Apex Legendsで1vs1、タイマン勝負ついに決着!『TAIMAN+ 2024 頂天』レポート
『ApexLegends』最強プレイヤーは誰か? 1vs1での最強を決するオーディション番組『TAIMAN+』初となるオフラインイベント『TAIMAN+ 2024 祭天/頂天』が10月12日、13日に千葉県船橋市・LaLa arena TOKYO-BAYで開催された。初日のトーナメントを勝ち抜いた国内選手8名と、『TAIMAN+』四天王を含む国内強豪プロ5名&海外より世界最強と謳われるTeam Falconsの3名が激突した白熱の『TAIMAN+ 2024 頂天』トーナメントの様子をレポートしよう。
撮影:小柴樹
全世界のeスポーツシーンで絶大な人気を誇るヒーローシューターFPS『Apex Legends』。3人チームで戦うのがスタンダードなこのゲームだが、1対1で戦ったらいったい誰が強いのか? そんな発想から今年の春にスタートした公開オーディション番組『TAIMAN+』。数々の挑戦者と「四天王」と呼ばれる4人のトッププロが激闘を繰り広げたこの番組のオフライントーナメントがいよいよ開催となった。
まだオープンして間もないLaLa arena TOKYO-BAYには、二日間に渡って多くのeスポーツ&『Apex Legends』ファンが来場。目の前で繰り広げられる選び抜かれたトッププロ達による熱く激しいタイマン勝負に声援を飛ばし、試合と並行して行われたプロプレイヤーとのミート&グリートで交流を楽しむなど、思い思いの時間を堪能しながら盛り上がっていた。
撮影:小柴樹
そして二日目にはいよいよ選び抜かれた16名によるトーナメントがスタート。シード枠で登場の8名は番組でおなじみの「四天王」……Mia.K/メルトステラ/YukaF/破壊ハンマードリルに強豪プロ・すでたき。さらに海外からは『Apex Legends』最強と謳われるTeam FalconsのImperialHal/Zer0/Genburten(オンラインにて参戦)と、まさに強豪を決めるのに相応しい面子が勢ぞろい。さらに12日に開催された『TAIMAN+ 2024 祭天』の予選を勝ち抜いたAグループの栗原、BグループのUmichanLoveti、CグループのPeace、DグループのRaygh、EグループのReyzyGG、Fグループのsatuki、GグループのERy(『TAIMAN+』番組選抜選手)、HグループのRightが参加。試合前には平成ノブシコブシ・吉村崇による選手インタビューなども挟まれる中、いよいよトーナメントの幕が開いた。
撮影:小柴樹
対戦ルールのコンセプトは「5分で準備し5分でキルしろ!」。選手はそれぞれの物質調達エリアに降下して、5分以内に武器/回復/投擲/サバイバルアイテムをセレクトしたり、進化ハーベスターを集めてアーマーを進化させるなどして準備を整えていく。降下から4分が経過すると決戦エリアが開放されるので、制限時間内に到達しないとその時点で失格。両者が決戦エリアに揃ったところで、制限時間5分のバトルがスタートし、相手をキルした方の勝利。準決勝と決勝は2本先取した方が勝ちの3本勝負だが、準々決勝までは1本勝負。そして相手よりも早く決戦エリアに入ることで自分の装備や戦術に有利なポジションを確保して相手の位置を把握できるなど、1対1ならではの緊張感あふれるバトルが繰り広げらることとなった。
◆1回戦 ImperialHal VS 栗原
撮影:小柴樹
『Apex Legends』最強のInGame Leaderと謳われた強豪がオープニングマッチから登場。積極的な攻撃を得意とするImperialHalに対して、守備とロングレンジからの攻撃な得意な栗原の対戦は、相手の位置を把握して先制攻撃を決めたImperialHalが終始有利な位置を確保しながらの攻撃で勝利。マッドマギーの能力を理解して完璧な立ち回りを見せた。
◆2回戦 UmichanLoveti VS Mia.K
撮影:小柴樹
