世界で唯一の3ドル紙幣が存在するクック諸島で日本製公共バスに乗って魅力を探ってきた【インターリンク ドメイン島巡り 第49回「.ck」】
イギリスの海軍軍人で探検家のジェームズ・クックに発見されたクック諸島は、南太平洋に浮かぶ15の島々から成る国家であり、首都のアバルアがあるラロトンガは、大島渚監督の映画「戦場のメリークリスマス」のロケ地でもあるリゾート地です。 これまで犯罪多発都市や沈みかけの絶海の孤島、人よりホッキョクグマが多い世界最北の町などに弾丸現地取材してきた「ドメイン島巡り」の第49回目となる今回は、ラロトンガで島を一周している日本製の中古路線バスに乗って島の魅力を探ってきました。
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◆クック諸島はどこにあるのか?
クック諸島はニュージーランドから飛行機で4時間ほどの場所に位置し、フィジーとタヒチの間にあります。クック諸島の総面積は237平方kmで大阪市と同じくらい。使用されている通貨はNZドルです。
目次
◆合宿所みたいなホテル
◆中古の日本製公共バスに乗って島を一周
◆クック諸島の食事事情はこんな感じ
◆世界で唯一の3ドル紙幣を手に入れる方法
◆「.ck」のレジストリにあったメルヘンなパラボラアンテナ
◆街で見かけた「.ck」ドメイン
◆現地でのSIM購入&速度調査
◆合宿所みたいなホテル
ニュージーランドから約4時間のフライトを経てラロトンガ国際空港に到着。タラップを降り、蒸し暑い屋外を歩いて入国審査へ向かいます。
入国審査の前に職員から旅行の目的を詳細に尋ねられた後、ニュージーランドと同様にバイオセキュリティチェックが行われました。ニュージーランドではチェックカードの提出と口頭によるチェックがありましたが、クック諸島ではチェックカードの提出のみで済みました。
入国審査を終えるとウクレレの生演奏で入国を歓迎してくれました。
空港からホテルの送迎車で移動します。
5分ほどでセントラルモーテル(Central Motel)に到着。フロントはありません。ホテルのスタッフもいなかったためチェックイン作業はありませんでした。部屋の入口はガラス製の引き戸で、合宿所のような雰囲気です。引き戸に貼ってある付箋に書かれた自分の名前を確認して入室します。 .
内側からしっかり施錠して、カーテンを閉めます。鍵は棚の中に置いてあるのを発見。
部屋の中には食器やポット、電子レンジもありました。ただし、ドライヤーはありません。蚊や虫がいるので虫除けグッズを持参するのが良さげ。
外からネコの鳴き声がするので中庭に出てみると、暗闇の中にかわいらしい子ネコがいました。
翌朝はけたたましい鶏の鳴き声と芝刈り機の音で起床。鶏は島のいたるところで放し飼いにされていました。
暗いときはよく分かりませんでしたが、ホテルはプールのある中庭を囲む2階建てでした。
◆中古の日本製公共バスに乗って島を一周
ラロトンガには島を一周する公共バス「Cook's Island Bus」が走っています。専用のバスアプリ「transport me」があるのでダウンロードしてみました。アプリでバスの現在地がリアルタイムでわかるはずなのですが、表示されず。バス停の位置は表示されるので、各バス停の場所を知ることはできました。
アプリを頼りに始発および終着のバス亭「クックスコーナー(Cook's Corner)」へと向かいます。宿泊したセントラルモーテルから歩いて約10分、小さなカフェやお土産屋が集まったショッピングモールの一角にCook's Island Busの立て看板を発見。次の出発時刻が手書きで記載されています。島を一周する海岸沿い道路を時計回りに移動する「Clockwise」と、反時計回りに移動する「Anti Clockwise」があり、どちらも1時間に1本の間隔で運行しているようです。
現在時刻を確認しつつ、午前10時30分発車の「Anti Clockwise」コースに乗ることにしました。バスを待つ間にお土産屋をのぞいてみます。
鳥が描かれたカラフルな商品がたくさんありました。
ラロトンガでは、ナウルやドミニカ国と同様に、放し飼いの犬をよく見かけます。
というわけで、バスが到着しました。乗車の際に運転手へ5NZドル(約475円)を支払います。料金は距離に関係なく1回5NZドルです。
見覚えのあるような柄のシートに座ります。どこか懐かしく柔らかな座り心地。
ルームミラーの上に「禁煙」の文字を発見。日本製の中古バスでした。クック諸島の交通ルールは日本と同じ左側通行です。
バスが出発しました。冷房がないので、雨が吹き込んできますがほとんどの窓は全開です。バスは島の外周道路32kmを約50分で一周します。
全開の窓からラロトンガの景色を楽しみます。昨夜降り立ったラロトンガ国際空港がありました。
ここはクック諸島議会議事堂。クック諸島の国会が開催される場所です。
のどかな景色が続きます。
バスに揺られること40分。2階建てのカラフルでかわいい建物の前にあるバス停「モーリングカフェ(Mooring Fish Café)」で停車したので降りてみました。この建物はテアラ文化企業博物館(Te Ara Cook Islands Museum of Cultural Enterprise)です。
入館料は15NZドル(約1425円)。クック諸島の歴史を展示するとともに、地元の文化ビジネスのインキュベーターとしての役割を果たすことを目的として2017年2月にオープン。
テラス席と屋内にも飲食スペースがありました。
博物館を後にして昼食を済ませ、再び反時計回りのバスに乗ります。
クック諸島で最も古い建物の1つであるバナナコートにある「id.CK」を発見。ここでは最新のファッションやアクセサリーを販売しています。「id.CK」を過ぎると数分でクックスコーナーに戻ってきました。これで島一周終了です。道中に信号機は1つもありませんでした。
◆クック諸島の食事事情はこんな感じ
・揚げ寿司が有名な「Body Fuel Café」
朝食を食べに、セントラルモーテルから歩いて15分の「ボディフューエルカフェ(Body Fuel Café)」に行ってみました。お店は海沿いにあって、周囲には小さな飲食店が並んでいます。風が強く小雨が降っていたせいか、お客さんは誰もいませんでした。
人気メニューは揚げ巻き寿司とのことなので、早速頼んでみました。10NZドル(約950円)です。
日本でおなじみの魚型しょうゆ差し(ランチャーム)がついてきます。
食べてみるとおいしいのですが、揚げてある感じはしません。具は照り焼きチキンと生のキュウリと人参のようです。後で確認したところ、お店のホームページで揚げ巻き寿司が紹介されていました。今回注文したお寿司とは明らかに異なります。注文がうまく伝わらなかったのかもしれません。
・海辺のオープンレストラン「The Mooring Fish Café」
公共バスを途中下車して立ち寄ったテアラ文化企業博物館から歩いて数分の場所にあるレストラン「モーリングカフェ(Mooring Fish Café)」で昼食を食べます。
バス停の名前にもなっているモーリングカフェは地元の人や観光客でにぎわう島で一番の人気店とのこと。今日のスペシャルメニューと、「スマイルはいつも0円」と書かれています。
感じの良い店員さんが料理を運んできてくれました。
今回注文したのは、左のフィッシュ&チップス(22NZドル/約2090円)、中央上の揚げたマヒマヒ(シイラ)をパンで挟んだFOB(18.50NZドル/約1758円)、右下のケジャンメキシカンタコス(25NZドル/約2375円)。どれも異なった味付けなので、ボリューム満点でも飽きずに食べられました。タコスはグリルになっていて、フィッシュフライは外がサクサク、中はトロトロ。FOBはカリっとしていて違う食感が楽しめました。
お店の目の前にある道路を渡ってビーチに行くと見渡す限りのカニを見ることができるとの情報を得たので、食後に行ってみることにしました。しばらく海岸周りを散策して観察しましたが、一匹も見つけられませんでした。天気の良い日に来ればたくさん見られたのかもしれません。
◆世界で唯一の3ドル紙幣を手に入れる方法
津波が来た際の避難ルートを示す看板が島内各所にありました。
アバルアにあるホテル。フロントのソファで気持ちよさそうに眠っているネコがいました。
