(画像:さや香 新山Xより)
お笑いコンビ・さや香が、「M-1グランプリ」に今年は出場しないと宣言してから、各テレビ番組で引っ張りだこになっている。

◆さや香、東京進出で月収125万円突破。全国区でブレイクなるか?

さや香は、「M-1グランプリ」で一昨年に準優勝、昨年は3位という好成績をマークしている実力派コンビ。今年こそは優勝を狙っていると思われていただけに、ファンだけでなくマスコミも驚き、大きなニュースとなった。

そんなさや香だが、今年4月から東京進出を果たし本格的に全国区での売り込みをかけている。9月に入ってから、新山を中心として『ゴッドタン』(テレビ東京系)、『ワイドナショー』(フジテレビ系)、『酒のツマミになる話』(フジテレビ系)と人気番組に軒並み出演。『ゴッドタン』では、若手芸人が大阪で頑張っても125万円の月収が限界だと暴露したうえで、自分たちは東京進出してすぐに突破したと話し大きく話題になった。

現在、若手芸人ではもっとも注目度の高いさや香だが、果たして東京進出で大ブレイクできるのか? その魅力と可能性に迫っていきたいと思う。

◆ロケもトークもおもしろい芸人、待望の東京進出

まず、さや香のプロフィールを簡単に紹介する。ネタ作りを行う新山と、ボケもツッコミも行える石井が2014年にコンビを結成。2017年にはじめて「M-1グランプリ」で決勝進出を果たして注目を浴び、準優勝と3位を経験する。

また、2019年に「NHK上方漫才コンテスト」、2020年には毎日放送が開催していた「歌ネタ王決定戦」で優勝するなど、ネタに定評があるコンビとして活躍。劇場では大阪の「よしもと漫才劇場」(マンゲキ)を拠点に、客を呼べる漫才師として確固たる地位を築き上げていく。

テレビでは、『せやねん!』(毎日放送)や『newsおかえり』(ABCテレビ)など、関西の番組で活躍。ロケもトークもおもしろい芸人として関西ではブレイクしているものの、全国区のテレビ番組ではまだ活躍できていなかった。それだけに、ファンからしたら待望の東京進出となり、今後の動き次第では大ブレイクの可能性を秘めているコンビになる。

◆千鳥もかつて東京進出のち人気低迷した時期も

ここ最近、特に吉本興業に所属する芸人を中心に東京進出が加速し、さや香と同時期にはビスケットブラザーズ、ヘンダーソン、滝音、シモリュウなどが東京に拠点を移した。

そんな東京進出の成功例で言えば、千鳥のブレイクへの経緯が分かりやすい。

千鳥は大阪で絶大な人気を誇り、2012年ころから東京進出を決意。鳴り物入りで東京に来た千鳥は、『THE MANZAI』(フジテレビ系)で結果を出し、若者に人気だった『ピカルの定理』(フジテレビ系)で新レギュラーを獲得した。

しかし、『ピカルの定理』が2013年に終了すると、千鳥は勢いを失い人気が低迷。2014年に東野幸治の発案で、『アメトーーク!』(テレビ朝日系)にて「帰ろか…千鳥」という東京進出の失敗をネタにした企画ができたほどだ。

ただ、この『アメトーーク!』への出演をキッカケにテレビ関係者から知名度が上がり、さらに変わったロケを行う『いろはに千鳥』(テレビ埼玉)が話題に。ロケの達人として知れ渡り、次々とレギュラー番組が立ち上げられ大ブレイクした。

千鳥の後は、2018年に東京へ活動拠点を移したかまいたちや、2人とも40歳をこえて東京で人気が出たダイアンがブレイク。さらに、さや香とも年齢が近い霜降り明星などが、東京進出で成功しているコンビだ。しかし、どの芸人も東京進出はスムーズにいったわけではなく、紆余曲折ありながらそれぞれのコンビが基盤を作った。

さや香もこの流れに乗っているコンビであり、新山は今年5月に放送した『あちこちオードリー』(テレビ東京系)で「令和の視聴率男になりたい」と真面目に発言。テレビ出演を重視する方向性を示し、第二の千鳥を狙っていることは明らかだ。そんなさや香は、スムーズに東京進出を成功させることができるのか?