田崎史郎氏

写真拡大

 政治ジャーナリストの田崎史郎氏が10日、テレビ朝日系「羽鳥慎一モーニングショー」に出演。衆院解散で、石破茂首相が定めた勝敗ラインについて言及した。

 番組では、9日に衆院が解散され、石破首相は勝敗ラインについて「自公で過半数」と設定したことについて取り上げた。

 田崎氏は「歴代政権は、“自公で連立を組んでいるから、自民党単独じゃなくて、公明党も含めた数で過半数取ればいいでしょ”というのが、勝敗ラインとして堅持したことなんですね」とこれまでの自民党政権が掲げてきたラインと同じだと説明した。

 しかし、今回は裏金事件の大逆風が吹き荒れる中での総選挙で、「これまでは、“(ハードルが)ちょっと低いんじゃないの?”と我々は思った。自公で過半数取るのが当たり前の様相だった。今回は自公で過半数取れるのかなというぐらい厳しい選挙になっていると思います」と指摘した。

 現有議席は自民党が256議席、公明党が32議席で合わせて、288議席と、過半数の233議席を大きく上回っている。「今回(非公認問題)のことで自民党で主流派と非主流で対立関係が非常に険しくなっていて。自公で過半数となった場合、公明党が20議席半ばを取ると仮定したら、(自民が)50議席減らしても、自公過半数っていうことになりかねないんですよ。それで、非主流の人たちは容認するだろうか?いろんな動きが出てくるんじゃないかと思います」と、これまでは容認されてきた低い勝敗ラインも通用しなくなると予測した。

 石破首相が衆院選後、影響力を保つためには、「一番持ちうるのは、自民党だけで過半数取ることです。自民党で単独過半数を取れば、これは文句なしです」と、20議席程度の減少に抑えることが必要だと指摘した。