Apple Storeで端末を買う人も増えたが、主流は依然としてキャリアショップだ(筆者撮影)

iPhone 16をどこで買おうか。大きく分けるとアップルの直販で購入するか、キャリアから購入するかの2種類がある。現在、すべてのiPhoneはSIMフリーで販売されているため、どこで買っても同じiPhoneであり、購入後の回線変更も自由だ。

Apple Storeでの購入は、専門スタッフによる詳細なサポートが魅力。アップル独自の分割払いプランは、キャリア契約よりもシンプルな形で利用できる。一括で支払う場合、本体価格はキャリア版よりも安くて済む。

キャリアショップで買う最大のメリットは“端末購入補助プログラム”だ。分割払いを前提とし、一定期間後に端末を返却すれば残債が免除される仕組みで、新機種への乗り換えも容易に行える。ただし、審査が必要で、返却時に追加費用が発生する場合もある。

修理対応などのサポートは、購入場所に関わらずアップルが請け負う。故障や紛失時に備えるなら、有料の保証プログラムがおすすめだ。AppleCareは、同社が提供する標準的な有料保証プログラムで、購入場所に関係なく加入できる。また、一部のキャリアはAppleCareの内容を拡張した独自の補償プログラムも提供している。

Apple Storeで買うメリット

Apple StoreでiPhoneを購入する際、スムーズに手続きを進めるため、オンラインでの事前予約しておくのがおすすめだ。店頭での待ち時間を大幅に減らせる。希望のモデル、容量、カラーを選択し、来店日時を指定すれば、店舗に到着したときにはスタッフが準備を整えて待っている。混雑時でも効率よく手続きを進められる。

特に新iPhone発売日は、事前予約は必須だ。発売日に店頭に並ぶ人の多くは予約済みの人であり、予約なしでの当日購入は困難だ。

オンライン予約のやり方は簡単。公式サイトで機種や支払い方法を選び、受け取り日時を指定するだけだ。受け取り時は注文確認メールと身分証明書が必要となる。

支払いは一括・分割に加え、「ペイディあと払いプランApple専用」も利用可能。クレジットカード不要で最大36回払い、条件により分割手数料0%になる画期的なサービスだ。

購入費用を抑えるには「Apple Trade In」サービスも活用したい。旧製品の下取りで新規購入価格を割引、またはApple Gift Cardとして還元してくれる。3〜4年前のモデルでも3万円程度の下取り価格がつくことも多い。


ドコモショップで買う場合

ドコモには、iPhoneの購入をサポートする「いつでもカエドキプログラム」「いつでもカエドキプログラム+」と、端末保証を提供する「smartあんしん補償」が用意されている。

「いつでもカエドキプログラム」はドコモの購入サポートプログラムで、端末を返却することを条件に、残債を免除する仕組み。最大48回(24回+24回)の割賦契約を前提としている。最初の24回は通常の分割払いで1回目から23回目までの支払いを行い、24回目に設定された残価を一括で支払うか、返却することで残価の支払いを免除するかを選ぶ。

「いつでもカエドキプログラム+」は12ヵ月目から22ヵ月目の早期返却が可能で、このプログラムを利用すれば、1年ごとに最新モデルへ乗り換えられる。早期返却時は返却後の支払金と残価が免除されるが、早期利用料の支払いと「smartあんしん補償」への加入が必須となる。対象機種は「iPhone 16 Plus」「iPhone 16 Pro」「iPhone 16 Pro Max」で、「iPhone 16」では選択できない。

「smartあんしん補償」は、故障時の修理代金を上限1万2100円に抑え、紛失時には交換機を提供する。iPhone 16シリーズの場合、月額料金は1100円。

「いつでもカエドキプログラム+」を利用すると、iPhone 16 Pro(128GB)を12ヵ月で返却した場合、1年間の分割支払金が3万7812円、早期利用料の1万2100円と「smartあんしん補償」の1万3200円を加えて、実質負担額が6万3112円になる。

