「下肢静脈瘤」の手術は何日入院する? 費用や術後の注意点も医師が解説!

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「下肢静脈瘤」の手術は日帰りで対応できることはご存じですか? 手術の流れや費用の目安、術後の注意点についても「湘南平塚下肢静脈瘤クリニック」の秋好先生に解説していただきました。

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監修医師:
秋好 沢林(湘南平塚下肢静脈瘤クリニック)

1999年慶應義塾大学医学部卒業。慶應義塾大学病院、富士重工業健康保険組合太田記念病院(現・SUBARU健康保険組合太田記念病院)、独立行政法人国立病院機構栃木医療センター、さいたま市立病院、ハーバード大学医学部研究員、Massachusetts General Hospital、Brigham and Women's Hospital、平塚市民病院血管外科部長を経て、2017年5月「湘南平塚下肢静脈瘤クリニック」開院、院長就任。

編集部

下肢静脈瘤の手術の流れについて教えてください。

秋好先生

まずは手術の前にしっかり全身検査を行います。自分では下肢静脈瘤と思っていても、実はほかの疾患が隠れている場合もあるため、エコーやCTで確定診断をつけると共に下肢静脈瘤の分布や成り立ちも調べます。その後、手術の日程を予約・決定していただきます。手術は局所麻酔で行います。手術後はその足でご帰宅できますが、車の運転は避けた方が安心です。ご家族などに送迎していただくか、公共の交通機関をご利用ください。

編集部

シャワー・入浴、運動はいつから可能ですか?

秋好先生

シャワーは翌日から可能です。湯船に浸かるのは2日後からとなります。運動の強度にもよりますが、軽いウォーキング程度でしたら手術当日でも可能です。

編集部

術後には痛みなどが出ることもあるのですか?

秋好先生

はい。レーザーによる傷無し手術では少し遅れて痛みが出ます。ただし、痛みがいつ頃生じるかは個人差が大きく、年齢や静脈瘤の程度によっても異なります。一般に、若い方は術後数日して痛くなり始めます。また高齢の方は術後1~2週間で痛みが出始めます。痛みというよりも、軽度の違和感やつっぱり感を覚える方が多いですね。

編集部

痛みなどが出たときにはどうしたらいいですか?

秋好先生

痛みや違和感が生じるのは自然な経過なので、あまり気にしない方が良いでしょう。辛いようでしたら、痛み止めを飲めば解決すると思います。当院の場合、実際に痛み止めを飲む方の割合は半分程度です。

編集部

その後の通院は必要ですか?

秋好先生

静脈がきちんと焼灼できているか、合併症が起きていないかをフォローアップします。当院では念のため、術後翌日に超音波検査でチェックします。その後、一年後に術後の状況や合併症の有無を確認し、治療終了となります。

編集部

治療費の目安はどれくらいですか?

秋好先生

両足で約7~8万円程度(3割負担の場合)となります。

編集部

下肢静脈瘤の治療を検討する際、注意すべきことはありますか?

秋好先生

下肢静脈瘤は血管外科が本来の専門です。しかし、血管外科医は全国でも数が少ないのが現状。そのため内科、眼科、精神科など、専門外の医師が治療を行うケースなども見受けられます。それに伴ってか、トラブルになることも少なくありません。「そもそも本当に下肢静脈瘤なのか?」「ほかの病気の可能性はなかったか?」「手術法の選択は正しいのか?」「手術は適切に行われたか?」「術後のトラブルに適切に対応しているか?」など数々の点で疑問を覚えるケースもあるようです。下肢静脈瘤の手術を受ける場合には、血管外科医が専従している医療機関を選択してトラブルを避けることをお勧めします。

※この記事はMedical DOCにて【下肢静脈瘤の日帰り手術・当日の流れを医師が解説 レーザー治療とは?】と題して公開した記事を再編集して配信しており、内容はその取材時のものです。