国家公務員の「1年目」と「定年時」では、年収の差はどれくらいある?定年引き上げで 60歳以降の「給与」はどうなる?

写真拡大 (全2枚)

収入面で安定しているイメージのある国家公務員ですが、新卒1年目と定年時の年収の差は、どのくらいなのでしょうか。就職してから定年まで安定して稼ぐことができれば、ある程度の生活水準を保ちつつ、教育資金・老後資金・住宅資金など、人生において必要な資金を備えられるでしょう。 そこで今回は、国家公務員の平均年収や、1年目と定年時の年収の差について調べました。国家公務員の定年が段階的に引き上げられることに伴い、60歳以降の給与はどうなるかについてもご紹介しますので、参考にしてください。

国家公務員の平均年収

内閣官房内閣人事局の「国家公務員の給与(令和6年版)」によると、国家公務員の人数は約59万3000人で、内訳は一般職が29万5000人、特別職が29万8000人です。国家公務員の給与は法律に基づいて定められているため、高水準で安定した収入が期待できるでしょう。
国家公務員の職種は多様であり、職務・勤務条件によっても年収が異なります。「一般行政事務職員等(平均42.4歳)」の平均給与は、40万4015円となっています。一般職員の場合、ボーナスが年間4.5ヶ月分支給されるため、年収に換算すると、平均年収は約666万6248円です。
 

国家公務員の1年目と定年時の年収は?

では、国家公務員1年目の年収はどのくらいなのでしょうか。学歴によっても金額は異なりますが、内閣府によると、一般職の大卒程度試験採用者の給与は24万2640円とのことです。これに4.5ヶ月分のボーナスを加えて年収を算出すると、400万3560円になります。
定年時の年収については、内閣官房内閣人事局の「国家公務員の給与(令和6年版)」を参考にしました。60歳に達した職員の給与は、非管理監督職である本府省課長補佐級の場合、41万1300円です。この金額を基に年収を計算すると、678万6450円になります。
なお、管理監督職である本府省課長級の給与は51万1500円であるため、年収に換算すると843万9750円です。
国家公務員1年目と定年時の年収を比較すると、役職の有無にもよりますが、278万2890円~443万6190円の差があることが分かります。
 

定年が引き上げられる!? 60歳以降の給与はどうなる?

改正前は、国家公務員の定年は原則60歳でしたが、段階的に65歳まで引き上げられることになりました。令和5年4月から2年に1歳ずつ定年を引き上げるため、令和13年4月には65歳で定年となります。60歳を超えた職員の給与については、当分の間、60歳時点の7割水準と定められました。
非管理監督職の場合は、60歳時点の給与が41万1300円であれば、60歳に達して最初の4月1日からは、7割に相当する28万7900円ほどとなります。
一方、管理監督職の場合は、60歳の誕生日時点で役職定年が適用されて、51万1500円だった給与が41万1300円となります。しかし、60歳に達して最初の4月1日に、7割相当に下がることはありません。「後任に伴う降格分に相当する額(管理監督職勤務上限年齢調整額)」が支給されるためです。そのため、役降り前の7割相当である35万8100円となります。
 

国家公務員「1年目」と「定年時」の年収差は役職の有無により278万2890円~443万6190円

国家公務員の1年目の年収は、一般職試験採用者(大卒程度)で400万9500円です。
定年時の年収については、非管理監督職では本府省課長補佐級で678万6450円、管理監督職の場合は本府省課長級で843万9750円です。
これを基に国家公務員の1年目と定年時の年収を比較すると、役職の有無にもよりますが、278万2890円~443万6190円の差があることが分かります。
国家公務員の平均年収は、平均42.4歳で約666万6248円です。定年まで安定して稼げるだけでなく、定年の段階的引き上げにより65歳まで仕事を続けられる見込みです。60歳以降は、給与が60歳の誕生日時点の7割となりますが、それでも比較的安定した収入が得られるでしょう。
 

出典

内閣官房内閣人事局 国家公務員の給与(令和6年版)(1、11、17ページ)
内閣府 採用関連情報 Q4.給与はいくら支給されますか?
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー