今市隆二が語る、あらためて自覚したボーカリストの「軸」のあり方
三代目 J SOUL BROTHERSのボーカリスト、今市隆二にとって愛すべき「バイク」「デニム」「仲間」にフォーカスした、全176ページの写真集『EASY』が発売された。
【画像】『EASY』に収められた写真
こだわりの愛機とともに、これまで見せてこなかった自然体の姿や表情を収め、ハードカバーの装丁とともに、アートブックのような佇まいの一冊に仕上がっている。同書にはバイクについて語ったインタビューが収録されているが、自身のアーティスト活動について話した未公開パートをここで初公開する。
-2024年はソロとしての活動、グループとしての活動、いずれもスピード感と活動量が凄まじいことになっていますが、アーティスト=今市隆二は現在どういう状態にあるんですか?
今市:今年は「自分探しの旅」というテーマで活動しているので、自分はどういうときに幸せを感じるんだろうとか、これから何をやるべきなんだろうとか、広い視野でいろいろなことに取り組んでいます。その分、ライブの数も凄いことになっていますが(笑)、ここまでで感じることはやっぱり自分は歌だなと。ソロを6年やってきて、パフォーマンスももちろん楽しいんですけど「今市隆二とは何か?」と言ったら「歌」に限ります。
この14年、ずっと調子がよかったわけじゃない。そういう心の内はあまり出していないですけど、いろいろ苦労もしたし、歌えなかったときもあって、そんな過去も含めて「俺ってなんだろうな?」って思ったときに、「やっぱり歌だな」ってところを再確認しました。歌以外の仕事もたくさんやってきましたけど、ボーカリストとして、そこはブレずに長く続けたいと思っているし、変わらず皆が感動する歌を歌って、(歌で)最強になりたいなと思っています。
-ボーカリストとしてのあり方を見つめ直すことができた。
今市:俺とØMI(登坂広臣)は三代目J SOUL BROTHERSのボーカリストとして選ばれた人間で、パフォーマーはダンスの表現力で選ばれたんですよね。時代的な背景もあったと思うんですけど、役割分担が今よりハッキリしていたし、そのことについて改めて再認識させられたというか、俺はボーカリストだっていうのは一生変わらないです。
-所属事務所のLDHの一員としてはどうですか? 後輩たちも増えたし、ボーカリストとして皆を引っ張っていかなければ……みたいな意識はありますか?
今市:昔はよく、EXILE TRIBEを牽引するとかって言葉を使っていましたけど、今はそれぞれの世代がやらなきゃいけないこともあるから、そういう感覚はないかもしれないです。でも三代目としては、最前線でずっと戦っていかなきゃいけないし、戦いたいなとは思っています。そういう意味では「引っ張る」かもですね。
-今市さん個人だとどういう感じなんですか?
今市:そうですね。歌を通してもっと表現したいし、届けたい。もちろんダンスも好きだから、練習して振りを覚えたりしますけど、自分の心骨頂としては、歌でやっていきたい、しかないですね。
-歌への強い想いは、1年半ぶりのアルバム『R』からも感じられます。これまでにはない今市さんのボーカリゼーションがたくさん入っていたので。
今市:でも難しさもあるんですよね。時代が変わって、日本人の音楽の聴き方も変わってきた。最近は、ほとんどの曲に「歌」は入っているけど、よりサウンドっぽくなってきていると思います。歌を含めた「サウンド」として届けるというか、そういうトレンドを意識してチャレンジしたのが『R』です。でもいつか、時代や流行を超越するような、歌に特化したアルバムを作ってみたいです。
-今回、VivaOlaさんやKota Matsukawa(w.a.u)さんなど、若い世代のプロデューサーやクリエイターと一緒にディレクションしてるところもすごくいいなと思いました。
今市:VivaOlaくんはボーカルライン、Matsukawaくんは総合プロデューサーでトラックを作ってくれたんですけど、若い子たちの今の感覚が面白かったです。「この言葉の方が響きがいいですね」とか、メッセージというより音として歌を捉えている感じでした。
-いい化学反応が起きてるなと思いました。
今市:そういう新しい風は入れていくべきだし、その方が俺も刺激をもらえるので。でも先ほど言った通り、普遍的な「ボーカリスト」でいたいって気持ちも変わらずあるので、その両軸で進めていきたいです。
ーサウンドとして楽しむ歌もあれば、メッセージ性を味わう歌もある。一口に「歌」といっても、いろんな表現方法がありますね。
今市:本当にそう思います。歌って無限ですよね。言ってしまえば、歌は誰でも歌えるし、正解がないから大変だなと思います。でもやりがいは絶対にありますね。
-その一方で、今回の写真集でもフィーチャーしたバイクのような、プライベートで何か夢中になれるものがあるっていうのは、いい心のバランスをもたらしてくれるのでは?
