PSYCHIC FEVER

PSYCHIC FEVERが、8月24日から25日にかけてタイ・バンコクで開催された日本を代表する音楽フェス『SUMMER SONIC』(以下、サマソニ)初の海外イベント『SUMMER SONIC BANGKOK 2024』(以下、サマソニバンコク)に出演。

【写真】PSYCHIC FEVER『SUMMER SONIC BANGKOK 2024』の模様

20年以上にわたって世界トップクラスの洋楽アーティストを招請してきたサマソニは、欧米やアジア各国からもロックバンドやソロシンガー、アイドルなど幅広い出演者をブッキングし、変化を恐れず最新の潮流を取り入れる自由なスタイルで音楽ファンを熱狂させ続けている。

そんな中、開催を望むアジア各国からのオファーを受けてついに実現したサマソニバンコク。その記念すべき初回でトップバッターを任されたのが、日本から出演したPSYCHIC FEVERだ。

「Hey, what’s up SUMMER SONIC!?」「We’re PSYCHIC FEVER!」「Everybody, put your hands up!」――現地時間の昼過ぎ、JIMMYと小波津志の威勢の良い第一声でステージに姿を表した7人。タイでライブを行う機会が増えた時期に、言語を超えて音楽に乗って通じ合えるよう考案したという “アゲ曲” 「Up and Down」で、サマソニバンコクが産声を上げた。30分の持ち時間を悔いなく楽しみ尽くそうとエンジン全開で走り出したPSYCHIC FEVERは、JIMMYが制作した手を上下に動かす振付で、1曲目から会場一体となったパフォーマンスを見せていく。間髪入れずに流れ出す「Just Like Dat feat. JP THE WAVY」では、「この曲を知っていたら一緒に歌って踊ってください」という小波津の英語での呼びかけ通り、サビの〈Just Like Dat!〉の掛け声で観客を巻き込み、まだ2曲目にもかかわらず歓声の渦を生み出した。

「こんにちは、PSYCHIC FEVERです!」「楽しんでますか?」とMCもタイ語で行う7人。「ここで自己紹介をさせていただきます!」と話し、下手側の剣から順にマイクを握る。半田龍臣は「よくいらっしゃいました!」、渡邉廉は「すごいね!」と話し、会場の盛り上がりに明るい笑顔を見せた。また、小波津も「サマソニバンコクに出られて、そして皆さんにお会いできて嬉しいです!」「僕たちのことも楽しませてくれてありがとうございます!」と、熱烈に視線を送る観客に対して、流暢に想いを伝えた。

既にあたたまったステージを包むようにしっとりと染め上げるのは「BEE-PO」。「To The Top feat. DVI」など、PSYCHIC FEVERと現地アーティストのタイでのコラボ楽曲も手がける音楽プロデューサー・NINOがトラックを制作した本楽曲は、“BEE-PO”と聞こえるサイレンの音を恋のSOSに見立て、〈頭ン中 キミでいっぱい〉〈胸が痛いよ〉という恋煩いを描いたラブソングだ。立て続けに〈君以外今考えれない全然〉と歌う「Temperature (Prod. JP THE WAVY)」が場内に響き始め、まるで体温が上昇するように熱中していく恋模様を表したノリのいいR&Bラブソングで、会場の温度までも急上昇させていく。

同楽曲を提供したビートメイカー・ineedmorebuxが同じく制作に携わり、メンバーのJIMMYとWEESAもライティングに参加した6月28日ニューリリースの「Perfect feat. JIMMY & WEESA」では、聴く人の鼓動を早めるバウンシーなジャージークラブビートが展開。花道に移動したメンバーは観客と近くでコミュニケーションを取り、ステージを自由に飛び跳ねる。先頭に立って花道を歩き、2人で1曲を歌い切ったJIMMYとWEESAが、曲終わりに互いを称え合うようにシェイクハンドを交わす姿も印象的だった。PSYCHIC FEVERが世界に届ける高品質で幅広い音楽性が、序盤からたっぷりと堪能できるセットリストだ。

「Let’s jumping together!」「Are you guys ready for jump?」と観客に問いかけるJIMMYとWEESAの煽りで始まった「Highlights」を終えて、セットリストは早くも後半戦へ。F.HEROと、同じくHIGH CLOUD ENTERTAINMENT所属のヒップホップ・ダンス・グループ BEAR KNUCKLEとのコラボで話題となった盛り上げ曲「SPICE feat. F.HERO & BEAR KNUCKLE」、さらに、剣・小波津・半田と、中西椋雅、渡邉、JIMMY、WEESAの2組に分かれてみんなでタオルを振り回すアッパーソング「IGNITION」……とハイカロリーな楽曲のバトンが、ステージに強力なエネルギーを送る会場のボルテージをますます高めていく。グループパーパスでもある “IGNITE YOUR DREAMS”=「あなたの夢に火をつける」の文字通り、ライブ会場を燃え上がる炎にも似た熱気に包むと同時に、着実にグローバルスターダムを歩み出している彼らの生き様がありありと感じられる瞬間だった。

終盤戦に差し掛かったステージで、JIMMYとWEESAの「Let’s go, REN!」という掛け声に背中を押され、左手を高く上に突き上げた渡邉は、「All right, everybody put your hands up!」と一言放ち、ライブではお馴染みのビートボックスで会場の注目を一身に集めた。そのリズムに乗せた小波津・WEESAによるアカペラが、ラストスパートに場内のボルテージのギアをもう一段階引き上げる。ラストソングを飾るのは、大注目のタイの18歳のラッパー、SPRITEがfeat.で参加し、「BEE-PO」同様に現地音楽プロデューサー・NINO率いるHYPE TRAIN PRODUCTIONチームが書き下ろした「FIRE feat. SPRITE」。終演間際に勢いよくジャケットを脱ぎ捨て、赤いタンクトップ姿になった小波津をセンターに繰り広げた激しいダンスブレイクでは、目まぐるしく移り変わる息の揃ったフォーメーションが会場中の視線を奪っていく。最後の最後までノンストップで駆け抜けたPSYCHIC FEVERのステージは、サマソニバンコクの歴史に確かに刻まれるものとなったに違いない。

PSYCHIC FEVERは現在開催中のグループ初の単独アジアツアー『PSYCHIC FEVER ASIA TOUR 2024 “HEAT”』で、9月14日にタイ・チェンマイ、21日にマレーシア・クアラルンプール、10月12日にタイ・バンコクをまわる東南アジア諸国での公演を予定している。