快勝のソフトバンク。(左から)押し出し四球を選ぶ柳田悠岐、本塁打を放ちベンチ前でパフォーマンスする山川穂高、2ランを放つ近藤健介(カメラ・岩田 大補)

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◆2024 パーソル クライマックスシリーズ パ・ファイナルステージ 第2戦 ソフトバンク7―2日本ハム(17日・みずほペイペイドーム福岡)

 ソフトバンクが2連勝で対戦成績を3勝0敗(アドバンテージ1勝含む)とし、4年ぶりの日本シリーズ進出へ王手をかけた。4番・山川穂高内野手(32)は初回に同点打を放てば、5回には連夜のソロ。7回にも2打席連続のソロを放つ大暴れで、連日の快勝をけん引。みずほペイペイでのCSは、2019年ファイナルS第2戦から8連勝とした。

 集中力を研ぎ澄ませた。2点リードの5回2死、フルカウント。山川がバットの芯を外されながら、屈強なパワーで打球を左翼テラス席に運んだ。「宮西さんのチェ(チェンジアップ)が止まるような球なので、それを頭に入れながら。きょうは出来過ぎです」。連夜の「どすこい」を鷹党と唱和すると、4点リードの7回先頭でも「狙っていた」と、やはり左翼テラスにダメ押しのソロをぶち込んだ。

 1点を追う初回にも2死二塁から左前適時打。4番の仕事を完璧にこなした。「(2発よりも)あれが一番うれしい。先制を許した直後に追いついて、コンちゃんの本塁打につながって良かった」と続く近藤の2ランを呼び込んだ。6回には柳田が押し出し四球を選んだ。レギュラーシーズンで柳田、山川、近藤のYYKトリオが、いずれも打点を挙げれば5戦5勝。16日のCS初戦で5月31日の広島戦以来、138日ぶりにスタメンそろい踏みとなった3人が、短期決戦でも全勝神話を継続させた。

 小久保監督は「調子はずっといい。『ゲーム勘がある方がいい』と志願してフェニックス(リーグ)まで行ってるくらい」と主砲の献身をたたえた。そのフェニックスでは若手に交じって、ひたすら独自のランニングメニューに取り組み、黙々と走り続けていた山川。指揮官は「松山(2軍)監督がリチャードに『打撃ばっかりマネせんと、走ることもマネせえ』と言ってました」と明かして笑わせた。

 お立ち台で「あしたで決めましょう!」と絶叫した背番号25。まずは3試合でリーグ頂上対決を終えてから、日本シリーズへと爪を研ぐ。(田中 昌宏)