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日本を訪れる外国人旅行者、インバウンドの消費額が9月までの数字で過去最高を更新したことがわかりました。急速に増加する外国人観光客についてお伝えします。

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訪日外国人が早くも2023年上回る 旅行消費額は過去最高

加藤シルビアキャスター:
訪日外国人旅行者の推移ですが、2015年から右肩上がりで、2019年は約3188万人でしたが、新型コロナウイルスがあり、2020年はガクンと減りました。

2023年には約2507万人にまで増え、2024年は1月〜9月までの時点で約2688万人となりました。このままいくと、約3500万人と最多を更新する見込みだということです。

そうなると、気になるのが経済効果です。

訪日客の旅行消費額は2024年1月〜9月までで約5兆8000億円と過去最高を更新していて、1人あたりの支出額は推計で22万3000円(7月〜9月期)という計算になるそうです。

一体、何にお金を使っているのか。オランダからの観光客は、「ホテルが一番高かった。1泊2万〜3万円した」と話していました。

訪日客の宿泊費を国別で見ていきますと…(7月〜9月期)

▼イギリス
2019年:7万9496円
2024年:13万4837円

▼アメリカ
2019年:8万9604円
2024年:12万4639円

▼中国
2019年:4万6484円
2024年:8万1690円

コロナ前と比べても、1.5倍から2倍くらい宿泊費が増えているということです。

一体どうしてこのような状況になっているのか、航空・旅行アナリストの鳥海高太朗氏に伺いました。

「まず、物価が高いこと。そして、日本旅行へのニーズが高まっていることでホテル代が高騰している。さらに、円安で航空代・食費などが抑えられ、滞在日数が伸びている」ということです。

つまり、ホテル代が高く、滞在日数も伸びているのでこれだけ宿泊費がかかっているということです。

洋服レンタルサービスが好調 円安で滞在日数伸びる

加藤キャスター:
そういった中で、「どこでも どんな服でも『Any Wear, Anywhere』というユニークなサービスが始まっています。

洋服を貸し出してくれるサービスで、1セットにトップス5着、ボトムス3着が入っていて、5000円〜7000円で2週間レンタルできます。事前に希望サイズを予約・決済して、ホテルや空港で受け取り・返却ができるということです。

このサービスを展開している住友商事の山内美優主任は、「スーツケースの大半が洋服で埋まることも。帰国後に洗濯する必要もなくなります」と話しています。

南波雅俊キャスター:
自分たちが旅行に行ったとき、このようなサービスが海外にもあったらすごくいいですね。

日比麻音子キャスター:
最近は格安の航空券だと荷物を預けるだけでもプラスでお金がかかるので、このようなサービスがあれば航空費はなるべく抑えて、洋服は現地でレンタルするという方法も選択肢の一つになりますね。

加藤キャスター:
このサービスは日本人も使えるということです。

地方に海外富裕層の消費を 鳥取砂丘には高級ホテルも

加藤キャスター:
ただ、一つ課題として挙げられるのが、訪日外国人の旅行消費額で、東京・大阪・京都の3つの都市で約7割を占めているという現状があるようです。(観光庁HP 2024年4月〜6月期)

その恩恵を地方にも広げていきたいということで、観光庁は「東北海道」「北陸」「富士山麓」「鳥取・島根」など、14のモデル観光地を選定しました。1人あたり100万円以上使うような超富裕層を特に誘致したいということで、こういったモデルを設定しています。

航空・旅行アナリストの鳥海氏は「個人旅行が増えたことで、空港の近い都市部が拠点になりがち。かなり魅力的な宿泊施設などが無ければ地方は『立ち寄り先』になってしまう」と話しています。

そういった中で、新たな取り組みも出てきています。

鳥取砂丘一帯の2023年の観光客数は約113万人でした。魅力的な観光地ですが、やはり宿泊施設が問題ということで、鳥取市などが誘致をしています。

高級ホテルチェーンの「マリオット・インターナショナル」への誘致が決まっていて、2026年に開業する予定です。全客室から砂丘・日本海を一望することができ、大浴場・プールも完備されています。ターゲットは海外の富裕層で、1泊6万円〜になっています。

「立ち寄り先」だけではなく、宿泊してもらい、地方にもお金を落としていってもらいたいという狙いです。