初日トーナメントを勝ち上がってきたUmichanLovetiと、『TAIMAN+』四天王の一角・Mia.Kによる日本人選手対決。タイマン向けのレジェンドということで、こちらもマッドマギー同士の戦いとなるが、Mia.Kはアーマーのレベルアップも十分な態勢で挑み、同じ建物にポジションを取ったUmichanLovetiに足音を殺しながら近づき、背後を取って一気に決めるという瞬殺劇を披露。解説陣から「四天王らしからぬ」と言われるなどの完勝ぶりで、次のImperialHal戦も絶対に勝ちたいと意気込みを語った。
◆3回戦 SudetakiN VS Peace
撮影:小柴樹
今回の参加者中最年長の強豪・SudetakiNと初日から勝ち上がってきた新鋭・Peaceの激突。両者共に勢いのある者同士の対戦は、マッドマギーのSudetakiNに対してPeaceは敵の視界を遮るスモーク弾などを使いこなすバンガロールを選択。決戦エリアではお互い間近なところにポジションを取って開始早々から激しい撃ち合いに。距離を取ると不利と悟ったSudetakiNが積極的に距離を詰めて逆転勝利となった。
◆4回戦 Raygh VS YukaF
撮影:小柴樹
参加者では最年長クラスの古豪・Rayghと『TAIMAN+』四天王にして日本最高峰プレイヤーと目されるYukaFの激突。両者共にキーボード&マウスプレイヤーという面からも注目の一戦は、YukaFは次元転送系アビリティを持つオルター、そしてRayghはダメージを与えた相手を一時的に拘束できるアッシュを選択。距離を取りながらの撃ち合いで膠着状態が続いたところ、YukaFが相手が詰めてくるのを誘い、自らドアを蹴破りながらの近接戦で見事に勝利を掴んだ。
◆5回戦 ImperialHal VS Mia.K
撮影:小柴樹
ImperialHalは初戦同様にマッドマギー、Mia.Kはバンガロールに代えての対戦。建物内外を行き交いながらのせめぎ合いの末に、Mia.Kが自ら突入しての近接戦を仕掛けるもImperialHalをそれをいなす。さらに敵付近で爆発する巨大な爆弾を投げるアルティメットアビリティ「レッカーボール」を投げ込みながら突入して仕留め、貫禄の勝利でImperialHalが準決勝一番乗りを決めてみせた。
◆6回戦 SudetakiN VS YukaF
撮影:小柴樹
準々決勝第2試合は、共に来年1月末から札幌ドームで開催される『ApexLegends』世界大会出場を決めているSudetakiNとYukaFが激突。SudetakiNは『TAIMAN+』ルールで勝ち筋を固めやすいマッドマギーを選んだのに対し、YukaFは自動ダメージ回復や機動力に優れたオクタンを選択。さらに決戦エリアに遠回りをしながら侵入して対戦開始と同時に先制攻撃をヒット。そしてスタートから同じ建物の内外での攻防の末に、屋内での接近戦を僅差で制したYukaFが、ImperialHalとの準決勝へとコマを進めた。
◆7回戦 ZerO VS ReyzyGG
撮影:小柴樹
トーナメントも中盤を迎え、もう一方のブロックの対戦がスタート。そのオープニングに登場するのは、海外から参戦の世界最多勝利を誇るワールドチャンピオン・ZerO。そのスキルの高さに加えストイックな努力家としても知られるZerOはタイマン向きのフィジカルとアビリティを持つバンガロールをセレクト。そして高火力を操り決勝トーナメント進出を決めたReyzyGGは重力を操る様々なアビリティを持つホライゾンをセレクト。ReyzyGGは重力を活かしての垂直方向の移動で有利なポジションからの攻撃を狙うが、ZerOはその動きを読みながら追い詰めて一気に勝負を決めてワールドチャンピオンの実力を見せつけて勝利。世界大会でおなじみのあくびのパフォーマンスも見せて会場を沸かせながら初戦を制した。
◆8回戦 satuki VS Meltstera
撮影:小柴樹
