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 ◇セCSファイナルステージ第6戦 巨人2−3DeNA(2024年10月21日 東京D)

 逆襲の3連勝はならなかった。2―3の9回2死。巨人は岡本和が森原に浅い中飛に打ち取られ、最終決戦に敗れた。3連敗から2連勝。アドバンテージ1勝を含めて3勝3敗の逆王手としたが、あと一歩届かず。阿部監督は「勝たせてあげられなかった。申し訳ない。それが一番」と悔しさをあらわにした。

 総力戦で競り負けた。同点の8回。6番手で菅野が登板すると大歓声に包まれた。救援は18年以来6年ぶり3度目。ポストシーズンでは初めてだった。第2戦の先発から中3日。8回は3者凡退に仕留めたが、9回2死三塁から牧に決勝打を浴びた。右腕は涙を浮かべ「何とか結果で応えたかったですけど…。本当に申し訳ない。でも、今日投げたボール全部に悔いはない」と敗戦を受け止めた。

 今季は15勝で最多勝に輝き、完全復活。MVP最有力候補として4年ぶりのリーグ優勝に導き、海外FA権を行使してメジャー移籍する意向を表明した。ポスティングシステムを利用した4年前は契約合意に至らず残留した。再挑戦でメジャー移籍が実現すれば、この日が日本でのラスト登板となる。「人生で味わったことないような悔しさ。またそれも糧にできればと思う」と前を向き、「今日の声援というのは一生忘れることはないと思います」と感謝した。

 阿部監督は「逆王手までいったことも凄い収穫。負けた悔しさは、その何十倍もある」と言った。チームは19、20年に日本シリーズでいずれも4連敗したソフトバンクに雪辱する機会を逸した。それでも、就任1年目で大混戦のセ・リーグを制した阿部監督の手腕は色あせない。試合後、すぐにミーティングを行った指揮官は「優勝した自信は持っていてほしいし、こういう難しいゲームを勝てなかった悔しさは必ず来年につなげてほしい」と選手たちに訴えた。(川島 毅洋)

 ≪貧打に泣く≫リーグ優勝チームがCSで敗れてシリーズ出場を逃すのは7度目。巨人は07年(対中日)、14年(対阪神)に次ぎ3度目で、西武の2度を上回る最多となった。また今CSの巨人の打撃成績は176打数30安打の打率.170で9得点。6試合を戦ったCSファイナルSでは10年ソフトバンクの打率.169に次ぐ低打率で、安打数、得点はその時のソフトバンクに並ぶ最少タイと貧打に泣いた。