あの『九十九ラーメン』に悶絶級の“冷やしメニュー”がある!チーズラーメンでおなじみ超人気店の「冷やし麺」は濃厚であとを引くうまさ
皆さんの今夏の思い出は何だろうか。ライターのワタクシ、夏フェスに参戦しなかったし、ビアガーデンでの乾杯すらできていない。海の近くまでは行ったけれど、仕事だったし……。これはイカン!ということで、せめて夏っぽい思いをしたいと、美味しい冷やし麺があると聞いて、「九十九(つくも)ラーメン 恵比寿本店」に伺った。
1997年に東京・恵比寿にオープン、2020年にリニューアル
2024年の夏も本当に暑かった。ここのところやっと少し秋めいてきて、朝晩は楽になってきたが、日中はまだまだ暑い。9月もなかなかの残暑なのだとか。だからこそ、美味しい冷やし麺でキリッとした気分を味わいたいし、去りゆく夏を惜しみたい。「冷やし中華始めました」の一文に心は躍るが、実は意外と食べていないということに気づいたのだ。
1997年、東京・恵比寿にオープンした「九十九ラーメン」。たっぷりの削りたてチーズをのせた「元祖(究)チーズラーメン」(1200円)のインパクトのあるビジュアルが思い浮かぶ方も多いのではないだろうか。私も当時、行列に並んで食べたなぁ。
久しぶりに伺った店舗は、2020年9月にリニューアル。よりゆったりとしていて、居心地も良い。カウンター前にはチーズを削るところが見られる、ライブ感あふれる席も。
「九十九冷やし麺」は豆乳麺
さて、その「九十九ラーメン」で、例年5月25日から9月25日まで提供しているのが「九十九冷やし麺」(1200円)。
まず出てきて驚くのが、最後まで美味しく冷え冷えをキープするために、お皿と受け皿の間に氷が敷き詰められていること。もちろん、オーダー時に「無しで」とお願いすれば、いい塩梅に冷やされた麺が提供されるのでご安心あれ。
大きな特徴は、この冷やし麺のためだけに作られた無添加の豆乳粉を練り込んだ豆乳麺を使っていること。卵が入っていないサッパリとした味わいで、しっかりと氷水で締めていることもあって、コシがあり、つるつるの食感も魅力だ。
2種類の練り胡麻を使った特製ダレは、ショウガやニンニク、長ネギなどの香味野菜で丁寧に取られたクリアスープと合わせている。
まずはそのままいただくと、濃厚かつコクがあってあと引く美味しさ。
たっぷりと乗った具材も魅力的。チャーシューの細切りはしっとり柔らか。スライスされた玉ねぎと千切りのキュウリがサッパリとさせつつ、食感の妙も相まってとても良き。
自家製ラー油、黒酢を入れると…1段ギアが入った美味しさに!
第2段階として、ここに自家製ラー油や黒酢をお好みで入れていく。
自家製ラー油は、辛いもの好きの筆者も納得する美味しさとどっしりとした辛さ。白絞油に日本産と韓国産の2種類の唐辛子などで辛さと風味を出している。その他の材料は企業秘密だそう。作るときはゴーグルなどをしないと大変なことになるらしい。
黒酢を入れると、味にまろみと深みが加わり、もう1段ギアをグッと入れたような美味しさになる。
自家製ラー油も黒酢もパンチのある味だが、それに負けないタレと麺が白眉だ。
例年、暑くなってくるともう始まった?とこの麺を心待ちにしている常連さんから連絡が来るのだそう。みんな、楽しみにされているのがよくわかる美味しさだ。
今年いただけるのはあと約ひと月。ぜひお試しあれ。
トマト好き、チーズ好きも、苦手な人もぜひお試しを!
もう1品、ご紹介したいのが「(究)トマトチーズラーメン」(1250円)。こちらはレギュラーメニューのため、いつでもいただけるのでご安心を。
シグニチャーメニューの「元祖(究)チーズラーメン」は、味噌とんこつラーメンがベースになっている。
とんこつのスープは、ゲンコツや大山鶏をメインに使用し、10時間以上かけて絶妙な火加減を守りながら炊いている。攪拌のタイミングなどもかなり繊細だとか。そしてオープン以来、現在もスープ作りは進化していて、どんどん濃厚になっているのだそう。
「(究)トマトチーズラーメン」は、そのとんこつスープにトマトピューレなどで作った濃いトマトソース、ダイス状のトマトがたっぷり入る。散りばめられたフレッシュバジルの爽やかさも高ポイントだ。
チーズは北海道・花畑牧場の「十勝ゴールデンゴーダ」を贅沢に使用。およそ半年間かけて熟成させたハードチーズは、熟成期間中も一つひとつ職人がチーズを磨いている。
たっぷりとふりかけられたチーズを少しずつスープに溶かしながら、麺に絡めていただくのがおすすめだ。
トマトの爽やかさと濃厚なとんこつスープの旨み、深いチーズのコクの三位一体の美味しさがこれはクセになるし、とても贅沢な気持ちになる。
チーズ嫌いやトマト嫌いでも食べられると評判の一杯だ。
スープをかけてリゾットにも!逸品「焼きチーズおにぎり」
このシメにいただきたいのが「焼きチーズおにぎり」(300円)。ご飯にもチーズが練り込まれていて、上にはパリパリに焼かれた「十勝ゴールデンゴーダ」がトッピングされている。残ったスープをかけて、リゾットのようにいただけば、最高の逸品になる。
九十九ラーメンといえば、うれしいサービスがある。無料で提供される「ピリ辛もやし」と「ネギ」。豆板醤などがきいた特製ダレで味付けられたモヤシはお酒が進む美味しさだ。
なお、11:00〜15:00は、「半熟玉子」をはじめ、「自家製激辛高菜」や「海苔」などのトッピング、「小ライス」が1品サービスになっている。
通し営業なのもうれしいポイント。伺ったのは週末の夕方の時間帯だったので、家族連れが多かった。
何より、スタッフたちのホスピタリティの素晴らしさにほっこりとしてしまった。
とんこつ、野菜たっぷり塩…気になるメニューは他にも!
お昼から深夜まで、ガッツリ飯もちょいと一杯も、様々な使い方ができる「九十九ラーメン」。その他、「手作りパリパリ餃子」(350円〜)や熱烈なファンがついているという「九十九とんこつラーメン」(920円)、国産野菜が540gも使用されている「野菜たっぷり塩ラーメン」(1100円)など、気になるメニューがありまくり。
なお、千葉県・津田沼にも姉妹店があるが、メニューは全然違うのだそうだ。あ、それはそれで気になる……!
未経験のあなたも、お久しぶりのあなたもぜひこの美味しさを体験してみてほしい。
■『九十九ラーメン 恵比寿本店』
住所:東京都渋谷区広尾1-1-36
電話:03-5466-9566
営業時間:11:00〜27:00(26:30L.O.)
交通:JR山手線等恵比寿駅東口から徒歩7分
https://tukumo.com/
文・写真/市村幸妙
いちむら・ゆきえ。フリーランスのライター・編集者。地元・東京の農家さんとコミュニケーションを取ったり、手前味噌作りを友人たちと毎年共に行ったり、野菜類と発酵食品をこよなく愛する。中学受験業界にも強い雑食系。バンドの推し活も熱心にしている。落語家の夫と二人暮らし。