特殊清掃人が語る“自殺した部屋”に共通している特徴。オカルト的な出来事に遭遇することも

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 年間の自殺者数は2万1818人。部屋で自ら命を断ち誰にも発見されず孤独死になってしまった部屋は数多くある。それらを清掃するのが特殊清掃業者の仕事だ。何やら自殺現場にはとある特徴があるという。
 都内を中心にさまざまな現場で特殊清掃を手がけるブルークリーン株式会社で働きながら、特殊清掃の実態を伝える登録者5万3000人以上のYouTubeチャンネル「特殊清掃チャンネル」を運営している鈴木亮太さんに自殺現場の特徴と、現場で目撃したふしぎな出来事について聞いた。

◆自殺現場の特殊清掃は月1、2件

 特殊清掃業務の中で、月に1、2件は自殺現場に遭遇するという。

「家で自死を選び、誰にも気づかれず腐乱してしまい、遺体がなくなったあとに後始末をするのが我々の仕事なのですが、自殺現場の特徴として物が最小限に片付けられているんですよ。

 セルフネグレクトのような、物が散乱している現場もありますが、死後にしみ出した体液が床に漏れないようにブルーシートが敷いてあるような丁寧な現場が多いです。自殺の方法としては首吊りか、練炭での一酸化炭素中毒が主流です。なるべく誰にも迷惑をかけないように工夫されていることが多いですね」

 自殺現場が片付いている確率は7割ほどだという。

「変わった現場だと睡眠薬などの過剰摂取で亡くなった現場もありましたね。風邪薬や処方箋薬のゴミが至る所に散乱していて、病院の診察券がたくさん置いてあるんです。

 おそらくいろいろな病院を回って、自殺できる量を集めたんでしょうね。壁にはサイケデリックなインドの神様っぽいポスターが貼ってあったりと不気味でした。なんだかアングラな雰囲気の部屋というか、宗教チックというか」

◆どうやって亡くなったのか不思議な現場も

 たくさんの自殺現場の清掃を担当してきたが、かなりインパクトのある現場に遭遇したことも。

「六芒星が床に広がっていてネズミの尻尾とかカラスの羽根とかが並べられていて、脇のベッドにご遺体がありました。もしかしてこの方は黒魔術を使って悪魔と契約したことにより亡くなったのではないかと思うほどでした。死因は謎で、薬を大量に飲んだ跡も感じられないし、首を吊った形跡もない。一体どうやって亡くなったのだろうかと不思議でした」

 警察が違法薬物など証拠となるものを押収していった可能性もあるが、現場だけを見ると何が死因なのかがさっぱりわからない。

「黒魔術に使用した動物の死骸が多かったので、適切な処置のしかたをしなきゃいけないので大変でしたね。依頼主の方もショックを受けているので、根掘り葉掘り聞くわけにもいかず。親族の方も疎遠で連絡をとっていなかったということもあり、真相は闇の中です」

◆自殺現場にはパターンがある

 自殺者数は年々減少傾向にあるはずなのだが、自殺現場の依頼が増えてきているため、鈴木さんの体感としては「自殺者数は増えているようにも感じる」と言う。

「この人はなぜ自死を選んだのだろうかと毎回考えます。仕事を探しているような求人のパンフレットがある家だと失業してつらくなったんだろうなと。こういう真面目な人は部屋がきちんと片付けられていることが多いです。だんだんと、自殺現場のパターンがわかってくるんですよ」

 自殺者には精神世界に傾倒するタイプの人間も多いそうだ。

「壁にも怪しげなポスターが貼ってあって、パソコンの上に『マリファナを合法化せよ』と手書きのメモが書いてある部屋はなかなかでしたね。おそらく何か違法薬物を摂取して自殺したんだろうと思うのですが……。もしかしたら死ぬ気がなかったけれども誤ってオーバードーズをしてしまった可能性もありますね。並んでいる本も精神世界系が多く、この人は自ら次の次元へと旅立って行ったのだろうと思いました」