なお、ドコモオンラインショップでは、「いつでもカエドキプログラム」を利用する場合、オンラインショップ限定の5500円割引が適用される。


分割支払金(24回以降):24回目以降の支払いに再分割した場合の金額。

実質負担額(12回):12ヵ月間の分割支払金の合計、早期利用料1万2100円、「smartあんしん補償」の1年間分の費用を含んだ金額。

実質負担額(24回):23ヵ月間の分割支払金の合計と「smartあんしん補償」の4ヵ月分の費用を合算した金額(24回目の残価が免除された際の金額)。

iPhone 16 Pro(128GB)の実質負担額の構造

12ヵ月後に返却する場合は、24回の分割払いを組み、12ヵ月後に早期返却利用料を支払う形になる。12ヵ月間の分割支払金の合計は3151円×12カ月で3万7812円。早期利用料が1万2100円かかる。

なお、このプログラムは「smartあんしん補償」への加入が必須で、その費用は月額1100円で12ヵ月間合計すると1万3200円となる。これらの費用を合計すると、12ヵ月後に端末を返却した場合の実質負担額は3万7812円(分割支払金) + 1万2100円(早期利用料) + 1万3200円(smartあんしん補償)=6万3112円。12ヵ月後に端末を返却することで、残りの分割支払金と24回目の残価の支払いが免除されるため、負担額を抑えつつ最新機種に乗り換えられるのがメリットだ。

iPhone 16 Proを2年間(24ヵ月)利用し、23ヵ月目までに端末を返却する場合、早期利用料は発生しない。この場合の実質負担額は、1〜23カ月目までの分割支払金の合計となり、3151円×23カ月で7万2473円になる。また、「smartあんしん補償」の月額1100円の費用が24ヵ月分となり、合計で2万6400円となる。したがって24ヵ月後に端末を返却する場合の実質負担額は7万2473円(分割支払金) + 2万6400円(smartあんしん補償)=9万8873円。この場合、24回目の残価支払いが免除され、2年後に新モデル(iPhone 18?)に乗り換えやすくなる。


12ヵ月後返却時:1年間の分割支払金3万7812円+早期利用料1万2100円+smartあんしん補償 1万3200円=6万3112円。

24ヵ月後返却時:早期利用料はかからず、23ヵ月分の分割支払金7万2473円+smartあんしん補償 2万6400円=9万8873円。24ヵ月目の残価支払いが免除される。

auショップで買う場合

KDDI・沖縄セルラー電話(au)の 「スマホトクするプログラム」は、スマートフォンを分割払いで購入し、早期に端末を返却することで支払い総額を抑えられるプログラム。最大48回(24回+24回)の割賦契約が前提で、最初の24回は通常の分割払いだ。13ヵ月目から25ヵ月目の間に端末を返却すると、最終回(24回目)の支払いが免除される。このプログラムにより、支払い総額を大幅に軽減することが可能だ。

25ヵ月目以降も端末を使い続けたい場合は、最終回の支払い分を再度24回に分割して支払える。この方式により、48回払いで端末を完全に所有する選択肢も残される。


auショップ外観(筆者撮影)

au Online Shopでは新規契約、機種変更、他社からの乗り換え(MNP)すべてに5500円のオンラインショップ限定割引が適用され、店頭よりもお得に購入できる。

なお、端末の返却には条件がある。故障や破損がある場合は、特典の適用が受けられず、最大2万2000円の故障時利用料が発生する可能性がある。また、プログラムの利用料は無料だが、対象機種の“購入時”に加入する必要がある(後から契約できない)。au回線の有無にかかわらず利用でき、回線解約後もプログラムを継続可能だ。

補償プログラム「故障紛失サポート ワイド with AppleCare Services & iCloud+」への加入は必須ではないが、加入していない場合、故障時の返却に2万2000円の費用が発生する。補償プログラムの月額料金は、iPhone 16 Proシリーズが1980円、iPhone 16と16 Plusが1780円。このプログラムに加入することで、故障時のリスクを軽減し、より安心してプログラムを利用できる。


ソフトバンクショップで買う場合

ソフトバンクでは、iPhone 16を14万5440円から販売している。購入補助プログラムの「新トクするサポート(プレミアム)」を利用すると、購入後1年経過後にオプション利用料を支払って端末を返却することで、残りの分割支払金の支払いが不要になる。


ソフトバンク直営店の外観(筆者撮影)

