今季就任のポポヴィッチ監督が解任。「最後までやりきれなかったことは非常に残念ですが、クラブの決断を尊重します」とコメント。写真:金子拓弥(サッカーダイジェスト写真部)

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 鹿島アントラーズがランコ・ポポヴィッチ監督の解任と、強化責任者の吉岡宗重フットボールダイレクターの退任を発表。OBの名良橋晃氏も、古巣の現状を憂いた。

 YouTubeチャンネル『名良橋さんの大悟味ちゃんねる』で、名良橋氏は「驚きも何も、衝撃が僕の中では走りました。ものすごいインパクトがありました」と心境を明かす。

 10月5日に行なわれたJ1第33節でアルビレックス新潟に4−0で完勝し、7試合ぶりの白星を挙げていた鹿島。だがその翌日にまさかの解任劇。名良橋氏は「やっぱり未来というか、そういうところが見えなかったのかな」と想像する。

「このまま継続しても、ビジョンが見えなかったから、思い切ってここはクラブとして決断したんじゃないかなと思います」
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 吉岡氏は2022年から強化責任者を務めてきた。同年にレネ・ヴァイラーを招聘したが、夏に双方合意のもとで契約を解除。OBの岩政大樹を後任に据える。だが、岩政体制でもタイトルは獲得できず、昨季限りで契約満了となり、今季にポポヴィッチ監督を迎え入れた。

 ポポヴィッチ監督と吉岡氏は大分トリニータ時代にも共闘した間柄。そうした関係性も踏まえて、名良橋氏は次のように語る。

「ポポヴィッチ監督を使うってなった段階で、吉岡さんもたぶん覚悟を持ってたと思うんですよ。結果が出なかったら辞めるというか。現状、苦しいチーム事情だったので、クラブがこういう決断をしたんじゃないかな」

 2018年のACL初制覇で随一の“20冠”を果たした鹿島だが、以降はタイトルから遠ざかっている。今季はルヴァンカップ、天皇杯はすでに敗退。リーグでは4位につけるが、消化試合が1つ少ないものの首位のサンフレッチェ広島とは勝点12差。逆転優勝の可能性は低くなり、来季の編成も始まるだろうタイミングで、クラブも思い切ったアクションを起こしたのかもしれない。

 なお、鹿島は9日、中後雅喜コーチの監督就任、中田浩二プログループマネージャーのフットボールダイレクター就任、本山雅志アカデミースカウト、クラブOBの羽田憲司氏のトップチームのコーチ就任をあわせて発表した。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部