窓の数や面積を増やせば、明るい家になります。しかし、窓のタイプや設置場所によってはデメリットが発生することに。3年前にハウスメーカーで家を建てたライターは、掃除が大変なリビングの引き違い窓や、和室の縦すべり窓、朝日の入らないキッチンの窓に後悔。ほかにも、「クローゼット内の窓で服が日に焼けてしまう」「寝室の窓のシェードを閉め忘れると夏は暑くて眠れない」という残念な点も。

建てたかったのは、明るくて快適に過ごせる家

筆者の一家は夫と子ども3人(8歳、5歳、0歳の男の子)の5人家族。3年前にハウスメーカーで、延床面積38坪の2階建ての注文住宅を建てました。

家づくりでは、大きな窓のある明るい家で、一年じゅう快適に暮らしたいと考えていました。そこで、窓の種類や配置もじっくり検討。それでも、住んでみて後悔した窓があります。詳しく紹介します。

リビングの大きな引き違い窓の下が虫の墓場に!

リビングは明るく開放感がほしいと思い、南側に大きな引き違い窓をつけました。日中は、この窓だけでリビングが十分明るくなっています。しかし引き違い窓には、気になる問題が。

引き違い窓は、サッシの桟(さん)の部分に砂やゴミがたまったり、小さな虫が侵入したりするのです。筆者も「ホコリはたまるだろうな…」とは思っていました。しかし、ホコリだけでなく、外から入ってきた虫の死骸も!

「引き違い窓は、縦すべり窓や横すべり窓と比べると、ホコリがたまりやすい構造になっている」と、設計士から聞いていました。

しかし、虫の死骸だらけになることがあるとは想定できず…。今は定期的に窓や網戸に、防虫剤をまいて対策しています。

和室の縦すべり窓は網戸の掃除が大変だった

掃除しづらい窓はほかにもありました。写真は、1階のLDKに隣接する和室にある、縦すべり窓(窓の軸がスライドし、左右どちらか一方に回転するように開閉する窓)です。筆者は換気用に開閉できる窓には、すべて網戸をつけています。

この網戸で問題が! 縦すべり窓には、室内側に網戸の枠がつきます。この枠のせいで隙間に、ホコリがたまり、窓の内側の掃除がしづらいのです。この窓は、ほとんど窓をあけることはありません。ですからこの窓には、網戸をつけなくてもよかったと思っています。

この和室の窓はキッチンから、視線が抜けるように配置しています。おかげで開放感もあり満足しています。しかしあけない窓なら、最初からFIX窓にしてもよかったと、後悔しています。

大きくて明るい窓は外からの視線に注意が必要

隣のダイニングにも南側の窓を配置し、一日じゅう明るいLDKを実現できました。朝食時も、日差しを感じることができ、気持ちがいいです。近所から見えるのではと、心配しましたが、外が明るいとカーテンを閉めなくても、外からほとんど中が見えません。

しかし畑など、すぐそばに人がいる場合は、さすがに気になるため、大きな窓はカーテンを半分閉めています。

余談ですが、外からの視線を気にしてフェンスもつくりました。しかし実際に住んでみると、高さや長さがたりませんでした。フェンスは住んでから、サイズを決めればよかったと後悔。今後追加で、外構工事を考えています。

キッチンの窓は採光で失敗。東にもつくればよかった

キッチンも明るくなるよう、リビングの大きな窓と同じ南側に窓をつけました。そのおかげで日中から夕方にかけては、明るいキッチンに。

しかし、いちばん明るさのほしかった朝に光がうまく入らず、早朝の料理のときは暗いです。キッチンの東側にも窓をつくればよかったと思いました。

また、キッチンに大きな窓を設置したのはいいのですが、冬はキッチンが冷える要因となっています。この窓はIHコンロにも近い位置。油汚れの懸念から、ハニカムシェードをあえて外しました。そのため冬に冷気を感じます。考えてみれば、ハニカムシェードは調理中、上げておけばいいので、はずさなかくてもよかった…。

思ったより暗くなってしまった場所は、ほかにもあります。それは2階の廊下です。ここは外壁に面していないので、窓をつくれませんでした。

代わりに明るい南側の部屋のドア(上の写真正面)に、スリット窓を入れています。しかし1部屋分のドアだけでは採光が少なく、早朝と夕方は暗いです。ほかのドアからの採光を増やしたり、間取りを変更して窓をつくったりと、工夫すればよかったと思っています。

じつは天窓の提案がありました。しかし太陽光パネルを設置していることや、汚れた窓の掃除、家の性能が落ちるなど複数の理由で不採用に。

寝室の窓はハニカムシェードを閉め忘れると夜眠れない

主寝室には西と北に窓があります。そのため西日を考慮し、遮光のハニカムシェードを採用。夜勤あけの筆者が仮眠しているときも、まぶしさを感じずに眠れます。

しかし夏にハニカムシェードを閉め忘れると、西日で室温が一気に上がるため、夜は眠れないような室温になります。

クローゼットには、窓をつけない方がよかった

ほかに西日で困っている場所があります。それはクローゼットです。

ここは子どもがオモチャや、習い事の物など、毎日使うものが収納されています。ですから、頻繁に家族みんなが出入りします。

そのため明るい方がいいと思い、窓を設置しました。この窓は西側にあるので、夏の西日で暑くならないよう、ハニカムシェードもつけています。しかし毎日夕方だけ、ハニカムシェードを閉めに行くのは面倒です。

とはいえ閉めないと、衣類に日が当たり変色する可能性もあります。クローゼットは安易に窓をつけない方が、よかったのかもしれません。

この窓はLDKまで光が入ってくるため、明るさに関しては満足しています。しかし、もう少し小さめの窓にするか、窓をつけずセンサーライトにした方が、よかったと思っています。

窓の大きさや、使う時間帯を考えて適切な方角に窓を設置する。外からの視界も考慮して、外構との関係も考える。窓は考えることが、意外にたくさんあります。

筆者としては、明るくて開放的な部屋をつくれた点には満足。しかし、こまかい失敗が多かったと感じています。