9月にトレード移籍で所属チームを入れ替わることとなった二人のタイマンという、『TAIMAN+』ならではのドラマチックなシチュエーションに会場もヒートアップ。初日から試合を重ねて勝ち抜けてきたsatukiに対し、この試合が初戦となる『TAIMAN+』四天王Meltsteraという経験の差がどう出るかが注目される一戦となった。satukiは初日から使い続けてきた、高速移動や敵を一時拘束できるアビリティを持つアッシュ、Meltsteraは『TAIMAN+』での万能性が人気のマッドマギーをセレクト。決戦エリアはこの日初の「母艦」が登場。縦長かつ遮蔽物が多いマップ内で、互いの場所をあえて知らせるような銃撃からのタイマン勝負になだれ込む。そしてドアを隔てながらの近接戦を思い切った突入でsatukiが制し、四天王の一角が初戦で消えることとなった。
◆9回戦 HammerDrill VS ERy
撮影:小柴樹
破壊神の異名を持つ『TAIMAN+』四天王HammerDrillに、『TAIMAN+』番組選抜選手として唯一決勝に進み、番組内対戦ではHammerDrillに勝利したこともあるERyが挑むという番組ファンにはたまらない対戦が実現。HammerDrillはマッドマギー、そしてERyはしゃがんだままの高速移動や飛行能力、足音を小さくできるアビリティなどが特徴の愛用レジェンド・レヴナントを選択。ERyはスナイパーライフルでの攻撃を的確に当てて追い込むも、警戒して距離をなかなか詰められず、その隙を突くようにHammerDrillは距離を詰めながらショットガンの間合いで見事に仕留めて勝利した。
◆10回戦 Genburten VS Right
撮影:小柴樹
トーナメント1回戦ラストを飾るのは、ImperialHal・ZerOと共にTeam Falconsとして活躍する世界レベルの強豪・Genburtenと、18歳の新星として注目されるRightという興味深い一戦。独自の機器設定で繰り出す立ち回りで強さを示し続けてきたGenburtenは愛用のレヴナント、『TAIMAN+』ルールでの対戦を重ねて研究を深めてきたRightは重力を使った移動と攻撃が特徴のホライゾンで屋内戦闘での勝利を狙う。Rightの決戦エリア到達が制限時間ギリギリになるという展開からスタートした対戦では、Genburtenに位置を知られてしまったRightが追い込まれたものの、相手の戦い方も研究していたRightが上手く立ち回り、優勝候補を撃破する大金星を揚げた。
◆11回戦 ZerO VS satuki
撮影:小柴樹
共に初戦で強さを見せつけて勝利した両者が激突。ZerOが初戦のバンガロールから愛用のホライゾンを選択、そしてsatukiは引き続きアッシュを使って勝負を挑む。双方ほぼ同時に決戦エリアに入り、建物の上部で有利な位置を探りあう。そしてZerOの先制攻撃が決まり、satukiがいったん引く形となったが、ZerOの次の動きを読んで着地を狙っての撃ち合いを制し、世界最強プレイヤーを倒して準決勝進出を決めた。
◆12回戦 HammerDrill VS Right
『TAIMAN+』ルールを深く理解し、優勝候補も下した新鋭Rightの前に「四天王」HammerDrillが立ちはだかる。双方共にマッドマギーを選択しての戦いは、建物の上下を行き交いながらのせめぎ合いの末に、近距離でのショットガンの撃ち合いに持ち込んだHammerDrillが乱戦を制して準決勝進出を決めた。
撮影:小柴樹
一瞬の判断が勝負を左右する、緊迫感あふれるタイマン勝負が終わり、いよいよ残すは準決勝と決勝の3試合のみ。四天王二人に古豪、そして世界最強が揃い踏みとなった準決勝からは、二本先取で勝負が決まる三本勝負マッチに。
◆準決勝第1試合 ImperialHal VS YukaF
撮影:小柴樹
Team Falconsのチームメイト二人が脱落したことで「リスペクトの精神はひとまずおいて挑んでいく」と語るImperialHalに、彼のプレイから様々なものを吸収してきたというYukaFの対決となった準決勝第1試合。ImperialHalはマッドマギー、YukaFはオクタンを選んでの一本目は、的確にダメージを与えながら距離を詰めてくるImperialHalを、オクタンならではのジャンプ力で上空から狙い撃ってYukaFが一勝。