今市:いい意味で(歌を)忘れられる瞬間だと思います。そういう点でも趣味を持つってことはすごくいいですよね。
-ツーリングしてるときに歌のことを考えたりすることは?
今市:もちろん考える瞬間はあるけど、忘れることの方が多いです。違うスイッチが入っているので。例えば、サッカー選手だったらボールが手元になければサッカーのことを忘れられると思うんですけど、自分は歌うための声帯が常にあるので、(声帯を)どこかに置いておきたいって気持ちが一時期ありました(笑)。そういう意味でもようやく趣味に没頭できる時間が作れた気がします。2024年はソロ活動も活発にやりつつ、三代目としてはドームツアーがあるので、1年をしっかり乗り切りたいと思います。とりあえず今年を乗り切って、来年はちょっと休みたいですね(笑)。
-それこそバイクに乗ってゆっくりできる時間があるといいですね。
今市:それいいですね! 日本一周みたいな。相当時間がないといけないけど、あとはアメリカとかにバイク持って行って走りたいですね。それはいつかやりたいです。
-アメリカだったらバイクを空輸するんですか?
今市:はい。昔、俳優の岩城滉一さんがLAからNYまでの6500キロをハーレーで横断したように、それくらい大胆な目標を立てていつかトライしてみたいです。この写真集のように、バイクとアーティスト活動をもっと絡められたら面白いなと思っています。バイクで全国を回ってライブするとか、現実的じゃないかもしれないけど、それくらいできたら楽しいだろうなと思って、いろいろ考えて今後も発信していきたいです。
Photo by Maciej Kucia
<INFORMATION>
今市隆二スペシャルフォトブック『EASY』
発行:CCCミュージックラボ株式会社
発売:株式会社CCCメディアハウス
全国の書店・CDショップ・ネット書店で発売中
amazon:https://amzn.asia/d/it4YTiY
【画像】『EASY』に収められた写真
こだわりの愛機とともに、これまで見せてこなかった自然体の姿や表情を収め、ハードカバーの装丁とともに、アートブックのような佇まいの一冊に仕上がっている。同書にはバイクについて語ったインタビューが収録されているが、自身のアーティスト活動について話した未公開パートをここで初公開する。
今市:今年は「自分探しの旅」というテーマで活動しているので、自分はどういうときに幸せを感じるんだろうとか、これから何をやるべきなんだろうとか、広い視野でいろいろなことに取り組んでいます。その分、ライブの数も凄いことになっていますが(笑)、ここまでで感じることはやっぱり自分は歌だなと。ソロを6年やってきて、パフォーマンスももちろん楽しいんですけど「今市隆二とは何か?」と言ったら「歌」に限ります。
この14年、ずっと調子がよかったわけじゃない。そういう心の内はあまり出していないですけど、いろいろ苦労もしたし、歌えなかったときもあって、そんな過去も含めて「俺ってなんだろうな?」って思ったときに、「やっぱり歌だな」ってところを再確認しました。歌以外の仕事もたくさんやってきましたけど、ボーカリストとして、そこはブレずに長く続けたいと思っているし、変わらず皆が感動する歌を歌って、(歌で)最強になりたいなと思っています。
-ボーカリストとしてのあり方を見つめ直すことができた。
今市:俺とØMI(登坂広臣)は三代目J SOUL BROTHERSのボーカリストとして選ばれた人間で、パフォーマーはダンスの表現力で選ばれたんですよね。時代的な背景もあったと思うんですけど、役割分担が今よりハッキリしていたし、そのことについて改めて再認識させられたというか、俺はボーカリストだっていうのは一生変わらないです。
-所属事務所のLDHの一員としてはどうですか? 後輩たちも増えたし、ボーカリストとして皆を引っ張っていかなければ……みたいな意識はありますか?
