【中銀チェック】追加利下げはほぼ確実=ECB理事会

 17日に欧州中央銀行(ECB)理事会の結果が発表されます。
政策金利は引き下げがほぼ確実視されています。前回9月から連続での利下げとなります。6月に今回のサイクルで初めてとなる利下げを実施。7月の据え置きを交えて、今年3度目の利下げということになります。預金ファシリティ金利の利下げ幅はこれまで同様に0.25%となる見込みです。なお、主要政策金利(リバースレポ金利)、限界ファシリティ金利は前回0.6%の引き下げとなりましたが、これは今年3月に決定した預金ファシリティと主要政策金利の金利差を9月の会合で0.25%まで縮めるという方針に沿ったものです。

 1日に発表された9月のユーロ圏消費者物価指数は前年比1.8%とインフレターゲットである2.0%を下回ってきています。9月30日に発表されたドイツの9月消費者物価指数もEU基準が前年比1.8%、国内基準では1.6%まで低下しました。また9月27日に発表されたフランスに至ってはEU基準が1.5%、国内基準が1.2%まで低下しています。こうした物価の鈍化が継続的な利下げの期待につながっています。

 一部参加者には慎重姿勢が見られますが、加盟主要国は利下げに同意する姿勢を示しています。そのため利下げは確実視されています。前回会合の議事要旨でも示されたユーロ圏経済の厳しい状況と先行きの下方向リスクの高い不透明感から、利下げが必要という見方が強まっています。

 市場では12月の会合でも利下げを見込む動きが広がっているほか、来年春まで利下げを連続で続けるとの見方がかなり強くなっています。声明や会合後のラガルド総裁の会見でどこまで利下げに向けた姿勢が示されるかがポイントとなりそうです。基本は今後のデータ次第との姿勢を維持するとみられますが、景気を慎重にみている印象を与えるようだと、利下げ期待拡大によるユーロ売りが見込まれます。

 この場合、米国の大幅利下げ期待後退の流れもあり、ユーロドルでのユーロ売りドル買いが進む可能性が高いとみています。ユーロ円はドル円などでの円売り次第の面が大きくなりそうです。

MINKABUPRESS 山岡