二本目もImperialHalはマッドマギーで継続。一方YukaFは物体を通り抜けられるポータルなどを作成できるオルターへとチェンジ。ポジションの上下をめまぐるしく入れ替えながら攻め込むImperialHalが屋内で一気に距離を詰めての近接戦を制して一勝。
試合は三本目にもつれ込み、双方共に使用レジェンドは継続。物体を通り抜けられるポータルなどを使いながら有利なポジションを取るYukaFだったが、それを逆手に取りながら屋内戦へと持ち込んだImperialHalが果敢に攻め込んで逆転勝利を決めて、決勝一番乗りを決めた。
◆準決勝第2試合 satuki VS HammerDrill
撮影:小柴樹
同じNOEZ FOXXのチームメイトで、高火力と巧みな戦術で勝利を掴むという似たタイプの二人が激突。satukiはアッシュ、HammerDrillはマッドマギーとここまで使い続けたレジェンドを替えることなく勝負に挑む。
一本目は空から決戦エリアに入ってきたsatukiと先にポジションをキープしていたHammerDrillが互いに狙い撃つという火力の応酬からスタートし、ロングレンジの銃撃戦からのせめぎ合いを制したHammerDrillが一本先取。
そして遮蔽物の多い「母艦」での戦いとなった二本目も、お互いが積極的に責め合った結果、HammerDrillがストレート勝ちを収めて、皇帝ImperialHalとの決勝戦に挑むこととなった。
◆決勝戦 ImperialHal VS HammerDrill
撮影:小柴樹
緊迫感あふれるタイマン勝負が繰り広げられたトーナメントもいよいよラストマッチ。「皇帝」VS「破壊神」の日米対決で記念すべき『TAIMAN+』初代王者が決まることに。
双方共にマッドマギーを選んでの一本目は、お互いに積極的に踏み込んでの銃撃戦に。そしてHammerDrillがアルティメットアビリティ「レッカーボール」を放ったタイミングでImperialHalが一気に距離を詰めての銃撃で一本目を先取。
そして二本目は互いに距離を取ってのヒリつくようなスナイプの応酬から、ImperialHalが積極的に距離を詰め、レッカーボールを放って牽制しながらの連射でHammerDrillを捉えて、ストレート勝ちで「TAIMAN+」初代王者の栄冠をつかみ取った。
撮影:小柴樹
試合を終えたImperialHalは最初こそ一人で戦う『TAIMAN+』スタイルに緊張したものの、その後は自分らしく戦えたと喜びを語り、応援してくれたファンと招いてくれた大会主催者に感謝の言葉を送った。そして次に来日する札幌ドームでの世界大会について、また日本を訪れることへの嬉しさと優勝できることを楽しみにしていますと自信を語った。
そして準優勝のHammerDrillは「ImperialHalと戦えることがあるとは思っていなかったので、光栄で楽しかったけど悔しい」と語った。
撮影:小柴樹
チャンピオンリング贈呈のためにステージに上がったプロデューサー・秤谷建一郎氏は「『TAIMAN+』を企画したときに一番呼びたかったのがImperialHalだったので、彼の参戦と優勝は本当に嬉しい」と喜びを語った。そしてImperialHalからの『TAIMAN+』形式はとてもいいと思うし楽しめたというコメントに次回もディフェンディングチャンピオンとしての参加をオファー。ステージ上の平成ノブシコブシ・吉村から「呼ばない方がいいよ、強いもん」と突っ込みが入る一幕も。そして日本勢かつ四天王として最後まで残り盛り上げてくれたHammerDrillへの感謝の言葉が送られた。
撮影:小柴樹
3人チームの時とは違った選手達のストイック表情や、選手個人にスポットが当たる『TAIMAN+』ならではの面白さで盛り上がった第一回大会。がんばっている選手達の掘り起こしやeスポーツの新たな盛り上がりへと繋がる可能性に満ちた大会となった。ぜひ第二回大会では、日本からImperialHalを倒せる選手に現れることを期待したくなる二日間となった。
取材・文:斉藤直樹 撮影:小柴樹