アートギャラリーのような一般住宅。
クックスコーナーから歩いて3分のところに「コンピューターマン(The Computer Man)」というお店を発見。中に入ってみます。
コンピューターマンは2000年にオープンしたお店で、パソコンやパソコン周辺機器、オーディオ機器などを販売しています。また、販売だけではなく、出張サービスでパソコンやインターネット接続の設定サポートなどもしているようです。
クック諸島には、世界で唯一と言われるとても珍しい3ドル紙幣があります。ただ、めったに流通することがないため、出会ったら運が良いと言われているほどです。今回は出会いを待っている時間がないので、BCI Bankに行ってみました。
とりあえず中に入って順番を待ち、窓口で3ドル紙幣が欲しい旨を伝えると、あっさり3NZドル(約285円)で換金してくれて手に入れることができました。これが世界で唯一クック諸島にしかない3ドル紙幣です。
なお、クック諸島の2ドル硬貨は三角形でした。紙幣も硬貨もユニークなお土産になりそうです。
◆「.ck」のレジストリにあったメルヘンなパラボラアンテナ
「.ck」ドメインのレジストリがラロトンガにあるとのことで、いつも通りアポイントメントはありませんが行ってみます。
Vodafoneが管理しているそうで、敷地内には大きなパラボラアンテナがいくつかありました。
地面に落ちて内側に草木が生い茂っているパラボラアンテナを発見。小動物が飛び出て来そうなメルヘンな雰囲気です。
残念ながら担当者はニュージーランドに出張中のため会えませんでしたが、他のスタッフが丁寧に対応してくれました。
◆街で見かけた「.ck」ドメイン
それぞれの国には、「ccTLD(国別コードトップレベルドメイン)」という国ごとに割り当てられたドメインが存在します。「ドメイン島巡り」は、そんなccTLDの中でも「島国」に割り当てられている約50種類のドメインに焦点をあて、実際にそのccTLDが割り当てられている島国を訪れて現地の魅力をレポートすると共に、「現地でそのドメインがどのように使われているのか?」を調べるのが目的。
クック諸島に割り当てられているccTLD(国別コードトップレベルドメイン)は「.ck」です。ラロトンガでは「.ck」を多く見ることができました。
今回宿泊したセントラルモーテル。
ラロトンガ主要中央ビジネス地区における改造計画第一弾のアナウンス。この計画には歩道、街灯、歩行者のアクセス性、安全性を大幅に改善することや、公衆トイレの再開発、利用者の快適な体験を実現するなどが含まれています。完了までの予想期間は最大で18か月だそうです。
ラロトンガツアーの看板。
ゲストハウス
◆現地でのSIM購入&速度調査
クック諸島で利用できるeSIMのプランがなかったので、今回はラロトンガ国際空港でSIMカードを手配。22時を過ぎていましたが空港内のVodafoneが営業していました。
プランは15日49NZドル(約4655円)か、28日69NZドル(約6555円)しか選べず、今回の滞在は1泊2日なので短い方の15日のプランを選択。クック諸島に来るのはロングバケーションの観光客が多いのかもしれません。
速度は46Mbpsでした。
海外に行く予定のある方は以下のページも参考にしてください。
最強の海外用eSIMはコレだ!海外用Wi-Fiはやめておくべきこれだけの理由|株式会社インターリンク
https://note.interlink.blog/n/nbc08ddc8169e
というわけで、今回のドメイン島巡りで訪れた場所は以下のGoogleマップ上でまとめて確認可能。
また、「クック諸島まで実際どうやって行けばいいの?」というアクセスの詳細はここから確認可能です。
ドメイン「co.ck」の詳細や申し込みについては、以下のリンクから確認できます。
co.ckドメイン登録(クック諸島)|世界のドメイン取得、コンサルティングならGonbei Domain(ゴンベエドメイン)
(文・写真:インターリンク https://www.interlink.or.jp/
ドメイン島巡り https://islanddomains.earth/)