MetaがFacebookとInstagramの成人ユーザーの投稿をAIに学習させていることが判明、ユーザーに拒否権なし
Metaのプライバシーポリシー担当ディレクターであるメリンダ・クレイボー氏が、オーストラリア議会の公聴会で、同社が2007年以降にFacebookとInstagramに投稿された18歳以上のユーザーのコンテンツをAI製品に使用していることを証言しました。厳格なプライバシー保護法があるEUとは異なり、オーストラリアを含むEU以外の地域のユーザーには投稿や写真の使用をオプトアウトするオプションが提供されておらず、将来的にも提供の予定はありません。
https://www.abc.net.au/news/2024-09-11/facebook-scraping-photos-data-no-opt-out/104336170
オーストラリアの公共ニュースサービス・ABC Newsによると、AI導入に関する特別委員会の公聴会に出席したクレイボー氏は当初、AI開発のためにオーストラリア全土からデータを収集するようなことはしているかとの質問に対し、「そのようなことはしていません」と否定していたとのこと。
しかし、デイビッド・シューブリッジ上院議員が「この問題に関する真実は、意図的に投稿を非公開に設定した場合を除き、Metaは2007年以降のInstagramやFacebookのあらゆる公開投稿から、すべての写真とすべてのテキストをスクレイピングすることを決定したということですね?」とより具体的に問いただしたところ、クレイボー氏は態度を翻して「その通りです」と答えました。
クレイボー氏は、18歳未満のユーザーアカウントからはデータを収集していないと付け加えましたが、子どもの親などの成人ユーザーの投稿で公開された子どもの写真はどうかと質問されたところ、スクレイピングしていると認めました。
また、アカウント作成時には未成年だった人が成人した場合における過去のデータ収集については、回答できなかったとのことです。
by ABC News: Adam Kennedy
Metaは2024年6月に、ユーザーがオプトアウトしない限りユーザーのデータをAI製品のトレーニングに使用すると案内するメッセージを欧米のユーザーに送りました。
特に、EUのユーザーに対しては、データの使用をオプトアウトするオプションも提供されていますが、これはユーザーデータの使用を厳格に規定したEUの法律によるものです。
そのため、アメリカやオーストラリアなど、EU以外の地域のユーザーには自分のコンテンツがAI製品に転用されるのを拒否する機能が提供されていません。
クレイボー氏は、「欧州でのオプトアウトオプションは非常に特殊な法的枠組みに応じたもの」と述べており、将来的にオーストラリアのユーザーにそのようなオプションが提供されるかどうかについては言及しませんでした。
シューブリッジ上院議員はABC Newsに対し、「欧州では人々のプライバシーが保護されているのに、オーストラリアでは保護されていないのには理由があります。それは、欧州の立法者が厳しいプライバシー法を作ったからです。Metaは本日、オーストラリアに同じ法律があればオーストラリア人のデータも保護されただろうと明言しました。政府がプライバシー保護をしないということは、Metaのような企業がFacebookにある子どもの写真や動画を収益化し、悪用し続けることを意味します」と述べて、国民のプライバシーを守る法律の必要性を訴えました。