今市:昔はよく、EXILE TRIBEを牽引するとかって言葉を使っていましたけど、今はそれぞれの世代がやらなきゃいけないこともあるから、そういう感覚はないかもしれないです。でも三代目としては、最前線でずっと戦っていかなきゃいけないし、戦いたいなとは思っています。そういう意味では「引っ張る」かもですね。
-今市さん個人だとどういう感じなんですか?
今市:そうですね。歌を通してもっと表現したいし、届けたい。もちろんダンスも好きだから、練習して振りを覚えたりしますけど、自分の心骨頂としては、歌でやっていきたい、しかないですね。
-歌への強い想いは、1年半ぶりのアルバム『R』からも感じられます。これまでにはない今市さんのボーカリゼーションがたくさん入っていたので。
今市:でも難しさもあるんですよね。時代が変わって、日本人の音楽の聴き方も変わってきた。最近は、ほとんどの曲に「歌」は入っているけど、よりサウンドっぽくなってきていると思います。歌を含めた「サウンド」として届けるというか、そういうトレンドを意識してチャレンジしたのが『R』です。でもいつか、時代や流行を超越するような、歌に特化したアルバムを作ってみたいです。
-今回、VivaOlaさんやKota Matsukawa(w.a.u)さんなど、若い世代のプロデューサーやクリエイターと一緒にディレクションしてるところもすごくいいなと思いました。
今市:VivaOlaくんはボーカルライン、Matsukawaくんは総合プロデューサーでトラックを作ってくれたんですけど、若い子たちの今の感覚が面白かったです。「この言葉の方が響きがいいですね」とか、メッセージというより音として歌を捉えている感じでした。
-いい化学反応が起きてるなと思いました。
今市:そういう新しい風は入れていくべきだし、その方が俺も刺激をもらえるので。でも先ほど言った通り、普遍的な「ボーカリスト」でいたいって気持ちも変わらずあるので、その両軸で進めていきたいです。
ーサウンドとして楽しむ歌もあれば、メッセージ性を味わう歌もある。一口に「歌」といっても、いろんな表現方法がありますね。
今市:本当にそう思います。歌って無限ですよね。言ってしまえば、歌は誰でも歌えるし、正解がないから大変だなと思います。でもやりがいは絶対にありますね。
-その一方で、今回の写真集でもフィーチャーしたバイクのような、プライベートで何か夢中になれるものがあるっていうのは、いい心のバランスをもたらしてくれるのでは?
今市:いい意味で(歌を)忘れられる瞬間だと思います。そういう点でも趣味を持つってことはすごくいいですよね。
-ツーリングしてるときに歌のことを考えたりすることは?
今市:もちろん考える瞬間はあるけど、忘れることの方が多いです。違うスイッチが入っているので。例えば、サッカー選手だったらボールが手元になければサッカーのことを忘れられると思うんですけど、自分は歌うための声帯が常にあるので、(声帯を)どこかに置いておきたいって気持ちが一時期ありました(笑)。そういう意味でもようやく趣味に没頭できる時間が作れた気がします。2024年はソロ活動も活発にやりつつ、三代目としてはドームツアーがあるので、1年をしっかり乗り切りたいと思います。とりあえず今年を乗り切って、来年はちょっと休みたいですね(笑)。
-それこそバイクに乗ってゆっくりできる時間があるといいですね。
今市:それいいですね! 日本一周みたいな。相当時間がないといけないけど、あとはアメリカとかにバイク持って行って走りたいですね。それはいつかやりたいです。
-アメリカだったらバイクを空輸するんですか?
今市:はい。昔、俳優の岩城滉一さんがLAからNYまでの6500キロをハーレーで横断したように、それくらい大胆な目標を立てていつかトライしてみたいです。この写真集のように、バイクとアーティスト活動をもっと絡められたら面白いなと思っています。バイクで全国を回ってライブするとか、現実的じゃないかもしれないけど、それくらいできたら楽しいだろうなと思って、いろいろ考えて今後も発信していきたいです。
Photo by Maciej Kucia
<INFORMATION>
今市隆二スペシャルフォトブック『EASY』
発行:CCCミュージックラボ株式会社
発売:株式会社CCCメディアハウス
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