぐっすり」と白い歯をのぞかせた。届いたSNSは約300件。門出を祝福する言葉が胸に響いた。

 「今朝起床し、開いた携帯の通知を見て、本当にドラフト1位で指名されたんだ…と実感が湧きました」

 激戦の東都リーグ1部で現役最多の12本塁打を放ち、広島OBのカブス・鈴木誠也に憧れる右打ちのスラッガー。打つだけでなく、三塁守備にも定評がある。強肩で、最速144キロを計測した県岐阜商では投手も兼任。ちなみに、当時の女房役が1学年下の高木翔斗だ。

 「アウトにする技術はもちろん、投手や内野を盛り上げる役目もサードにはある。そこは得意な部分。主将として培った力も存分に生かしていけたら」

 高校、大学で主将。リーダーシップを兼ね備え、ホットコーナーから積極的な声掛けで盛り上げる。「出場機会を与えてもらうために、いろんなポジションを練習する必要がある」と認識しつつ、2学年上の先輩・小園に真っ向勝負を挑む。

 「高校時代から有名で、ライバルにもなる方。負けないように、全ての面でレベルアップしたいと思います」

 新井監督が「新しい競争が始まる」としたサードのポジション争い。その前に最後の大仕事が待つ。11月の明治神宮大会。6月の全日本大学野球選手権に勝ち、秋の大一番を制覇すると、青学大初の大学野球4冠を達成する。主将だけにこだわりは強い。

 「去年の決勝で負けて以来、4冠を(目標に)掲げてきた。何としても勝ち切り、いい形で後輩たちにつなげたい。(自分自身)ドラフト後ということで注目度も高まると思いますし、いい選手が来るな…と広島ファンの方に思ってもらえるように、結果を求めていきたいと思います」

 昨秋を含め、準優勝3回の明治神宮大会。悲願の初Vと4冠を手土産にプロ入りし、サードのポジション争いに正面から挑む覚悟だ。 (江尾 卓也)

 ≪先輩・常広からエール≫広島から1位指名を受け、県岐阜商で1学年下の高木からは「また一緒にできるのが楽しみです」と連絡があった。青学大で1年先輩の常広には自ら「またお世話になります」と電話をかけたという。「高木はストレッチとかを一緒にやった凄く仲のいい後輩。常広さんは“おめでとう。やったな”と結構テンション高く、ほんとに喜んでくださっていた。また一緒にできることを楽しみに、これからの期間レベルアップしたい」と意気込んだ。

 ≪小園は受けて立つ≫小園は泰然自若で青学大・佐々木との真っ向勝負を受けて立つ覚悟だ。「別に(佐々木が)入ってきたからとかは関係ない。やるべきことをやるだけ」。今季は自己最多の143試合に出場し、三塁で118試合先発した24歳は、三塁にこだわりを示すドラフト1位内野手の“挑戦状”にも動じない。「(来季は)どこでもやりますし、まずは試合に出られるようにと思っている。ずっと出られるというところを見せていきたい」と二塁、遊撃を含めた複数ポジションを想定しながら準備を進め、2年連続の全試合出場を目指す構えだ。

 ◇佐々木 泰(ささき・たい)2002年(平14)12月24日生まれ、岐阜県大垣市出身の21歳。小野小1年から小野野球少年団で野球を始める。大垣市立東中では岐阜ボーイズに所属。県岐阜商では1年春から4番。青学大では1年時にリーグ戦デビュー。3年夏には日米大学野球で侍ジャパン選出。主将の4年は全日本大学選手権でチーム2連覇しMVP。1メートル78、82キロ。右投げ右打ち。