「グッド!モーニング」(テレビ朝日のHPより)

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 10月に入り注目されていたのが、テレビ朝日の朝の情報番組「グッド!モーニング」のリニューアルだった。9月末をもって各曜日を担当するスポーツコメンテーターがすべて卒業したため、今度は誰になるのかと思ったら――。

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 9月末の「グッド!モーニング」は慌ただしかった。

 9月23日(月)は「グッド!モーニング」の前身番組「やじうまテレビ!」時代から11年半にわたってスポーツコメンテーター(「やじうま」では“元気請負人”)を担当した元プロサッカー選手・福田正博(57)の卒業が発表された。

 24日(火)は小椋久美子と共に“オグシオ”で親しまれた元バドミントン選手・潮田玲子(40)が卒業。

グッド!モーニング」(テレビ朝日のHPより)

 25日(水)は元水泳選手でシドニー五輪メドレーリレー銅メダリスト・田中雅美(45)が卒業。

 26日(木)は元バレーボール全日本男子代表で現在は日本バレーボール協会の会長・川合俊一(61)が卒業。

 27日(金)は元卓球選手でロンドン五輪女子団体銀メダリスト・平野早矢香(39)が卒業――と、この週は卒業ウィークとなった。民放プロデューサーは言う。

「一斉にスポーツコメンテーターが卒業したことで、業界では10月からの新メンバーが注目されていました。ところが、10月に入っても新たなコメンテーターは紹介されないまま。どうやら、『やじうま』の頃から続いたスポーツコメンテーター制は廃止されたようで、ちょっとびっくりしました」

制作費に厳しいテレ朝

 2013年10月にスタートした「グッド!モーニング」は、当初こそ視聴率が上がらなかったものの徐々に数字を上げていき、昨年10月クールでは午前7時台の個人全体平均視聴率が4・5%を記録(ビデオリサーチ調べ、関東地区)、初めて同時間帯で民放横並びの単独トップを獲得したことが報じられた。数字はいいのに、なぜレギュラー陣を縮小するのだろう。

「『グッド!モーニング』は平日の放送だけでなく、今年3月30日から土曜版も始まり、さらに、10月6日からは日曜版もスタートすることになりました。つまり1週間、全曜日の放送となります」

 むしろ調子の良さを象徴する編成と言えるのではないか。

「『グッド!モーニング』に限った話ではありませんが、ドラマやバラエティーなど全ての番組で制作費が削減されている中、情報ワイド番組の制作費削減は厳しめと言われています。その影響は人員不足、取材不足に表れているのですが、中でもテレ朝は制作費に厳しい局と言われています。世帯や個人の視聴率が取れても、スポンサーが重視するコア視聴率(13〜49歳の個人視聴率)が取れていないことが原因と言われています。ひょっとすると『グッド!モーニング』は、放送曜日は増えたにもかかわらず、制作費が削られているのではないかという声もあるほど……」

 そのしわ寄せが、スポーツコメンテーターの削減につながったということか。

「朝の情報ワイド番組には、日本テレビの『ZIP!』やTBSの『THE TIME,』、フジテレビの『めざましテレビ』にも曜日ごとのレギュラーコメンテーターがいますが、彼らはどんな話題でもコメントしています」

 スポーツコメンテーターを曜日ごとに起用していたのは『グッド!モーニング』だけだった。

コメンテーターを見直すきっかけに

「彼らはそれぞれ専門分野のスポーツのニュースがあるときにはしっかり解説していましたが、スポーツニュース以外でコメントしていた印象は薄い。スポーツコメンテーターはほとんど機能していなかったと言っていいでしょう。オリンピック期間中でもないのに毎日、毎日、よくこれだけ使っていたなというのが正直なところです」

 同じテレ朝でも「グッド!モーニング」の後に放送している「羽鳥慎一モーニングショー」は、パリ五輪の期間中のみユニークな解説者を立てていた。それに関しては、8月9日配信のデイリー新潮「【パリ五輪】『情報番組』戦争は『羽鳥慎一モーニングショー』の圧勝 “人気俳優に卓球通のピン芸人”…『異色すぎる解説者の人選がハマっていた』」で報じた。

「今後は『グッド!モーニング』もスポーツの結果などを“ニュース”として伝え、深掘りするネタの時には特別に解説者を招くことになるのでしょう。これを機に他局でもコメンテーターを見直す番組が出てくるかもしれません」

 一方、テレ朝では、有働由美子アナ(55)がメインキャスターを務める報道・情報番組「有働タイムズ」が10月6日にスタートする。番宣を見る限り、“ナスD”こと友寄隆英ディレクターと米国グランドキャニオンに行ったり、大谷翔平が所属するドジャースタジアムの前でテンションを上げる彼女の姿が映し出されたりしている。こちらの制作費は使い放題なのだろうか。

「『有働タイムズ』の場合、有働アナ以外の出演者は、局アナやテレ朝関係者が中心です。ナスDもテレ朝の社員ですし、コメンテーターの千々岩森生さんは同局の政治部官邸キャップ、準レギュラーの玉川徹さん(61)も昨年まで社員でした。スポーツキャスターの元プロビーチバレー選手・浅尾美和さん(38)、お天気コーナーの片岡信和さん(39)はフリーですが、いずれもテレ朝でレギュラー番組を持っているので、ギャラ交渉もしやすかったはずです。つまり、有働アナ以外はしっかりとギャラが抑えられています」

 はたして、「グッド!モーニング」の節約リニューアル、「有働タイムズ」のひとり豪華は、どちらに軍配が上がるのだろう。

デイリー新潮編集部