注目は、iPhone 16 の128GBモデルの当初12ヵ月間の分割支払金が毎月わずか3円に抑えられている点だ。この機種の1年後返却までの実質負担額は3万7236円となり、ユーザーは実質的に保証サービスの利用料と早トクオプション利用料だけで1年間、最新のiPhoneを利用できる。

この仕組みにより、初期費用を大幅に抑えつつ、常に最新のiPhoneを手にできる。ただ、このプログラムを利用するには「あんしん保証パックサービス」への加入が必須だ。月額料金は機種によって異なるが、iPhone 16の場合は1450円。

ソフトバンクも「オンラインショップ割」、さらに「U22オンラインショップ割」を提供している。これらの割引は、ソフトバンクオンラインショップで「のりかえ(MNP/番号移行)」を利用してiPhone 16シリーズを購入する場合、または5歳から22歳以下の人が新規契約で購入する場合に適用される。割引を受けるためには購入時に「自宅等で受け取る」を選択することが条件だ。店舗受け取りサービスを利用する場合、対象外となる。

iPhone 16シリーズの割引額は2万1984円(1832円×12回)で、店頭よりお得に最新iPhoneを入手可能だ。ただし、最安モデルである128GBのiPhone 16は、対象外となっている。


12ヵ月利用時の実質負担額:初回12ヵ月間の分割支払金、早トクオプション利用料、あんしん保証パックサービスの料金を含む。

iPhone 16(128GB)の実質負担額の構造


初回12ヵ月間の分割支払金は、毎月3円とタダ同然。13ヵ月目以降は分割支払金が毎月3039円になるが、1年後に端末を返却する場合、この13ヵ月目以降の支払いは不要となる。

ユーザーは1年間で合計3万7236円支払うことで、最新のiPhone 16を利用できるのだ。この金額は主に保証サービス料と早トクオプション利用料で構成されている。

楽天モバイルで買う場合

楽天モバイルは「買い替え超トクプログラム」を購入補助プログラムとして展開している。48回払いの分割購入を前提とし、25ヵ月目以降に端末を返却すると、残りの支払いが免除される仕組みだ。例えば、iPhone 16(128GB)をこのプログラムで購入し、25ヵ月目に返却した場合の実質負担額は7万4188円となる。


楽天モバイル店舗外観(筆者撮影)

端末の返却時には、事務手数料として3300円が必要。故障や破損がある場合は、最大2万2000円が別途発生する。楽天モバイルの「故障紛失保証 with AppleCare Services & iCloud+」に加入することで、故障時の負担を軽減できるため、端末を落としがちな人は検討しよう。


分割支払金(1回目〜47回目):1回目から47回目までの毎月の支払い金額。
分割支払金(48回目):48回目の支払いは最終回の残額で、返却しない場合に支払う額。
返却時の手数料:端末を返却する際にかかる3300円の手数料。
実質負担額(25ヵ月返却時):25ヵ月目に端末を返却した場合の実質負担額で、24回分の分割支払金と返却時の手数料を合計した金額。

総括すると、iPhone 16をずっと使うか、1年くらい使うかで、最適な選択肢が異なってくる。最新モデルの中で、最も安価なiPhone 16(128GB)を例に見てみよう。

Apple Storeでは12万4800円〜と、どのキャリアよりも割安だ。最大36回までの分割払いが利用可能で、キャリア契約に縛られない自由さがある。Apple Trade Inによる下取りも念頭に入れて検討しよう。

2年以上使って最新機種に乗り換える場合、キャリアの各種プログラムがお得だ。 ドコモの「いつでもカエドキプログラム」を利用すると、実質負担額が23回払いで約5万円。au「スマホトクするプログラム」では13ヵ月後に返却する前提で実質負担額を約5.8万円に抑えられる。ソフトバンクの「新トクするサポート」なら、初期12ヵ月の分割支払いを月額3円で済ませられる。実質負担額も12ヵ月利用時で、補償サービス含め約3.7万円だ。 楽天モバイルの「買い替え超トクプログラム」は、実質負担額が25ヵ月後返却で約7.4万円。他社と比べるとやや高めだが、楽天経済圏のポイント還元などのメリットも忘れてはならない。


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(石井 徹 : モバイル・ITライター)