問題作『ジョーカー2』ついに日本公開! - ジョーカーの吹き替えを担当した平田広明

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 映画『ジョーカー:フォリ・ア・ドゥ』(10月11日全国公開)で主人公アーサーの日本語吹替声優を務めた平田広明が10日、丸の内ピカデリーにて行われた公開前夜祭ジャパンプレミアに出席。本作の評価が全世界で賛否真っ二つとなっている状況に対する見解を語った。この日は、同じく日本語吹替声優の平田広明(ジョーカー役)と村中知(リー役)との山田裕貴(ハービー検事役)も来場した。

 本作は、コメディアンを夢見る孤独な男アーサー(ホアキン・フェニックス)が、“悪のカリスマ”へと変貌した『ジョーカー』(2019)の続編。前作から2年後を舞台に、理不尽な世の中の代弁者として時代の寵児となったアーサー/ジョーカーの裁判が描かれる。

 アメリカでは、現地時間10月4日に劇場公開を迎えると、オープニング興行収入は前作を大きく下回る3,767万8,467ドル(約55億円)という数字に(数字は Box Office Mojo 調べ、1ドル145円計算)。海外メディアでは絶賛と酷評の真っ二つに分かれており、日本の観客の反応が注目されている。

 平田は、作品の評価が割れていることに対して「そういう情報があるのは知っています。それを聞いて『だろうな』と思いました」と切り出し、「とても稚拙な解釈で申し訳ないんですけども……」と前置きした上で自身の見解を明かした。

 「前作は『もしもジョーカーにクソリアルな生い立ちがあったとしたら?』みたいな感じで作り上げた作品という解釈だったんですね。 だから、すごくリアルだし、ああいう状況で病気を抱えて、ああいう風に虐げられて生きてたら、なんかのスイッチが入って(アーサーがジョーカーになる)ということに、すごく共感を得てヒットしたと思うんです」

 「今作は『みなさんが共感したジョーカーの闇の深さが、思ったより深かったら?』っていうところだと思うんです。だから、(前作のようにマーレイを)バーンって撃つような衝撃的なシーンはあまりないけど、観れば観るほど深みにはまっていく感じがします」

 アフレコのリハーサル用に観た時と試写で観た時とでは、印象が全く違ったという平田は「(鑑賞後に)宿題が増えた」と表現。「みなさん解釈が違うし、1回観ただけじゃわからないというのが正直なところ。1回でわかる人っていないと思うんです」という平田のコメントに、村中も山田も納得の表情を見せていた。

 さらに、前作『ジョーカー』の時点で観客の感想が「みんな違う」と続けた平田。「(続編を観る段階で)すでにスタート地点が違うので、フラットで観ることなんかできないですよね。前作の印象があった上で、自分の観たい観方をすると思うんです。だから、1の時は私とあなたで感想が違ったけど、 2を見終わったらもっと離れていたり、逆に近寄ったりっていうのはあるかもしれない。それも、1回観た時はこうだったけど、2回観たら(意見が)変わったとか、 感想が逆転したということかもしれない。僕はもう2〜3回観ないとわかりません」と続けていた。(取材・文:編集部・倉本拓弥)